北朝鮮「日本人妻の団体設立」 対話再開の思惑か

北朝鮮「日本人妻の団体設立」 対話再開の思惑か
k10010954651_201704200541_201704200542.mp4
北朝鮮は、かつて在日朝鮮人の夫と共に北朝鮮に渡った、いわゆる日本人妻らで作る新たな団体が設立されたと明らかにしました。拉致問題がこう着する中で、別の分野に取り組む姿勢を示すことで、日本との対話再開のきっかけにしたいという思惑があると見られます。
北朝鮮は19日、東部のハムギョン(咸鏡)南道ハムン(咸興)を訪れている日本メディアを、かつて在日朝鮮人の夫と共に北朝鮮に渡った、いわゆる日本人妻らで作る団体の事務所に案内しました。
団体は「ハムンにじの会」という名称で、北朝鮮側は「社会貢献を目的に、去年11月に活動を開始した」と説明しています。

また、団体のメンバー6人が記者会見を行い、1960年に北朝鮮に渡った熊本県出身の85歳の女性は「一日も早く日朝が国交正常化し、私たちが生きている間に何らかの動きを見せてほしい」と述べ、一時帰国に向けた日本政府の対応を求めました。

北朝鮮に渡った日本人妻の数は1800人を超えると見られ、その多くが日本への一時帰国すら認められず、安否の確認も難しい状況が続いています。

北朝鮮は19日、終戦前後の混乱の中で現在の北朝鮮領内に取り残された残留日本人の女性に対する取材の場も設けていて、拉致問題がこう着している中、別の分野に取り組む姿勢を示すことで、日本との対話再開のきっかけにしたいという思惑があると見られます。