僕はずっとボディバッグが欲しかった。先代が壊れて以降、実店舗はもちろん、最近話題のZOZOTOWNや楽天、ヤフオクなどでひたすら探す日々……。
そして苦節三年。とうとう某サイトで発見! すぐに購入した。
いやー、長かった。嬉しさと同時に「もう探さなくていいんだ」という開放感があった。
悲劇の始まり
ふふふ。2万円を超える買い物だったが、本当にいい買い物をした。とまあ、ここで終われば良かったのだが、買ったサイトが問題だった。
この楽天というサイトは、自分がクリックしたページをトップページに表示してくる。「もう買ったわ!」と言うまでがお約束だ。
しかし、ふと思った。
僕が買った後はどうなったんだろう?
そう思い、軽い気持ちでクリックした。
(……ご、5000円オフになってる)
なぜかはすぐにわかった。僕が買ったことで在庫が1になっていたから。捌かしたい店側の気持ちはわかる。でも、まだ一週間も経ってない。なのに、そんなに値段下げしちゃうの……?
見えてしまえば気になるもので、その後もクリックしてしまう日々。あと1個は売れたかな~? そんなある日。
売れるどころか、8000円オフに!!
「いやいやいや、それは酷いわ! 次に買う人間はどんだけ恩恵受けるん!」
画面に向かって言いましたよ、ええ。
そこまで下げるなら、僕と次に買う人間の値段を均等にすべきでしょうよ! その分のポイントをキャッシュバックしてくれたら許せる。今からでも遅くない。
でも、よく考えると、手元にあるバッグに失礼かもしれない。何しろ三年も待ったのだ。バックを見つめて考えた。この一週間で7000円の価値があったのか。買ってから一度も外に持ち出していないから、つまりは鑑賞料か。
日割り計算すると、一日1000円。うーん……。
仕事から帰ってきた彼女に話したら、、、
「いつかは誰しも経験することやん」の一言だけ。「ハイハイ、残念やったねえ。かわいそうに。……これでいい?」みたいな、いつものノリもない。
腑に落ちない僕を見て「めんどくせーな~」と前置きした上で、
「むしろ今まで気付いてこんかっただけ幸せなんやない?」
たしかに。それは納得しとんやけどね
「そのぶん、何回も使って大切にすればいいやん」
んー。超お気に入りやけ、あんま多用したくないんよ
「はあ? じゃあなんのために買ったん?」
ガンガン使うってより、お洒落して出かけたい時や小旅行とか、限られた状況で使いたいんよねえ
「でもさ、使わな勿体ないやろ」
わかっとるよ。でも、汚したくないんよね
「はあ? ケチな上にめんどくさっ」
……
クソオオオ!!!
――僕が幼稚園~小学校低学年くらいの時。おばあちゃんとデパートに買い物に行ったことがあった。僕に買ってくれた服が、なんとセールで安くなっていたのだ。おばあちゃんは
「歯痒い~!」
と店員さんに向かって嘆いていた……。なぜかその出来事を思い出したのだ(血は争えないんですかね)。
それにしても、店員さんは気持ちよかったでしょうねー。ツラの皮の厚さがそれはもう凄まじくて、ニヤニヤが止まらなかったはず(偏見です)。
まとめ
商売はタイミングが重要だし、値段も常に変動していることはわかっている。
けれど、誰しも経験することだからと言って、簡単に受け入れられるとは限らない。
もし運命というものがあるのなら、同じバックを背負った人を見つけてしまうだろう。限定品なのですぐにわかる。きっと、恨めしい目で見てしまうと思います。その時は、どうか許してください。色々と思うことがあるんです。
……でも、僕の背後には、僕のバックを恨めしい目で見ている人がいたりして。