英語のネイティブ・スピーカーと、非ネイティブ・スピーカーの私の英語を比較するのも5回目です。英語の学習をしていて辛いことの1つに、自分の英語の上達を実感できないことが挙げられます。それを突破するためには、自分での英語学習と、自分なりの何かしらの気づきが必要です。そのために、他の人は [どうやって英文を作成しているのか] を理解するのがお勧めです。
- 私なら、どう英文を作成していくのかという過程を細かく分析
- 英語のネイティブ・スピーカーは、同じ日本語をどんな英文にするのか
- 彼等の英文を見て感じた疑問についての質疑応答
という段階を経て、最終的にどうしていくべきかを解説していきます。(そこから英会話上達へのヒントを探ります)
日本語を実際に英文にすることで、具体的にどう英文を作成していくかのを考える
利用するのは、以下の日本語です。
TITLE: [ボブ、今、どこに住んでんだ?]
John:ボブ、今、どこに住んでんだ?
Bob: 俺が住んでんのは、ABマートの近くの安いホテルだよ。
ここから歩いて、15分くらいかな~。
John:えっ、マジかよ!、あんな治安の悪い所に住んでんのか!
おい、授業終わってから、歩いて帰ったりしてないよな?
Bob :えっ?、歩いて帰ってるよ。近いし、結構、街灯がついてて明るいしさ~。
そんな危ない感じしないぜ~。
まぁ危なくなったら、俺の空手で追っ払ってやるよ。
空手なんて、全くやったことないけどさ~(ハハハ)
John:オー、ジーザス!、ボブ、お前は、危険ってことへの認識が甘いぞ。
お前は、何を根拠に、あの辺は危なくないって思ってんだい?
Bob :今まで、旅でつちかってきた勘かな~。
そんなに暗くないし、危なそうな奴を見かけたことないし。
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John :よく聞け。お前が知ってんのは表面だけだぞ。
たまたま自分の身や、周りに危ないことがないだけで、
危険じゃないなんて考え てんのは危ない考えだぞ。
あの辺は、夜はマジで危ないんだぞ。他の奴に聞いてみろ!
点線より上は以前に説明しているので、今回は点線より下を英文にします。
点線より上の日本語に対する私とネイティブの英文、解説はこちらからどうぞ。
英語のネイティブと非ネイティブな私の英語を比較してみた4-解説付 - 英語を話すコツを考える
設定は、コロンビアの英会話スクールに通うボブと、生徒、先生、友達による日常での会話が中心になります。基本的に、生徒と先生は、仲良くなると友達感覚でため口で話しているので、formal な言い回しはほとんど出てきません。
授業が終わった後に、学校の前で冗談を言いあってるボブと、その友達の会話になります。
登場人物
1,Bob ,,, 学校に通う生徒(一番の目的は英会話学習より...友達作り)
2,John ,,, ボブのクラスの担当教師で、後のボブの友達。
では実際に英文を作成してみます
最初に英語にするのは、1,[よく聞け。お前が知ってんのは表面だけだぞ]
[よく聞け] は難しく考えず、[Listen to me] にします。
ついでに反対の表現も覚えておくと便利です。
=> You don't listen to him . (彼の言う事を聞いちゃ駄目だよ)
この動詞 [listen] は、主に [listen to] で使われます。(セットで動詞と考えるとわかりやすいと思います) 基本文に当てはめると、[主語 listen to 動詞に関連] となります。
基本文とは、
基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語 動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)
英文は、[主語] [動詞] [動詞に関連] [接着剤 説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みは、状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。
[主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
[動詞に関連] ,,,, 基本、名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it(正確には、動詞に関連するもの)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には、接着剤効果のあるもの)
拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていく] ことを意味しています。
基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
英語を話すために、英語の基本文という軸を持つ。 - 英語を話すコツを考える
ここで注目するのは [お前が知ってんのは表面だけだぞ] という部分です。この日本語を見て私が考えるのは、これは [誰々が~なのは、~だけ] という文だなということです。なので [あなたが知っているのは 表面だけ] という英文を作ろうと考えます。
[あなたが知っているのは ~だけ] を英文にする場合、
私なら => [You know just 動詞に関連 ~.] という文を利用しようと考えます。
そうすると足りていないのは、動詞に関連に [表面] という英単語を当てはめることです。でも、ここで単純に、[表面] という英語の単語 [surface] を当てはめただけだと意味が伝わらないのではと感じるので、接着剤の関係代名詞 [what] を利用します。
関係代名詞 [what] は、以前に少し説明した 関係代名詞 [that] とはかなり違うもので、関係代名詞 [what + 説明(主語 動詞 ~)] 全体で、動詞に関連(または主語)を形成します。
関係代名詞 [what] を使う事で、[(が) ~するもの/こと] という名詞の塊を作成できます。英語で名詞が使われる場所は、基本文の主語か、動詞に関連の位置です。
ここでは、
=> You know just + [あなたが見たこと] としたいので、[あなたが見たこと] は [what you looked] として、
=> You know just what you looked とします。
関係代名詞 [what] がわかりにくかったら、その部分に簡単な [名詞] を入れて考えてください。
=> You know just it . (君が知っているのは それだけだ)
その動詞に関連の部分の [it(それ)] が、[what you looked(あなたが見た事)] に置き換わった英文ということです。(接着剤の関係代名詞 [what] は、まだ後になりますが詳しく説明予定です)
接着剤についての大まかな説明は、こちらを読んでください。
ただ、これでもまだ説明が足りていないと感じるので、[あの地域で] という説明を付け足します。
=> You know just what you looked + [in that area] .(接着剤 + 補足です)
私が頭の中で考え利用した日本語は、[お前が知っているのは (あなた自身が)あの地域で見たことだけ] という感じです。
次は、2,[たまたま自分の身や、周りに危ないことがないだけで、危険じゃないなんて考えてんのは危ない考えだぞ]
このままだと日本語が長すぎると感じるので、いつものように日本語を分解していきます。私の英文作成の根底には、日本語を活かすという発想が常にあります。
こちらに説明があるので、気になる方はぜひどうぞ。
この日本語を私なら、きっと、[たまたま、自分の身や、周りに危ないことがないだけで] と、[危険じゃないなんて考えてんのは危ない考えだぞ] の二つに分解すると思います。まず先に英文にするのは、後ろの [危険じゃないなんて考えてんのは危ない考えだぞ] という部分です。
英文のパターン化された表現の中に [~です ~することは] という表現があるので、それに日本語を当てはめて、[危険だよ ~と考えることは] と考えます。
[~です ~することは] は、[It's 形容詞 that 基本文] で表現できます。
とすると、[~です => 危険です] [~することは => ~と考えることは] ということなので、そこに英単語を当てはめると、
=> It's dangerous that + you think the area is not dangerous
これをもう少し解りやすくすると、
=> It's dangerous that / you think (that) the area is not dangerous (危険です / 考えることは / その地域が危険ではないと)
日常会話っぽくすると、[危険だよ その地域が危険じゃないと 考えることは] という感じです。
または、同じ [It's 形容詞 that 基本文] という形に [rely on(頼る)] という動詞と [only] を組み込んで、
=> It's dangerous (that) you rely only on your experiences . (危険だよ 頼ることは 自身の経験だけを) という英文にするのもありかなと思います。
そうすると残りは、前の [たまたま、自分の身や、周りに危ないことがないだけで] です。ここで私が注目するのは [~だけで] という部分です。ここの [~だけで] は、[ただ~というだけで/~だからと言って] ということなので、ここでは [just because] を利用しようと思います。
後は [自分の身や、周りに危ないことがない] という部分です。これは [(一定の期間) ~がない] ということなので、現在完了形の否定文 [have/has not 動詞の原形] を使います。(現在完了形は近いうちに説明予定です)
そこに [危なくなる = be in trouble] という英語の表現を組み合わせます。
=> you have not been in trouble yet
英語のネイティブと非ネイティブな私の英語を比較してみた3-解説付 - 英語を話すコツを考える
の中で、[危なくなったら] を表現するのに、[get into trouble] を使ったのに、ここでは [be in trouble] にしたのは、
[be] => ~の状態にある
[get] => ~の状態になる という違いを意識したからです。
ここでの [今まで、危険な状態に陥っていない] という連続性を表現するのは、[be] を利用するの方が適切かなと感じたからです。(ただ、どちらでも問題ないとは思います)
なので全てを合わせると、
=> just because you have not been in trouble yet . (~だけで あなたが まだトラブルに合っていないという)
この英文は、[just because] という [接着剤 + 基本文] という構成です。
二つの英文をくっつけてみると、
=> It's dangerous that you think the area is not dangerous + just because you have not been into trouble yet .
=> 危険ですよ
=> 考えるのは その地域が危険ではないと
=> あなたがまだトラブルにあっていないというだけで
私の頭の中では、
=> [It's 形容詞+ that 基本文1]
=> + [just because + 基本文2] という感覚です。
長い英文を攻略していくには、まず日本語を日本語を上手に分解するのが近道だと思います。それを基本文にいかに当てはめるかという視点が英文作成を手助けしてくれます。
続いて、3,[あの辺は、夜はマジで危ないんだぞ。他の奴に聞いてみろ!]
これは英語の基本文を理解できていれば簡単です。[あの辺は、夜はマジで危ないんだぞ] を、そのまま基本文に当てはめると、
あの辺は => That area
マジで危ない => really dengerous
夜は => at night
動詞には、be動詞を使って、
=> That area is really dangerous at night . でいいと思います。
正確に言えば、動詞はこのように後で決めているというより、この日本語を見ると
[It is 形容詞/名詞 ~ (それは ~です)] という形を自然と思い浮かべるので、[be動詞] を使うのは最初の段階で決まっています。
[It] を、[That area] として、
=> That area is 形容詞/名詞 ~ になり、
=> That area is really dangerous と基本文の核を完成させ、
=> That area is really dangerous + at night . と英文を作成する感じです。
基本的に、英文を作成するのに最初に決めるのは動詞だと考えています。
残りは、[他の奴に聞いてみろ!] です。ここの [~してみろ] は、私なら、きっと動詞を拡張させる助動詞 [should (~するべき/~したほうがよい)] を使います。[他の奴に聞く] は、[ask somebody else (尋ねる 他の誰かに)] でいいと思うので、
=> You should ask somebody else
日本語だとそれで完了でいいと思いますが、英語ではもう少し説明を加えておく方がいいかなと感じるので、その後に [それについて] という [about it] を付け足して、
=> You should ask somebody else + about it !! とします。
英語は日本語のように文脈から内容を推測するということが基本的に組み込まれていない言語なので、詳しく説明しておく方が無難です。
英語のネイティブ・スピーカーはどんな英文を作成するのでしょう?
今回も、Dave と、Andy に協力してもらいました。
1,[よく聞け。お前が知ってんのは表面だけだぞ]
Dave=> Listen to me! It only looks that way. You don’t know how dangerous it really is!
Andy=> Alright, listen. All you know is just the outside surface.
ここでは、二人の好みの違いが出ていますね。気になる部分をいくつか質問してみます。
Bob:[It only looks that way] とは正確にはどういう意味ですか?
Dave:[way] は [~ふう/~様] と考えればいいはずです。 なので [It only looks that way] で、[そんなふうに/その様に見える] ということです。
Bob:[the outside surface] で、外側の表面という意味でいいのでしょうか?
Andy:そうです。そういう意味です。ここでは [outside] なしの [surface] だけでもいいかなとも思います。
私を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [良く聞け。お前が知っているのは (自分が)あの地域で見たことだけだよ]
Dave: [良く聞け。こんなふうに見えるよ。あなたはそこがどれだけ危険なのかを知らないように]
Andy: [聞いてくれ。お前が知っていることは表面だけだよ]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
私の: [Listen to me. You know just what you looked + in 補足]
Dave: [Listen to me! 基本文の核. You don’t know + how 形容詞 it is(感嘆文)!]
Andy: [Alright, listen. All + 基本文の核.]
2,[たまたま、自分の身や、周りに危ないことがないだけで、危険じゃないなんて考えてんのは危ない考えだぞ]
Dave=> It is stupid to think that area is safe just because nothing dangerous has happened yet.
Andy=> By chance, nothing bad has happened to you, and you haven’t seen anything bad happen around you, but to think that there’s no danger there is a dangerous thought.
Dave は、[It is stupid to think ~] => [馬鹿げた考えだ ~] ですか。なるほど。
二人とも、[nothing dangerous has happened yet] [nothing bad has happened to you] と、[nothing 形容詞 has happened ~] を使っています。[nothing 形容詞 has happened~(~が起こっていない ~)] という [nothing] と [happen] の組み合わせを使う場合の注意点は、[nothing, something, anything, anywhere, etc] 同様な英単語と、形容詞を一緒に利用するときは、形容詞はそれらの後ろに配置されるという点です。
通常は、形容詞 名詞 => dangerous area の並びで、
上記の物は、nothing 形容詞 => nothing dangerous の並びということです。
Bob:1,[but to think] の [but] の意味は何なのでしょう?2,また [but to think that there's no danger] の後の [there] は場所を表す [there] でいいでしょうか?
Andy:1,[今までは何も悪いことがなかった{が} 本当は危ない] の、[が] を意味しています。2,はい、そうです。その部分の [there] は、場所を表しています。
Bob:[but to think that there’s no danger there is a dangerous thought] を細かく分析すると、 [but to think(考えることは)] という主語を、関係代名詞以下の文 [that there's no danger there(そこを危なくないと)] で補足し、 残りの [is a dangerous thought(危険な考えです)] が、動詞、動詞に関連でいいでしょうか?
Andy:そうです。そういうことです。
私を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [危険だよ その地域が危険ではないと考えるのは、あなたがまだトラブルにあっていないというだけで]
Dave: [馬鹿な考えだよ その地域が安全だと考えるのは。あなたに危険なことが起こっていないというだけで]
Andy: [偶然にも あなたに悪いことが起こっていない あなたが危険なことを周りでみていない(が) そこが危なくないと考えることは 危険な考えだよ]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
私の: [It's 形容詞 that 基本文 + just because 基本文2]
Dave: [It is stupid to think that 基本文1 + just because 基本文2]
Andy: [基本文1 and 基本文2 + but to think (+ that 接着剤 補足) is a dangerous thought.]
3,[あの辺は、夜はマジで危ないんだぞ。他の奴に聞いてみろ!]
Dave=> At night that area is really dangerous. Why don’t you try asking another person?
Andy=> That area is really dangerous at night. Ask anybody else and see what they say!
確かに、[Why don’t you ~] も、ここでは有りですね。[Why don’t you ~] は、[どうして ~しないのか] という意味の他に、[~したらどう] でも利用できます。ここでは、特に質問はないですね。
私を含めた3人の大まかな日本語は、
私の: [あの地域は危険だよ夜は 他の人に聞いてみたらいいよ それについて]
Dave: [夜はあの地域は危険だよ 他の人に聞いてみなよ]
Andy: [あの地域は危険だよ夜は 他のヤツに聞いてみろ 彼等が何て言うか!]
3人の英文で基本文がどう使われているのかを見てみると、
私の: [基本文の核 + at night. 基本文の核 + about it]
Dave: [At night + 基本文の核. Why don't you 動詞 動詞に関連?]
Andy: [基本文の核 + at night. (You) 動詞 動詞に関連 and 動詞 動詞に関連(what以下全て)!]
どうすれば英会話能力が上達するのか?
英語を上達させるには、自分で勉強するということが必要不可欠です。
英語の本、英会話の本を読んだだけで、または私のブログを読んだだけで英語が話せるようにはなりません。(そんなことが可能なのは、言語の天才だけです)
自分で英語の勉強をしているからこそ、色々吸収していく過程で何かしらの気づきがあるのです。英語の勉強をしていなければ英語上達への気づきは訪れません。全く勉強せずに英語のプライベートレッスンを受けてほとんど何も吸収できなかった私の経験談はこちらに。
英語上達のために、プライベートレッスンを受ける場合の注意点。 - バックパッカーは無知でした。
一番最初に行うべきなのは、自分の中に英語の単語の蓄積量を増やすことです。
でも、ただ単純に暗記をするのではなく、覚えたものを引き出せるように覚える必要があります。そのためには英語の基本文を活用するべきです。基本文の中に英単語を当てはめて、英文の形で英語の単語を頭に入れていきましょう。最初の段階で重視すべきなのは、英語の基本文の活用、英単語のインプット、動詞を優先することだと思います。コツコツと動詞を中心に英単語を覚えていきましょう。それが英会話上達へつながっていくはずです。