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2017年04月19日 08時01分 UPDATE

座席が天井から下りてくる 「多扉電車」京阪5000系引退へ 50年の歴史に幕 (1/3)

ラッシュ時は5扉、閑散時には3扉――運行時間帯によってドア数を変更できる京阪電鉄5000系の引退の時が近づいている。

[産経新聞]
産経新聞

 ラッシュ時は5扉、閑散時には3扉−。運行時間帯によってドア数を変更できる京阪電鉄5000系の引退の時が近づいている。安全対策としてホームドアを導入するためには、扉の数が異なる車両を無くす必要があるからだ。「テレビカー」や特別料金のいらない「ダブルデッカー(2階建て車両)」とともに、鉄道ファン以外にも知られてきた名物車両の引退を惜しむ声も聞かれそうだ。(阿部佐知子)

混雑緩和の5扉車両

 高度経済成長期に沿線人口が急増した京阪本線では、通勤時間帯の混雑解消が課題となっていた。1編成の両数を増やす構想もあったが、ホームの長さなどの問題で難しかったため、列車の本数を増やして対応することにした。増発のためには駅での乗降時間短縮が不可欠。そこで誕生したのが、それまでの1車両3扉を5扉に増やして乗り降りをスムーズにし、限られた編成で定員を確保できる車両。それが全国初の「多扉車」となる5000系。昭和45年のことだった。

画像 使うドアの数に応じて座席が昇降する京阪の5000系
画像 京阪の5000系

 乗降時間は60秒から40秒に短縮され、混雑による列車の遅延も起こりにくくなった。7編成49両が製造され、現在も6編成が、主に平日朝の普通や準急として運行されている。

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