そのクライマックスとエンディングにいたく感動して、二次創作を見るのも好きな私は余韻冷めやらぬうちにPixivを検索。
終盤で正体が判明するキャラクターAと、終盤でのみ登場するキャラクターBの出てくる小説を、夢中になって浴びるように読んだ。
しかし気に入ったと思った話の作者達のTwitterを覗いていて、ある日愕然とした。
全員ではないが、そのうちの何人かの呟きがその理由だ。
「実はまだクリアしてないんです」
「○章終わらないよー!」
「もう少しでクライマックス…」
……………………この人達は、何を言ってるんだ?
AやBは、表立って活躍するのは終盤のみ。
もちろんその章ではAはプレイヤーに正体を明かしてないし、Bは出てきてさえいない。
それを、この人達は当たり前に書いている。
とても有名なゲームなので、確かに私も読みながら少しネタバレは踏んでいた。
でも、この人達が文章にしていたのは本当なら「クライマックスを知らなければ全然書けないはずの内容」だ。
つまりこの人達は自分達がまだ体験していないものを、さも体験したかのように書いていたのだと理解した。
ネットに流れるゲームのスクリーンショットか、wikiや攻略サイトか、他の人の二次創作を元にしていたのか、妄想が実際のゲームに沿っていただけなのか。
ただ、いずれにしても私が真っ先に感じたのは「気持ち悪さ」だった。
そして未プレイ・未クリアを見抜けずに、その小説に感動してしまった馬鹿な自分への悔しさだった。
こういうことを書くと、「未プレイや未クリアで小説書いちゃいけないんですか」と絶対に言われると思う。
だけど、私は逆に聞きたい。
貴方は、どこの何を見てクライマックスのAやBに惹かれたんですか?
外見ですか?
設定ですか?
悲しいけれど爽やかな結末のネタバレですか?
確かにクリア済の読み手として、そういった中身の無い羅列だけしか知らない未プレイ・未クリアの作者を見抜けなかったのは私が馬鹿だったからです。
けれど、恥ずかしくないんですか?
原作ゲームは終盤でやっと事情や心情が判明してようやくAやBを理解出来るような構成になっているのに、それを表面上の知識だけで誤魔化しながらそれらしく表現して、そんな小説をたくさん投稿して評価されて。
嬉しいんですか?
満足ですか?
最も疑問なのは、この人達がゲームのクリアよりもネットで見た知識だけで書いた二次創作小説に時間を割いている点だった。
もちろん、途中までゲームを進めて燃えたり萌えたりしてそこまでの情報で二次創作をしてしまうことはよくあることだろう。
それは否定しない。
でも、クライマックスにしか出てこないキャラクターを未プレイ・未クリアのまま幾つも幾つも書き続けるというのは矛盾していないのか?
「そうか、この人達は私のようにこのゲームが好きなんじゃない」
「このゲームを好きな人にまるで同志のように受け入れられて褒めて貰える、そういう存在になれた自分が好きなんだ」
そう感じた。
同じ視点でも、同じ立場でものを見ていない相手なのだから、急にそれを理解してむなしくなってしまった。
そこで、もう一度Pixivに戻って、この人達の小説とクリアしたことが(キャプションなどで)わかる作者達の小説とを幾つか比べてみた。
比較すれば、なるほど違う。
前者は、クライマックスの情報を含んではいるが台詞や動作などの描写が極端に無い。後者は、逆にそれらを拾った描写になっていることが多かった。
なお、(評価だけで小説の優劣をつけるつもりは無いが)どれも前者のほうが評価は高かった。
話が面白ければいいという人は、こういうことは気にしないのだろう。
私はこれからもこのゲームをプレイするし、ROMとして二次創作も読むだろう。
でも、今からこの人達がゲームをクリアしたとしても、二度とこの人達の小説を読みたいとは思わない。
「知りもしないクライマックスを知ったかぶりで書いて、自分達が評価されることにばかり喜んでいる作者」にしか見えなくなってしまったからだ。
知らなければ、今も私はこの人達の小説で感動していたのだろうか。
安い涙を流して、評価していたのだろうか。
そこまで執拗に裏取りしてるのに作者本人にはコンタクトとって真意を聞かないのか 閉じた世界でブツブツ言ってないで外でろ
お前は「幕末も体験してないのに書物で得た知識だけで新撰組や維新志士に萌えないで」とでも言うのか
http://anond.hatelabo.jp/20170419111942 はいはい、マーリンとソロモンね(この書き方、配慮はしたぞ