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(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています)『ねずさんと語る古事記 壱』は、古事記の序文からイザナキ、イザナミ神話における三貴神誕生までを扱っています。
この三貴神の中に、スサノオのミコトがおわします。
そのスサノオに関する神話の解説が、続く第二巻になります。
ご存知の方も多いかと思いますが、スサノオははじめ、父のイザナキ大神から「海原を知らせ」と事依(ことよ)されます。
ところが、与えられた役割をちゃんと果たさないために、父大神によって、海原から追放されてしまいます。
追放されたスサノオは、高天原におわす姉の天照大御神のもとに向かいます。
ところが天照大御神は、弟が高天原を奪いに来たとして、重武装して軍団を率いて雄叫びまであげてスサノオを待ち受けます。
その出で立ちに驚いたスサノオは、天照大御神にウケイという占いで、身の潔白を証明したいと申し出ます。
ウケイの結果、スサノオは、自分が勝った、自分の心の清明が証明されたといって高天原に居座り、大切な高天原の田の畦(あぜ)を壊したり、貴重な神殿に糞を撒いたりします。
天照大御神は、そんな弟のスサノオをかばいます。
ところがある日、スサノオが裸に剥いた馬を機織り所に投げ込んだことから、天の織女が亡くなるという事件が起きます。
そして天照大御神は、天の岩戸にお隠れになる・・・というのが古事記に書かれたあらすじです。
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もうすこし続きを読むと、天照大御神がお隠れになることで困った八百万の神々が、天の安河に集まって相談し、天照大御神に、天の岩戸から出てきていただけるように計らいます。
そして天照大御神が岩戸から出てこられると、スサノオに、
千両の車駕に乗るほどの罰金を科し、
両手両足の爪を剥ぎ、
神様としての霊力を削いで、
地上の中つ国にスサノオを追放します。
追放されたスサノオは、奥出雲に降り立ち、そこでヤマタノオロチを退治します。
するとオロチの尻尾から草那芸之大刀が出てきたので、これを高天原の天照大御神に献上した・・・・
というのが、古事記に描かれたスサノオに関する神話のあらましです。
日本神話と題したり、あるいは古事記と題された絵本や、神話の紹介の本などでも、そのように紹介されています。
古事記には、物語のストーリーとしてそのように書かれているのですから、そのとおりに読んで、何ら差し支えないものと思います。
ただ古事記は、その序文において、古事記の編纂は天武天皇の詔によって国家事業として編纂が開始されたものである、と書かれています。
そして元明天皇の命によって、元明天皇に提出したという経緯が書かれています。
ちなみに元明天皇は、天武天皇と、その妻である持統天皇との間に生まれた草壁皇子の妻であり、天智天皇の娘である阿閇皇女(あへのひめみこ)のことで、元明天皇という名は、漢風諡名です。
この元明天皇の時代に、都が奈良の平城京に遷都されたことは有名です。
年号語呂合わせで、「なんと(710年)見事な平城京」と覚えた記憶を持つ方も多いかと思います。
ちなみに、その元明天皇の長女が、天皇家始まって以来の美女とされる氷高皇女(ひたかのひめみこ)です。
氷高皇女が、第44代元正天皇です。
この元正天皇の時代に完成したのが日本書紀です。
話が脱線してしまいましたが、要するに古事記は、天武天皇の命令によって、まる31年という途方もなく長い歳月をかけて編纂が進められ、元明天皇に提出された史書です。
天皇の命令によって開始され、天皇の命令によって天皇に提出された史書です。
そしてこの時代は、我が国が豪族たちのゆるやかな連合体から、天皇を国家最高権威とする中央集権国家化が図られた時期でもあります。
書かれたものというのは、必ず目的を持ちます。
つまり古事記は、国家の中央集権化を図るという目的を持って書かれた書です。
そうであるならば、そこに書かれた神話は、日本統一のための知恵として書かれていることになります。
たんなる荒唐無稽な、子供向けの童話として書いたものではないのです。
そうであるならば、大人が古事記を読むのなら、子供向けの童話として読んだり、子供向けの勧善懲悪の書として読んだりするだけでは、古事記の本来目的とする読み方をしていないことになります。
古事記は、序文において、「我が国の存立の経緯であり、天皇を中心とした大きな事業の基礎(邦家之経緯、王化之鴻基焉)」と書いているのです。
そうであるならば、古事記に描かれた神話を読むに際して、子供が読むのと同じレベルの娯楽のための童話として読むのは間違いです。
大人には大人としての読み方があからです。
そもそも海原を追われたスサノオが高天原にやってきたときに、天照大御神が完全武装して弟のスサノオを出迎えたというところから、すぐに「これは何かある」とピンと来なければおかしいのです。
実の弟が久しぶりに姉を頼って尋ねてくるのに、完全武装をして、雄叫びまであげて弟を出迎えるというのは、明らかに異常な行動です。
しかもそのすぐ後に、弟のスサノオが、「ウケイをしましょう」と申し出ると、いとも簡単にあっさりと天照大御神は、その申し出を受けているのです。
これまた不思議な描写です。
そもそも天照大御神は、最高神です。
そして最高神ということは、時空を超越した存在であるということです。
つまり、未来まですべてお見通しの神様なのです。だから最高神です。
そうであるならば、そもそもウケイをして御神託を得ること自体、本来不要です。
なぜなら、未来をご承知であるからです。
逆にいえば、そこまでわかっていながら、弟を出迎えているわけですし、そこまでわかっていながら、ウケイによって御神託を得るという行動に出ているのです。
ということはつまり、天照大御神には、何が深いお考えがあっての行動であったということがわかります。
スサノオも、三貴神の一角です。
そうであるなら、そんな天照大御神の行動から、スサノオには、何かひらめくものがあったはずです。
また、そのことを古事記は、漢字を用いながら、実はしっかりと後世の人々に伝えようとしています。
そしてその中に、我が国の存立の経緯であり、また天皇を中心とした国家の基礎となる哲学が、実は明快に描かれています。
そうしたことを、ちゃんと読み取るのでなければ、実は、古事記を読んだことにはならない。
なぜなら、大人には大人の読み方があるからです。
実は古事記は、この天照大御神と須佐之男命の物語以降では、そうした日本という国家の基礎になる重大な事柄を、物語の中から自然に読み取ることができるように書かれた、まさに国家運営の大事を明かす物語が、続いています。
第二巻以降も、まさに、乞うご期待です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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「お詫びと訂正」
第一巻八十三ページに「これは千葉の常若神社の渡邊宮司から教えていただいた話なのですが、聖徳太子の十七条憲法の各条文は、それぞれ創成の神々の神名と関連付けて書かれているからこそ、十七条なのです」とありますが、私が教わったことは古事記と聖徳太子に関するお話であり、聖徳太子の十七条憲法と神々の神名との関連付けは教えていただいたことではなく、私の考えであると、渡邊宮司をはじめ、関係各位に深くお詫びして訂正いたします。
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