初めてでも安心!起業時に必要な経理テンプレート6選!

    
2017/04/19
    


起業して初めて経理業務を担当することになり、何から手をつけていいかわからない、という方も多いと思います。
そこで今回は、面倒くさくて難しい印象のある経理作業を、簡単かつ効率よくできるテンプレートをご用意しました。

経理作業を効率化し、自社の経営に役立てていただければ幸いです。

インデックス

1.面倒な現金管理をなくせる「立替経費精算書」テンプレート

毎日動くものといえば現金です。現金管理の基本的な方法は、「現金で仕入等の支払いをしたら、残高を確認して、現金出納帳などの帳簿に記載する」というものです。

しかしながら、毎日、現金を使うたびに現金残高を確認して、帳簿に記載する、となると、大変手間がかかり、現実的ではありません。

そこで、そんな手間を減らすためにお勧めしたいのが「立替経費精算書」を使った運用です。
「立替経費精算」とは、会社の現金を使わず、備品の購入などをした際に、一旦、購入者が自分のお金で立替えて支払い、後から書類を提出して、精算する方法です。

その際に使用するのが「立替経費精算書」で、支払った金額や購入したものの内容を、月に一度(頻度は企業によります)、立替経費精算書に記載して会社に提出します。

こうすることで、会社の現金を使用しなくなるため、逐一現金残高を確認する手間がなくなります。立て替えた分の経費精算についても、「精算は月に一度」と決めて、給与と一緒に振込むようにすると、更に手間が省けます

また、立替経費精算書を会計ソフトで読み込むことが出来れば、会計ソフトへの記帳も簡単に行うことができます。

ここでは、会計ソフトで簡単に読み込むことができる立替経費精算書のテンプレートをご紹介します。


テンプレートはG Suite™を利用しています。
G Suite™のドライブでは、ファイルを簡単かつ安全に保存、同期、共有ができます。
仕事で使うドキュメント(Word)や、スプレッドシート(Excel)、スライド(PowerPoint)などのファイルをオンラインストレージによって1か所に保管できるため、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンから、必要に応じていつでもアクセスできます。

■立替経費精算書のテンプレート(※「発展会計」ご利用の方向け)

立替経費精算書スプレッドシート

発展会計2とは、日本ビズアップ㈱が開発した、プロ仕様のクラウド型会計ソフトです。

■テンプレートのご利用方法

1.GoogleChromeでログインする。

2.ファイルからコピーを作成する。

3.その後の使い方は、本テンプレートの「設定」シートに記載していますので、ご覧ください。

4.領収書は会社で保管します。

※今回の会計ソフトに簡単に読込ができる立替経費精算書のテンプレートは、発展会計2」をご利用の方にのみ使えるものとなっております。ご了承ください。
最近の会計ソフトはCSV形式などで読込ができるソフトが多数ですので、ご使用になられている会計ソフトの読込配置に準じた並びに変えることにより、他の会計ソフトでも読込に使えるようになります。

 

2.出張時の精算に活躍する「旅費精算」テンプレート


出張に行った際、会社によっては、交通費やホテル代の他に、職階により、1日あたり決まった額の手当て(日当)が支払われます。

これは会社の「旅費規程」に定められている必要があるので、「旅費規程」を定めていない場合は、まずそちらを定める必要があります

旅費規程に定められた通りに日当を支給するためには、出張に行った後に「旅費精算書」を作成して、提出してもらう必要があります

ここでは、出張帰りの電車の中でも、スマートフォンで簡単に作成できる「旅費精算書フォーム」と、「旅費精算スプレッドシート(旅費規程付)」をご紹介します。

■旅費精算書およびの旅費精算スプレッドシート(旅費規程付)のテンプレート
旅費精算フォーム
旅費精算スプレッドシート(旅費規程付)

■テンプレートのご利用方法

1.「立替経費精算書」と同様に、GoogleChromeでログインし、コピーしてご利用ください。

2.まず、「旅費精算スプレッドシート(旅費規程付)」を用いて、旅費規程を決定します。ここでは、職階による日当単価などを決める必要があります。

3.旅費規程を作成したら、フォームを修正します。フォームをクリックし、フォームを編集より、日当単価を旅費規定通りに修正します。

4.フォームを送る。
旅費精算スプレットシートのフォームをクリックし、実際の「フォームを開く」から送れます。このリンクをどこでも開けるように保存しておくと、どこからでも旅費精算書フォームを送ることができます。
フォームを送ると、旅費精算スプレッドシートに自動で飛びます。

5.決裁者は、飛んできたフォームを確認し、問題なければ、承認、精算します。精算のタイミングは「月に1度、翌月末支払い」など、会社で自由に定めることができます。

 

3. 雇用時に必要な「賃金台帳」「給与明細」テンプレート


従業員を雇用したら、毎月必ず必要になってくるのが給与明細です。紙ベースのものがありますが、1枚1枚手書きで作成するのは、大変手間がかかり現実的ではありません。

給与ソフトも様々なものがありますが、「従業員数が10名未満で、給与ソフトを使うほどでもない」という方向けに、賃金台帳とセットになった給与明細テンプレートをご紹介します。

賃金台帳とは、社員等の給与計算の際、基になる事項や金額を記載する帳簿です。
給与を支給する際には、必ず賃金台帳を作成し、3年間保管しなければいけません

■月別賃金台帳(給与明細機能付き)のテンプレート

月別賃金台帳(給与明細機能付き)スプレッドシート
※対応している人数は9名までです。

■ご利用方法
1.立替経費精算書と同様GoogleChromeでログインし、コピーしてご利用ください。

2.基本的な使い方は、テンプレートの「設定」シートに記載しております。

3.まずは、設定シートで社員情報を入力します。

4.その後、各月のシートで社員基本情報の入力と賃金等の入力(給与計算)を行います。

 

なお、給与計算の主な流れは、次の通りです。

■給与計算の流れ

1.支給額の計算
基本給などの課税支給額と通勤手当などの非課税支給額を入力します。

2.社会保険等控除の計算
健康保険料及び厚生年金保険料は、年金事務所に届け出ている「標準報酬月額」を「保険料額表(適用年度:平成29年度)」と照らし合わせることで金額が判明します。実際に記入する金額は、「全額」欄の数字ではなく「折半額」欄の数字になります。

雇用保険料は、業種によって保険料率が定まっており、「支給額合計×保険料率(適用年度:平成29年4月1日~平成30年3月31日)」で算出された金額を入力します。

3.源泉所得税の計算
上記、1の課税支給額合計から2の健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料を控除した金額を「源泉徴収税額表(適用年度平成29年)」と照らし合わせることで判明します。実際に記入する数字は、「税額」欄のものになります。
扶養親族等の人数によって源泉所得税の金額が異なりますので、注意が必要です。

 

4.「領収書」テンプレート


サービスを提供したり、商品を納品した報酬を、現金で受け取った際に、顧客から領収書の発行を求められることがあります。
領収書への記載事項は法律上決められているわけではありませんが、消費税の課税事業者で簡易課税制度を適用しない事業者が、5万円以上の支払いをして仕入税額控除を受ける場合には、下記のものが記載されている必要があります

1.領収書を発行する側(サービスや商品などを提供した側)の名前

2.領収書を発行する日(サービスや商品などを顧客に提供した日付)

3.サービスや商品などの内容

4.受け取った金額

5.領収書を受け取る側(サービスや商品を受領した側)の名前

記載金額によっては、印紙の貼付が必要になりますのでご確認ください。
※平成29年4月現在

売上代金の場合
記載金額税額 税額
5万円未満のもの 非課税
5万円以上 ~  100万円以下のもの 200円
100万円を超え~ 200万円以下のもの 400円
200万円を超え~ 300万円以下のもの 600円
300万円を超え~ 500万円以下のもの 1,000円
500万円を超え~1000万円以下のもの 2,000円
貸したお金の返金を受ける場合や保証金など売上代金ではないものの場合
記載金額税額 税額
5万円未満のもの 非課税
5万円以上のもの 200円
領収書をよく使う方は、事業所名や住所、角印までが印刷された複写式のものをネットで購入できますので、そちらを利用すると手間を省くことができます。

たまにしか使わないという方は、こちらのテンプレートをご利用ください。

■領収書のテンプレート

領収証のテンプレート

■ご利用方法
1.立替経費精算書と同様GoogleChromeでログインし、コピーしてご利用ください。

2.名前や住所など記載して、印刷します。
印刷するときは印刷設定で「グリッド線なし」を選択します。

3.角印があれば、会社名のところに角印を押印し、扱者印のところに、領収書を発行した人の印鑑を押印します。

4.印紙が必要な金額の場合は、印紙を貼付し、消印する必要があります。

 

5.一目でわかる「売上・粗利益管理表」テンプレート

起業してから最も気にかかるのは、月々の売上と粗利益です。毎月の売上と粗利益を把握することで、およその利益を把握したり、経費の上限額を算出することができます。

ここでは、売上明細を入力するだけで簡単に部門ごとに集計できるテンプレートをご紹介します。

■売上・粗利益管理表のテンプレート

売上・粗利益管理表

■ご利用方法
1.立替経費精算書と同様GoogleChromeでログインし、コピーしてご利用ください。

2.条件シートに、決算月と部門(事業部・売上の種類別でもOKです)がある場合は、部門を入力します。

3.条件シートに入力した部門数以外の分析シートを削除します。
また部門をまったく使わない場合は分析2部門から分析5部門までを削除して下さい。

4.売上明細シートに、月々の必要事項(数字は半角)を入力して行くと、分析表に月々の売上と粗利益が表示されます。

 

6. 経営判断に必須の「資金計画表」テンプレート

起業時に不安なことはたくさんありますが、その中でも、「資金繰りが1番不安」という方が多いのではないでしょうか。

資金をショートせずに会社を成長させるためには、これから先どのようなお金の流れで取引をしていくのか計画する必要があります。そこで登場するのが「資金計画書」です。

資金計画書を作成することで、将来、どのフェーズでお金が足りなくなる可能性があるのか、経費はいくらまでなら使っても大丈夫なのか等、様々な予測が立てられます。
また、仮に利益は出ていても、売上や仕入サイトによっては、資金がショートしてしまう可能性もあります。

その他にも、融資を受ける際は、資金がいくら必要で、その資金を何に使用するのか等、詳細な計画を提示する必要があります

「売上と利益はあがっているので安心していたが、気が付いたときには資金がショート寸前になっていた」、ということにならないように、資金計画については起業前から作成しておきましょう。
事前にお金の流れを把握して対策を打っておくことが会社を存続させるために重要です。
今回ご紹介する「資金計画書」は、売上・仕入及び固定費の情報を項目別に入力すれば資金が自動で計算され、どのようにお金が動くのかがわかります。

■資金計画書のテンプレート

資金計画書

■ご利用方法
1.立替経費精算書同様GoogleChromeでログインし、コピーしてご利用ください。

2.予定原価率を入力します。数字は全て半角です。

3.月々の売上予測を入力します。予定原価率に応じて売上原価と売上総利益が算出されます。

4.経費項目を入力します。

5.初期投資があれば、初期投資の内容と償却期間を入力すると、償却費が按分して計上されます。

 

7.まとめ

起業時には、経理面の知識やノウハウがほとんどない、という方も多いかと思います。今回は、そんな方でも、効率よく、簡単に経理作業ができるテンプレートをご紹介しました。

経理面の作業効率化が図られることで、そこにかかるはずの時間を、売上やサービスの向上につながる企画面に費やすことができますので、ぜひご活用いただけましたら幸いです。

(執筆:吉野、編集:マツイ)

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■著者紹介
執筆:株式会社FirstStep
税理士法人 中央会計 教育責任者
吉野 美咲

■メディア紹介
会社設立FirstStepは会社設立(起業・創業)&経営管理を税理士や司法書士等、経験豊富な専門家が起業家・ベンチャーの皆様をワンストップで、完全サポートしています。

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