こんにちは、ピコシムです。
三ツ矢サイダーのCMの演出が危険という理由で中止になりました。
この度、三ツ矢サイダーの新CM「僕らの爽快編」につきまして、お客様からたくさんのご意見を頂きました。
配慮に欠ける表現がありましたことを、ここに深くお詫び申し上げます。
皆様のご意見を真摯に受け止め、当CMの掲出を取りやめることと致しました。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
理由が書かれていないので、詳細不明ですがネット上では情報が錯綜しています。
問題の動画を見ただけでは意味不明です。
ザックリ説明すると、あるトランペット奏者から
僕はトランペット奏者としてこのCMに問題を感じております。とツイートがあったことが発端で、危険な事故の事例が拡散してCMが中止になった
そもそも、奏者に触れるとなぜいけないか、
- 奏者が楽器の金属部分で口を怪我することがある
- 吹奏楽で奏者の唇が切れたり腫れると、最悪演奏不能になる
人の口はデリケートなので、奏者にぶつかる表現は問題、これが発端でした。
何が問題か吹奏楽未経験者にはパッと見て理解できない内容
Twitterでタイムラインに流れた動画を見ましたが、1度目見たときは、まったく何が問題か理解できませんでした。
えっ、これの何が問題なの???どこが危険なの???
CMみたけど、何が悪いのかさっぱりわからない。クレーム厨は、社会に不満を持っている暇な人達なんだろう
— ピコシムのブログ (@picsim123) 2017年4月18日
アサヒ飲料、三ツ矢サイダーの新CM取りやめ…SNS上で「危険」の声(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース https://t.co/b6xJcRm4ZN #Yahooニュース
この時点では、何が問題か把握していませんでした。
@picsim123 あー、昔、吹奏楽部でトランペット吹いてました身としては「耳かきで耳掃除してる人のそばに近寄る」ぐらいの危なさはあるんですが、それでもわざわざヒステリックに「炎上」するほどの話ではないですね。「これこれ。その近寄り方は危ないですぜ」と。ギスギスしすぎてるなあ感はありますね。
— むろかつ@岩Q槻6/4 (@muroktu) 2017年4月18日
世の中って本当にギスギスしすぎと思っていました。危険の程度の問題でしょと私も思います。
同じ頃、宇佐美さんという方から意見を求められました。
@picsim123 トランペット奏者から重大な怪我につながる可能性があると指摘されていますが、この点についてはどう思われますか?https://t.co/ntsOCMSpYk
— 宇佐美 姫呂 (@uhiroid) 2017年4月18日
これがきっかけで、Yahooトレンドや、他の情報源をあたって、ツイートの原典を探してた後、
@uhiroid これをみて、やっと理解できました。吹奏楽を経験している人なら危険を理解できる話なんですね、ツイートが拡散していくなかで、危険の表現がオーバーになって炎上したんですね、CMは後半部分を撮り直しかなhttps://t.co/mlOEijltwa
— ピコシムのブログ (@picsim123) 2017年4月18日
その、一次情報源が気になったので、調べた結果
どうやら、徳田さんという方がスタートのようだと分かりました。
僕はトランペット奏者としてこのCMに問題を感じております。
— 徳田知希 (@tokuchin12) 2017年4月17日
「僕らの爽快」編 15秒 | ASAHI MOVIE CHANNEL | 三ツ矢サイダー | アサヒ飲料
https://t.co/KHn5TrQZuG
なぜ問題を感じてるのか、
ありがとうございます。
— 徳田知希 (@tokuchin12) 2017年4月17日
唇が切れたり、腫れたり、下手をすると演奏不能に陥る危険性があります。
なんで、唇が重要なの?
説明不足だったかもしれません。
— 徳田知希 (@tokuchin12) 2017年4月17日
僕たちトランペット奏者は唇が振動体なんです、つまりは生命線なんです。
おわかりいただけましたら嬉しいです。
情報が拡散されていく中で、内容が誇張されていく
ツイートが荒れてるのを見て、過剰反応のクレーマーの仕業?と思いましたが、一次情報のツイートを順番に見ていくと、なるほど、他の人の危険情報が追加されて、ケガの頻出度を無視して同列で扱われています。
唇を切ったり腫れる→唇を縫うケガ→歯が折れる→楽器を落として壊す
吹奏楽部経験者の中には、唇を切って縫った人や、歯が折れるような事故も報告されていますが、全体的にはごく少数だと類推されます。
記事タイトルを見ると、徐々にセンセーショナルな内容になっています。
アサヒ飲料、三ツ矢サイダーの新CM取りやめ…SNS上で「危険」の声 (スポーツ報知)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース
「三ツ矢サイダー」CM、アサヒ飲料が謝罪 トランペット演奏シーンに“危険”と指摘 | ORICON NEWS
三ツ矢サイダーのCMが炎上 トランペット演奏中の人へ背後からぶつかるシーンに楽器経験者から批判続出 - ねとらぼ
認知バイアス
私たちは、大量の情報に目を通す一方で、過去の経験に基づいて判断します。おおげさな内容は、あらかじめ疑って情報の価値を割り引いて考えます。
私もそうですが、つい、人は自分のフィルターを通してみます。フィルターは何種類もあるのですが、今回はアンカリングというバイアスがかかっていました。
アンカリング
アンカリング(英: anchoring and adjustment)
ある事象の評価が、ヒントとして与えられた情報に引きずられてしまうこと。
何の情報に引きずられたか
楽器経験者らから「危険な行為」「一歩間違えたら歯が折れる」「楽器を落としたらどうする」など問題視する声がSNS上で上がっていた。
歯が折れる、楽器を落としたらどうする?
この情報だけだと、単なる過剰反応でしょと経験則から感じてしまいます。
1次情報源の人は、
トランペットは唇の震えによって音を出すので、唇を怪我すると演奏できなくなる、だから、演奏中の奏者にドンとぶつかるのは「危険な行為」
ということを伝えたかった。
歯が折れる、楽器を落としたらどうするは、拡散していく中で他の人によって後付された内容です。もちろん事実かもしれませんが、個々の事例をたしていくと、本来の文脈から離れていきます。
確かに、楽器を落として壊したら、amazonで5万円ぐらいしますし、歯を折れる危険性はあるかもしれませんが、統計的に少ないと類推できます。
他の記者によって、タイトルや内容も情報源が一緒くたになってしまっているので、読者に正しく伝わりません。
記者がに1次情報源にあたらず、センセーショナルな内容になって拡散した結果、Yahooニュースのコメント欄は、大荒れになっています。
今回得られた知見
- 1次情報源にあたって、文脈からどう感じるかで判断する
-
背景知識つけて、何が問題か論点を把握して理解する
-
拡散された情報は常に他者のバイアスがかかっていると留意する
CMの危険の度合いは、主観的ですが多くの吹奏楽経験者は、危ないことだと知っている一方で、未経験者は知りません。だから、三ツ矢サイダーCM中止は企業がクレームで過剰反応したと解釈されているのでは?
個人的には、中止になったCMは、問題の部分の消したり差し替えれば、爽やかな雰囲気をそのまま使えそうに思えます。
そもそも、ねとらぼが取り上げなければ、ここまで騒ぎにならなそうな事例のような気がします。
三ツ矢サイダーのCMが炎上 トランペット演奏中の人へ背後からぶつかるシーンに楽器経験者から批判続出 - ねとらぼ
まさに、これ↓
あと一度焦げ臭い空気が漂ったら「◯◯で炎上した!」と大々的に宣言することで注目度を上げて雪だるま方式に炎を燃え上がらせる事も出来る #というかネットの炎上の仕組みは大体これ
— クロダオサフネ@療養中 (@kuroda_osafune) 2015年2月20日
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!