◆宇宙での太陽光発電レーザーで地球へ伝送!

先日、宇宙太陽光発電 上下方向レーザー伝送実験、との記事が出てました。あと何年後に実現できるのか、楽しみですね。


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宇宙太陽光発電 上下方向レーザー伝送実験
ファン!ファン!JAXA
http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/9909.html


JAXAが進める宇宙太陽光発電システム (以下、SSPS: Space Solar Power Systems)の研究開発では、宇宙~地上へのエネルギー伝送(送電)の手段としてマイクロ波とレーザーの2種類の方法を検討しています。レーザー方式はマイクロ波方式に比べ、機器を小型にできるというメリットがあるいっぽう、エネルギー伝送が天候条件に左右されやすいというデメリットもあります。今回はレーザー方式のSSPS(L-SSPS)についてご紹介します。

講演やプレゼンテーションで「レーザーポインター」は欠かせない道具となっています。波長と位相の揃った光であるレーザーには、広がらずに遠くまで到達するという性質があります。演者の手元からスクリーンまで、レーザーポインターの光はほとんど拡散せず直進してくれるため、輝点が指し示す場所に聴衆の注意を集めることができるわけです。この性質をエネルギー伝送でも利用しようというのがL-SSPSです。

産業の現場では、レーザーを集中させることで得られる高熱で模様を描くレーザーマーキングや、レーザー切断装置などが活躍しています。受光したレーザーのエネルギーを電力に変える素子(太陽電池と同等のもの)も存在しますので、これらを組み合わせれば、L-SSPSが現実味を帯びてきます。そこにどうしても必要な技術がレーザービームの「高精度の指向制御技術」です。

そもそも宇宙から地上の一点をレーザー光で狙う場合、真空の宇宙空間ではまっすぐに進みますが、大気のある場所に入った途端、大気のゆらぎで光の進路が曲がってしまいます。プールの底を見るときに像がゆがむのと同じような現象です。また大気のゆらぎは、気温などが大きく変化する地面に近いところほど大きくなります。こうしたゆらぎをキャンセルしながら、目標とする場所にレーザー光を当て続ける技術を確立するため、JAXAは2016年5月から6月にかけ、茨城県の日立製作所水戸事業所で「上下方向レーザー伝送実験」を実施しました。実験の結果、高精度のビーム方向制御技術を実証し、レーザー光によるエネルギー(電力)伝送にも成功しています。


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