【サンパウロ=外山尚之】ブラジルの建設大手オデブレヒトを巡る汚職事件を巡り、ブラジル連邦最高裁が現役閣僚級8人や上院議員24人を含む総勢98人の捜査を命じたことが分かった。11日に有力紙エスタド・ジ・サンパウロが報じ、当局が認めた。事件への関与は明らかになっていないが、官房長官や外相も捜査対象で、不人気にあえぐテメル大統領に打撃を与えそうだ。
同紙によると、捜査対象者のリストには閣僚級8人、地方知事3人、上院議員24人、下院議員40人が掲載されているという。テメル大統領の側近のパディリャ官房長官やヌネス外相のほか、2014年の大統領選に出馬したネベス上院議員ら有力議員も与野党問わず名前が挙がっている。
地元メディアは、オデブレヒトが国営石油会社ペトロブラスからの仕事を受注するために政界に配った賄賂を議員らが受け取ったとの疑惑を報じている。ネベス氏は自らのフェイスブックで「嘘の正体を暴けると信じている」と自身の疑惑を否定している。
ブラジル検察当局は3月、政治家らを捜査する許可を最高裁に請求していた。