最近読んで面白かったのは、
かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。
より良き道を選べなかったのはなぜか。
日本近現代史の最前線。
本の表紙に問題提起がなされています。
取り上げた事例は以下のとおり・・・・・
★リットン調査団の報告書とそこに込められたメッセージ。
★ドイツを牽制するための日独伊三国同盟への参加。
★太平洋戦争直前の日米交渉過程とその舞台裏そしてその判断の誤り。
加藤陽子は歴史の転換点において、権力を掌握していた人々の判断とその
適否を、資料を丹念に検証しながら明らかにしてゆきます。
今の為政者たちの言動を見ていると、
加藤陽子の指摘がオーバーラップしてしまいます。
★政治家や官僚たちの判断って正しいの?
池澤夏樹が核心をついた書評(毎日新聞2016年9月4日)を書いています。
いくつもの力の交錯がことを決める
「読んでいて、一段階ずつがスリリングで、ダイナミックで、おもしろい。
この書評を書きながら反省したのだが、結論に走ってはいけない。自分の意見に合うところだけつまみ食いしてはいけない。史料を読んで、過程を辿って、その中から今後に役立つものを誠実に抽出する。これはそのよい練習になる本である」
政治を語ることは好きではありません。
しかし、為政者たちの心無い言葉を耳にするが多すぎます。
これからのこの国を担う人々が、
為政者達の薄っぺらな言葉に惑わされず
自分たちの考えを作り上げながら、社会に働きかけてゆく。
そのための手引きとしてぴったりの本だと思います。
加藤陽子のような視点をもつ人々が増えてほしいですね。
では、楽しい夜をお過ごしください!