【シリコンバレー=小川義也】米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は18日、同社のサイトに投稿されるコンテンツのチェック体制を強化する方針を示した。16日に米中西部オハイオ州でおきた殺人事件の動画が投稿された問題を受けた。フェイスブック上では自殺や暴行の動画が投稿されたり、生中継されたりする例がこれまでも報告されており、チェック体制を疑問視する声が出ていた。
18日にシリコンバレー南部サンノゼで開かれた年次開発者会議「F8」に登壇したザッカーバーグ氏は被害者の遺族に哀悼の意を表した上で、「このような悲劇が起きないようにあらゆる措置を講じる」と約束した。
この事件では、男が通りがかりの男性を射殺。予告ビデオと射殺する瞬間のビデオが投稿されたほか、殺人を告白する様子がフェイスブックで生中継された。2人に面識はなかったとみられ、動機は明らかになっていない。米メディアによると、指名手配されていた容疑者の男は18日朝、逃走中に自殺した。
フェイスブックによると、射殺の瞬間をとらえた動画は投稿されてから23分後に利用者からの通報を受けて削除したが、すでにかなりの利用者が動画を視聴していた。
同社によると、投稿内容に関する通報は毎週数百万件にのぼる。数千人規模の体制でチェックしているものの、追いついていないのが実情のようだ。ザッカーバーグ氏は通報の仕組みを見直すとともに、問題のある動画をいち早く発見するための人工知能(AI)を開発中であることを明らかにした。