葬儀で使われる祭壇には長い歴史があり、『白木祭壇』が代表的な祭壇として選ばれていました。

ですが、最近では「故人が好きだった花で送ってあげたい」「綺麗な花を沢山使って華やかにしたい」など、本人らしさやオリジナリティを求めて、『花祭壇』を選ばれる方も増えているといいます。


そこで今回は、人気のある『花祭壇』にスポットを当て、人気の理由から価格やデザインなど『花祭壇』がわかる内容と、また、祭壇に飾る花だけでなく、お供えやお悔やみの花など葬儀に関わる『花』についても調べてみました。


『花祭壇』を知りたいだけでなく、「こんな葬儀をしてみたい」「弔事の花贈りのマナーを知りたい」そんな方も必見です!

ぜひ、これからの参考になさってください。


-- この記事の目次 --

1.葬儀で用いられる祭壇について知ろう

2.宗教別で見る祭壇の種類

3.花祭壇についてもっと詳しく知りたい!

4.花祭壇についての疑問に答えます

5.自宅葬で花祭壇を作るとき

6.祭壇に飾られた花たちは・・・葬儀の後はどうなるの?

7.お供えやお悔やみの花について知っておこう

8.この記事に関するまとめ

1.葬儀で用いられる祭壇について知ろう


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葬儀で用いられる祭壇にはどのような意味があるか、ご存知でしょうか?


また、祭壇にはいくつかの種類があり、時代の流れとともに人気の祭壇にも変化が表れているのもご存知でしょうか?

ここでは、葬儀で用いられる祭壇とはなにか、そして、祭壇の種類についてお話しようと思います。

 

1-1.祭壇とはなにか、また祭壇の意味とは

祭壇とは、『葬儀壇(葬儀壇)』とも呼ばれ、故人の供養のために遺影や供物などを飾る壇のことです。

昔のお葬式に使われていた飾りが、その原型だと言われています。

元々は、小机に仏具や供物などを置いた簡素なものでした。

そして、徐々に2段3段と高さが増していき、戦後になると次第に大きくなり、現在のような立派な祭壇が葬儀に用いられるようになりました。

 

1-2.祭壇の種類とは

昔は、葬儀の際の祭壇の形はだいたい決まっていました。

ですが現在では、宗派にとらわれない葬儀を求める人や自分らしい葬儀がしたいという人が増えてきたために、さまざまな形の祭壇が増えています。

では、一体どのような祭壇があるのでしょうか?  


①白木祭壇

昔から伝統的に使われている白木でできた祭壇で、代表的な祭壇といわれていました。

ひな壇のように段を組み、その上に写真台や位牌台などを配置します。

日本では元々、白木で作った輿(こし)に棺を入れて火葬場や埋葬地まで葬列を組み故人を見送る野辺送りという習慣がありました。

この野辺送りが原型になって生み出されたものだといわれており、野辺送りで使われていた輿が形を変えて白木祭壇になったといわれています。

白木祭壇は、天然木材の白木で組み立てられており、その風格から仏教式の葬儀を代表する祭壇としてよく使われていました。

仏教の要素を入れたものなので、宗教色が強いものになってしまう傾向があるようです。

きちんとした葬儀を行いたい人には人気ですが、オリジナリティを求める人は別の形を求めることも多いようです。

宗教や宗派によって、祭壇や供物、飾る花の種類まで違ってくるようです。

白木祭壇の費用は20~100万円程度といわれており、壇の大きさや材質デザインによっても変わってきます。

 

②花祭壇

花祭壇は、壇を花で飾る、花に囲まれた祭壇になります。

生花だけで祭壇を作り、その中に遺影や位牌を配置します。

四季折々の花を使って華やかにしたり、故人の好きだった花や思い出の花を使ったり、オリジナリティ豊かな祭壇を作ることができるので、今人気が高まっている祭壇です。

また、宗教色を感じさせないアレンジをすることができるので、宗教にこだわらない人に多く受け入れられています。

そして、家族葬など小規模な葬儀にも花祭壇を用いるケースが増えています。

以前は、花で祭壇を作ることはとても費用がかかりましたが、葬儀社や生花店の企業努力などで抑えた費用で花祭壇が作れるようになったことも、人気の一つになっているようです。

 

1-3.新しい種類の祭壇

葬儀で用いられる祭壇は白木祭壇と花祭壇以外だけでなく、最近ではオリジナルの祭壇など新しい種類の祭壇も出てきています。

宗教色を感じさせない祭壇や故人の好きだったものや仕事にちなんだものをイメージした祭壇など、形式にこだわらないオリジナルの祭壇の人気も出ているようです。

実際どのような祭壇があるのか、いくつかあげてみます。

• 折衷祭壇

白木と生花のどちらも取り入れる祭壇のこと。

白木祭壇に生花を足すことで、より華やかな印象の祭壇にすることができる。

• 遺影写真や棺を囲む祭壇

遺影写真や棺を囲うように生花を飾る祭壇。

自宅や少人数での葬儀をする方が選ばれることが多い。

立派な祭壇より、花をいっぱい飾ってあげたいという方や亡くなった方を近くに感じてお別れをしたいといった場合にオススメとされている。

• キャンドル祭壇

無宗教葬でよく見かける祭壇であるが、祭壇にキャンドルを添えることで幻想的な印象になる。

祭壇に組み込まれたキャンドルに献灯したり、献灯したキャンドルを水に浮かべるなど、キャンドルを活用した式にすることもできる。

2.宗教別で見る祭壇の種類


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日本の葬儀の9割ほどは、仏教式の葬儀だと言われていますが、宗教別による祭壇の違いはあるのでしょうか?

ここでは、神式とキリスト教式の祭壇についてお話しようと思います。

 

2-1.神道の祭壇

神道での形式で行われる葬儀のことを神葬祭といいます。

中央部分が祭壇になり、三種の神器や五色旗、神饌物(神に捧げる食べ物)として、神酒・米・塩・菓子・乾物・果物・鯛の御かしら・たまご・鏡餅・野菜などが供えられます。

これらの神饌は、案という台に乗せられます。

神道での葬儀でも、最近では花祭壇を行う場合も増えているようです。

 

2-2.キリスト教式の祭壇

キリスト教式での葬儀は、ほとんどの場合教会で行われます。

十字架が掲げられる壁の前面と十字架の祭壇の前に棺が置かれ、故人の眠る棺のまわりは白い花々で飾られます。

 

2-3.キリスト教式で花祭壇を作るときの注意点

キリスト教式での葬儀は教会で行われるのがほとんどですので、教会のルールにのっとって祭壇の飾りつけを行うのが鉄則になります。

棺を置く位置や献花をする位置、遺影を置く位置に、使用するキャンドルを設置する位置など、ほとんどの教会ではとても厳密にしきたりがあります。

そのしきたりには、きちんとした意味や理由が込められていますので、教会で花祭壇を作る際には、きちんと打ち合わせをして、しきたりなどのルールを守って作るようにしましょう!  

ルールを守ることを第一に、それからご遺族の意向や故人のイメージにあったお花を用意したり、飾りつけをするなどしていきましょう。

キリスト教の代表的な花といえば白ユリになりますが、バラや季節の花々もよく使われています。

葬儀で使用される花々は、あまり華やかすぎないようにすることを気をつければ、花の種類や色には特に制約はないようです。

故人の好きだった花や明るい花を選ぶのもよいでしょう。

葬儀会社によっては、キリスト教式向けにデザインした花祭壇もあるようですので、そういったものを利用するのも良いかもしれませんね。

3.花祭壇についてもっと詳しく知りたい!


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ここでは、花祭壇を利用してみたい、という方に絶対に見てもらいたい内容になります。

花祭壇のメリット・デメリットから、価格や花祭壇をお願いするときの注意点など、花祭壇についてより詳しくお話していこうと思います。

 

3-1.花祭壇のメリット・デメリットとは

花祭壇を利用したいと思ったときや迷ったときの参考に、花祭壇のメリットとデメリットについてお話しようと思います。

【メリット】

①宗派関係なく、無宗教の方でも利用できる

白木祭壇で葬儀を行う場合、宗派によって祭壇が異なりますが、花祭壇は宗派を問わずにできるので無宗教の方でも利用できる。

②オリジナリティが出せる

白木祭壇の場合は、葬儀社からレンタルのため、デザインの要望を出すことは難しくなってしまうが、花祭壇の場合、故人に合わせたオリジナルのデザインで作ることができるし、さまざまな花の種類を使うことができる。

また、生花を使うので、白木祭壇のように他の方が使ったものを使う、ということがない。

③棺を花いっぱいにして見送ることができる

花祭壇では、祭壇で使った花を棺の中に入れることができるので、棺の中を花いっぱいにして見送ることができる。

【デメリット】

大量の花を仕入れて故人ひとりひとりに合わせて作る祭壇になるため、同じくらいの大きさの白木祭壇に比べて価格が割高になる傾向にある。

また、こだわったデザインをお願いした場合や花の種類や量などによっては、セット販売されている葬儀のプランより高くなる場合もある。

 

3-2.花祭壇の価格相場を知ろう

まず、花祭壇の価格は、花の種類や祭壇の大きさやデザイン性の高さで決まります。

祭壇の大きさは、段数横幅の長さで表されることが多くなります。

(一般的な葬儀の規模の場合、段数は1~2段、横幅は1.5m~3.5m程度のサイズ)  

価格相場は、上記のサイズにあてはまる祭壇になると、安いもので20万程度から、花をふんだんに使用したものであれば80万程度を見ておきましょう。

また、生花は季節や状況によって流通量が異なりますので、相場が変わる可能性があることも頭に入れておくとよいでしょう。

そういったことから、カタログ通りの内容や値段にならないこともありますので、事前によく確認しておくことも忘れないようにしておきましょう。

 

3-3.花祭壇をお願いするときに注意する点とは

花祭壇を葬儀でお願いする際、気をつけておきたい点とはいったいどんなことなのでしょう?  

①デザインを事前に確認すること

花祭壇は、葬儀会社によってデザインが全く異なるので、事前によく確認しておくことが大切。

どのようなデザインがよいのか要望を伝えるときには、過去に作った花祭壇を写真で確認するなど、具体的なイメージを伝えるようにするとよい。

②祭壇のサイズはどれくらいになるのか確認すること

値段によって使用できる花の種類や量が違ってくるので、「いくらでどの程度の花祭壇ができるのか?」確認しておくことが大切。

「想像してたのと違った(小さかった)」「花の数が少なすぎた」など、頼んでからこうじゃなかった!ということがないように。

③花の種類や色など細かい要望を伝えておくこと

菊やユリで作られることが多い花祭壇。

事前に要望を伝えておけば、洋花などを使って作ることも可能になるので、要望があれば伝えておこう。

また、故人の好きな色や花なども事前に伝えておくのもよい。

ただし、低価格の葬儀プランの場合、花の種類などの指定ができない場合もある。

④業者を選ぶときは料金を明確にしている会社を選ぶこと

価格が安いだけが良心的な葬儀会社ではなく、まずは料金を明確にしている葬儀会社は信頼できると考えておくべき。

初めに聞いていた金額にどんどん追加料金が加算されてしまって困った、などということがないように。

世界に一つだけの祭壇を作ることができる、素晴らしい特徴を持つ花祭壇ではありますが、デザインの希望がうまく伝えられない・うまく説明できずに時間ばかりかかってしまう、なんていうこともあるかもしれません。

時間をかけてゆっくりと話を聞いてくれる葬儀会社を選ぶこともとても大切になると思います。

また、事前にサイズ、使用する花の種類、予算はある程度決めておいた方がスムーズに話が進められるようです。

4.花祭壇についての疑問に答えます


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もうちょっと詳しく、またちょっと変わった視点から花祭壇についてお話していきます。

 

4-1.花祭壇で使う花ってどんな花?

以前は、葬儀で使われる花の種類はかなり限られていたようで、菊が最もポピュラーとされていました。

最近では、菊の種類やカラーが増えてきましたが、それだけだと花祭壇を作るにはまだまだ不十分のようです。

ですが、実際の花祭壇では、ユリや蘭の花も使用されることが多く、カーネーションやバラも人気のある花となっています。

花に詳しくない方でも、色を指定して花祭壇を作ってもらうこともできます。

女性ならピンク系の花、男性ならブルー系の花を使った祭壇が好まれるという傾向もあるようです。

故人の好きだった色や花の種類を選ぶというだけでなく、その季節に合った花を選ぶ、また、予算やデザインに合った花を選ぶのもよいでしょう。

 

4-2.使っていけない花ってあるの?

花祭壇に使用する花、使っていけない花の種類はあるのでしょうか?

花祭壇では、使用していけない種類の花や色は特に決まっていません。

以前は、バラを使ってはいけないといわれていたこともありましたが、今では棘を取って使用されることもあるようです。

また、「造花でもよいのでは?」という方もいるようですが、基本的には生花を使用します。

希望によっては、ブリザーブドフラワー(生花や葉を特殊な液の中に沈めて水分を抜いた素材、生花と変わらない外観を持ちながら美しさを長く保つことができる)までは使ってもよいとされているようです。

 

4-3.花祭壇を作る人たち、どんな人?

ちょっと番外編?という感じもしますが、花祭壇を作る人たちってどんな人なのか?

どんな資格を持っている人なのか気になりませんか?
 

ズバリ、花祭壇を作っているのは・・・葬儀会社と提携しているお花屋さん! 

なのですが、このお花屋さんが只者ではないのです。

一体どんなすごいお花屋さんなのでしょうか? 実は、そのお花屋さん、さまざまな資格を持ってる方たちなのです。

では、どのような資格なのか、お話しましょう。

①フラワー装飾技能士

厚生労働省が認定する、花に関する唯一の国家資格。

1級と2級がある。

2級を受験するには、2年以上の生花店での実務経験が必要、もしくは、検定職種と同一の職業訓練を受けた人だけが受験できる。

  1級を受験するには、7年以上の生花店での実務経験が必要、もしくは、2級を取得してから2年以上経過しているか、検定職種と同一の職業訓練を受けていることが条件。

②フラワーデザイナー資格

公益社団法人日本フラワーデザイナー協会が認定する公的資格。

1級と2級と3級とある。

受験するには、日本フラワーデザイナー協会公認のスクールに通って単位を取得するか、公認講師から単位の認定を受けなければならない。

③フューネラルフラワーマイスター検定

フューネラルフラワーマイスターは、日本生花祭壇協会が認定する民間資格。

1級と2級、認定トレーナーの3つの資格がある。

2級は、生花祭壇を作る際の基礎的な知識や技術が主で、1級は、祭壇のデザインやグラデーションの作り方など、生花祭壇を一から作る技術が求められる。

認定トレーナーは、1・2級の検定に合格しなければならない。

④フューネラル・フラワー技能検定

フューネラル・フラワー技能検定は、一般社団法人フューネラル・フラワー技能検定協会が認定する民間資格。

Ⅾ~Sまで5段階の検定があり、認定されれば葬儀における生花祭壇の装飾技術の高さを証明することができる。

国家資格から民間資格まで、さまざまな資格があるのですね。

どの資格にも経験や技術などが必要になることから、知識だけでなく技術やデザインのセンスなどを持つプロの方が、花祭壇を作ってくれるというわけですね。

5.自宅葬で花祭壇を作るとき


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自宅葬とは、ご自宅で通夜や告別式を行う葬儀です。

花祭壇は、規模の大きな葬儀でのイメージが強いかもしれませんが、自宅葬でも花祭壇を作ることが可能です。

ここでは、自宅葬についてのお話も含めて、花祭壇を作るときの注意点などもしていこうと思います。

 

5-1.自宅葬はこんな方にオススメ!

自宅葬を行うならこんな方にオススメします。

• 故人を自宅からお見送りしてあげたい

• 故人との最後の時間をゆっくり過ごしたい

• 駐車スペースなどを確保できる

• 集まる人数が限られている  


5-2.自宅葬を行うメリット・デメリットとは

5-1.自宅葬はこんな方にオススメ!と重なる部分もありますが、メリットとデメリットについてお話していきます。

【メリット】

①故人との最後の時間をゆっくり過ごすことができる


住み慣れた自宅だからゆっくりと過ごすことができる。


②会場費がかからない

斎場・葬儀場で行う場合は会場費がかかるが、自宅葬では会場費がかからない。

【デメリット】

①弔問客を接待する場所、駐車スペースなど設備を用意しなくてはならない

通夜振る舞いなど弔問客を接待する場所を設けたり準備する必要がある。

また、駐車スペースの確保や設備などを用意しなくてはならない。

予想以上の人数など、臨機応変な対応が難しいこともある


②葬儀や自宅葬の経験がないと対応に困ることがある

葬儀などの経験がなく自宅葬を行うと、さまざまな対応に困ってしまうことがある。

参列者が少ない場合は、自宅葬でも対応できそうではありますが、どのくらいの人数が来てくれるのかきちんと把握するのは難しいような気もします。

滞りなく葬儀を行うと共に、さまざまな場所の確保や設備など参列者の方々への配慮もとても大切になってくるようですね。

5-3.自宅葬で花祭壇を作るときの注意点

住み慣れた自宅で行える自宅葬。

美しい花祭壇で、よりゆったりとした気持ちで故人を送ることができるでしょう。

では、斎場などより狭いスペースで行う自宅葬での花祭壇ですが、注意することはあるのでしょうか?  

まず、自宅での花祭壇を作る場合は、部屋が花いっぱいになって香りも花粉も充満することになります。

花粉のアレルギーや花の香りが苦手という方もいると思うので、適度な換気を心がけるようにしましょう。

また、花祭壇で使われることの多いユリの花は、とても見栄えのよい花ではありますが、花粉が落ちやすいのが難点でもあります。

花粉が喪服についてしまった! なんてこともあると思います。

【花粉が喪服についてしまったら…】

ガムテープで軽く叩く。

それで落ちない場合は、除光液をつけて落とすと効果的


絶対に、水をつけてこすったりしない!  花粉が広がってしまい逆効果になる。

そのほかの注意点としては、冬に自宅で花祭壇を作る場合、暖房に注意が必要になります。

花祭壇は、暖房に弱く、暖房の風が花に直接あたると一晩でしおれてしまうことも!

どうしても暖房の風があたってしまうという場合は、石油ストーブや電気カーペットなどで暖を取るようにしてみましょう。

6.祭壇に飾られた花たちは・・・葬儀の後はどうなるの?


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花祭壇は、故人のために、また、故人を送りだすための遺族からの最後の演出といっても過言ではないと思います。

では、花祭壇で使われたたくさんの花たちは、葬儀の後どうなってしまうのでしょう?  

故人のために、力を貸してくれた花たち。

最後の最後まで大切に扱いたいものです。

その花たちの行方についてお話していきます。

 

6-1.棺の中に入れて『お別れ花』に

お葬式の後に火葬を行う地域では、葬儀・告別式が終わると出棺の準備が始まります。

このとき、葬儀会社の担当者やお花屋さんは、祭壇に飾られた花を短時間の間にきれいに抜き取ってくれます。

そして、茎の部分をとってお盆の上にたくさんの花を盛って、遺族が故人を最後のお別れをする際に、『お別れ花』として棺の中に納めることになります。

葬儀会社によって違いはあるようですが、一般的なサービスになっています。

 

6-2.ブーケにして遺族にプレゼントする

これも、葬儀会社によってになりますが、祭壇で使われた花たちをブーケにして、遺族や参列者の方々にお渡しする葬儀会社もあるようです。

また、祭壇で使用した花ではありませんが、火葬場から戻った遺族に一輪挿しにさした花をプレゼントしてくれるという、葬儀会社のサービスもあるようです。

一輪挿しでプレゼントしてくれるなんて、仏壇にも飾れたり一輪挿しは後々使うこともできますので、とても嬉しいサービスでもありますね。

 

6-3.祭壇で使われた花たち、持ち帰るのはアリ?ナシ?

葬儀会社の嬉しいサービスもいくつかあるようですが、中には、祭壇で使われた花を持ち帰るのに抵抗があるという方もいるかもしれません。

宗教によっての考え方にもあるのですが、通常では、花をもらうのは故人とごく親しかった方や希望される方に限られるとされていますので、参列者してくださった方全員に配るというものではありません。

ですが、地域によっては、お葬式の花を持ち帰るのは当然の習わしだという地域もあるようで、長生きをした故人にあやかって『長寿にあずかれる縁起もの』『仏さまにお供えした花だから功徳になる』などという、そんな意味もあるとかないとか…。

これは、諸説あるようです。

祭壇で使われた花を持ち帰るのは、いい悪いと決まったものではないようですね。

故人の供養のためにもらって帰りたいと思われる方もいるかもしれませんし、抵抗があると思われる方もいるかもしれません。

抵抗があるのに、もし、お持ち帰りくださいと勧められたら、その断り方にもご遺族側への心配りがあったらといいかもしれませんね。

 

7.お供えやお悔やみの花について知っておこう


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葬儀などで扱う花は、花祭壇を作る際に使われる花だけではありません。

ここでは、お供えやお悔みの花など、弔事の花贈りのマナーについてもご紹介していこうと思います。

故人を悼み偲ぶ想いも、マナーやご遺族の意向に反してしまっては、かえって面倒をかけてしまったり不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。

そうならないためにも、最低限のマナーや知っておきたい弔事の花贈りについてお話していきます。

 

7-1.供花とは

供花とは、故人に供える花のことをいいます。

故人の霊を慰めて哀悼の意を表する意味と、祭壇や会場で花を飾ることによって遺族の悲しみを和らげるという、2つの意味があり、故人と親しかった方や親族、遠方で会葬できなかった方から贈られます。

また、キリスト教では、供養のために捧げる花のことを献花とよびます。

供花には、さまざまないくつかの呼び方とそれぞれの意味があり、飾る期間や飾り方が異なったり花の選び方にも違いがあります。

【枕花(まくらばな)】葬儀が終わるまで故人の枕元に飾る花のこと、故人の魂を鎮めると言われている

通夜の前から飾り、式場へ移動する際にも一緒に移動する。

葬儀が終わった後も、『後飾りの供花』として飾るために傷んだ花を取り除きながら小さく活け直していく。

【後飾りの供花】

後飾りとは、四十九日や埋葬の日の忌明けまで遺骨を安置する祭壇のこと。

遺影、供花、供物、燭台などを飾り、毎日故人への哀悼の意を表するものである。

また、通夜や葬儀に会葬できなかった方が弔問することもある。

· 後飾りの祭壇は、小机ほどの大きさなので、供花は卓上に置ける大きさのものがよい。

また、葬儀後~四十九日まで長い間飾っておかなければならないので、長い間傷みにくい花を選ぶようにするとよい。

· 通夜や葬儀よりもう少し色目のあるものを選べるので、故人が好きだった色合いの花などを加えて選ぶのもよい。

· 洋らんのデンファレやオンシジウム、ピンポンマム、紫色のカーネーションなどが長持ちする花として好まれている。

また、水替えの必要のないブリザーブドフラワーが飾られることもある。

【仏壇用の供花】仏壇用の花。

仏花とも呼ばれる
仏壇の供花は、仏さまのために供えるものではなく、短い命の生花を供えることで、生きている人たちが命の儚さを思い、それに感謝する意味がある。

· 花の本数は、3本、5本、7本のように奇数がいいとされている。

花弁が散らずに長持ちする、また、邪気を払うといわれることから古くから菊の花が使われている。

· カーネーションやストック、スターチスなどが使われるが、それと一緒に、季節の花を組み合わせるのもよい。

例えば、春にはアイリスやキンセンカ、夏にはグラジオラスやケイトウ、秋はリンドウやナデシコなど。

· カラーやデルフィニイウム、トルコキキョウなどの洋花が組み合わされていることも多い。

【手元供養の供花】

手元供養とは、故人への強い想いといつでも身近にいて見守ってほしいという気持ちから、小さな骨壺やフォトフレーム、供花などを部屋に飾って故人への祈りを捧げる供養のことである。

· 手元供養に用いる花瓶は、一輪挿し程度の大きさを選ぶとよい。

花は季節の花を選ぶのがよい。

春にはスイセンや菜の花、夏にはキキョウやヒメユリ、秋にはコスモスやナデシコ、冬には寒椿やスミレなど。

 

7-2.弔事の花贈りマナー

• 葬儀の前に

【枕花】

一般的には、特に親しかった方や特にゆかりの深い方が贈る。

· 通夜の準備などで忙しくされているご遺族にすぐ飾れるようにアレンジメントのものを選ぶとよい。

名刺サイズのカードに「供○○」と書いて添える。

· 花の色合いは白に限らず落ち着いた色調にまとめ、淡いピンクやクリーム、ブルーなどの花を入れてもよい。

· 大きな花の方が華やかに見えるので、大輪菊や白百合、トルコキキョウ、グラジオラス、胡蝶蘭、アンスリウムなどを選ぶとよい。

· キリスト教の場合の枕花は、教会に持ち運ぶことができるように籠に入れた小ぶりのものが多く選ばれる。

また、仏教でよく選ばれる菊はと棘のあるバラの花は、キリスト教ではあまり使われることはない。

  • 通夜・葬儀の前に

【供花】


故人と親しかった方、遠方のため香典の代わりとして通夜葬儀に参列できない方が贈ることがある。

また、子供一同、親族一同として遺族が贈ったり、会社から贈ることもある。

· スタンド花やアレンジメントとして贈られる。

· 通夜に間に合う場合は、お通夜の日の午前中までに届くように手配する。

· お葬式に贈る場合は、できるだけ前日までに届くように手配する。

· 花の色は白に限定されるわけではないが、落ち着いた色調が中心とするのがよい。

· キリスト教の場合は、自宅あてに届くように贈る。

 

7-3.お葬式でいただいた供花の並べ方

お葬式でいただいた供花は、祭壇のまわりに並べます。

並べ方にはきちんとした順番があり、これを間違えてしまうと贈ってくださった方に不愉快な思いをさせてしまうことになります。

しっかりと確認するようにしましょう。

お通夜もしくは葬儀の際に供花が届いたら、祭壇の中央に近い方から、故人と近い近親者などの遺族や親族、親しかった人、会社関係者などの順に飾ります。

全体を並べたときに祭壇とのバランスがいいように、葬儀会社の人と相談するとよいでしょう。

また、お礼やお返しに備えて、送り主の氏名や連絡先は、配達票や伝票をチェックしておくことも忘れずに!  


8.この記事に関するまとめ


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いかがでしたでしょうか?

花祭壇は、故人の好きだったものやイメージに合わせて、デザインしたり自由にアレンジしたり、その自由度の高さやオリジナリティ溢れる祭壇を作ることができるのが、花祭壇の大きな魅力かもしれません。

ですが、どのような祭壇にしたいのかしっかりとしたイメージがないとうまくいかないこともあったり、葬儀会社との事前の打ち合わせも大切だということも、お分かりいただけたと思います。

また、花贈りに関してもさまざまな用語や決まりなどがありましたね。

何度もあってほしいものではありませんが、覚えておいて損はないと思います。

大人のマナーとして、もしものときのためにお役立ていただけたら嬉しいです。