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 英国のメイ首相は18日、官邸前で緊急声明を出し、2020年5月に予定されていた下院(定数650)総選挙を早め、今年6月8日に実施する意向を表明した。EU(欧州連合)との離脱交渉をめぐる政権の方針について、国民の信を問い、交渉に臨む自らの立場を強める考えだ。英国では、総選挙の日程変更には下院の3分の2の承認が必要だが、最大野党・労働党のコービン党首は「首相の決定を歓迎する」と述べており、実施は確実な見通しだ。

 英政府とEUは、5~6月ごろから本格的な離脱交渉に入る見通し。メイ氏は移民の制限を優先する一方、自由貿易協定(FTA)を結んでEU単一市場に「最大限アクセスする」方針を示している。

 メイ氏は、「国が団結しつつあるなか、議会はそうなっていない」と述べ、政権の交渉方針に批判的な野党の対応を批判。EUとの2年間の交渉期間を念頭に、「もし今実施しなければ、野党の政治ゲームが続き、交渉が最も難しい段階に次の選挙の準備をすることになる」と説明した。

 与党・保守党の現有議席数は過半数をわずかに上回る330。最新の世論調査では、保守党の支持率44%に対し、労働党は23%。メイ氏としては、高い支持率を背景に総選挙で勝利した上で、難航が予想される交渉に臨みたい意向だ。(ロンドン=石合力