シャープが2017年夏にスマートフォンAQUOSの新シリーズ「AQUOS R」を投入する。新しいAQUOSでは何が変わるのか? ポイントを整理しながら見ていこう。
これまで、スマートフォンAQUOSのハイエンドモデルは、ドコモ向けが「AQUOS ZETA」、au向けが「AQUOS SERIE」、ソフトバンク向けが「AQUOS Xx3」という具合に、納入するキャリアによって製品名が異なっていた。
ハードはほぼ同じながら製品名が異なっているため、AQUOSブランドの特徴を打ち出しにくい状況が続いていた。一方で、グローバルで展開しているソニーモバイルの「Xperia」やサムスン電子の「Galaxy S」は、異なるキャリアでもシリーズ名は統一している。AQUOSもシリーズ名を統一することで、AQUOSの世界観を、より伝えやすくなったといえる。
IoT通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部長の小林繁氏は「スマートフォンはますます成熟して、ブランドで選ぶお客さまが増えている。マーケティングの効率化を図り、ケース(周辺機器)を探していただく上でも統一した方がいいと決断した」と説明する。
なお、AQUOS Rの納入キャリアは明らかになっていない。例年通りなら、5月以降に発表される、各キャリアの夏モデルとして登場することが見込まれる。またSIMロックフリーとして販売するかも未定とのこと。
本体デザインは、2016年夏のAQUOS ZETA、SERIE、Xx3を踏襲しており、全体的に丸みを帯びた形状になっている。インパクトの大きかった3辺狭額縁設計でないのはちょっと残念だが、持ちやすさを重視したためのようだ。
シャープはAQUOS Rの形状を「Emotional Edge」と呼ぶ。小林氏はその意図を「持ちやすいボディーは手に引っ掛かるので、エッジには適度なラインを入れ、手に当たるところをラウンド形状にして快適に使えるようにした」と説明する。2016年夏モデルのAQUOSは、エッジがやや角張っていたが、AQUOS Rではエッジが斜めにカットされているので手のひらにフィットする。
側面には光沢感のあるアルミフレームを入れた。背面は樹脂だが、ガラスのような光沢仕上げにした。小林氏は「金属形状と艶やかな仕上げをによって、驚くほど美しいデザインになった」と胸を張る。
スマートフォンAQUOSでおなじみの「IGZO」は、AQUOS Rでももちろん搭載。1秒間に画像を120回更新して、より滑らかな表示を可能にする「ハイスピードIGZO」も継承している。
ディスプレイの解像度は、従来のフルHD(1080×1920ピクセル)からWQHD(1440×2560ピクセル)にアップ。より高精細な写真や動画を楽しめるようになった。ただし解像度が上がると消費電力も上がるため、2016年夏モデル(3000mAh)よりも大きい、3160mAhのバッテリーを搭載している。
液晶テレビAQUOSで培った技術を生かした「リッチカラーテクノロジーモバイル」も新たに採用し、色域が広がった。
白飛びや黒つぶれを抑えた表示が可能なHDR(ハイダイナミックレンジ)表示にも対応し、「Amazonプライムビデオ」のHDR対応コンテンツを視聴できる。さらに、HDR非対応の動画をHDR相当の画質に変換して再生する「バーチャルHDR」にも対応。現状、「SHメディアプレーヤー」で再生した動画のみが変換される仕様だが、ストリーミングサービスなどに対応範囲が拡大することにも期待したい。
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