映画監督リドリー・スコットの映画制作会社RSA Filmsが、VR映像制作部門RSA VR設立を発表しました。RSA VRの手になる最初の作品は「エイリアン:コヴェナント」をVR化した「Alien: Covenant vignette」とのことです。
リドリー・スコット監督は2015年にVRコンテンツ制作プロジェクトに取り組んでいると語っていました。このプロジェクトが正式にRSAの1部門として動き始めたということです。また、リドリー・スコット監督作品「オデッセイ」のVR化作品「The Martian: VR Experience」を手掛けたジェン・デニス氏がRSA VRの責任者になることが合わせて発表されました。
RSAのジュール・デイリー社長は、RSAが過去数年間VRに大きく関わってきたことから、専門のVR部門を立ち上げることで没入型メディアへのブランドとコンテンツ両面で取り組めるようになったことを強調します。
またRSA VRのトップとなったデニス氏は「VRはいま最もエキサイティングな分野であり、世代別のコンテンツ消費にも大きな影響を与える可能性を秘めています。私はVRコンテンツ制作のチーム編成から制作そのもの、さらに配給やマーケティング・パートナーシップまですべてに関われることを楽しんでいます。」とコメントしました。
RSA VRが手がける作品第1号は「Alien: Covenant vignette」。ベースとなる「エイリアン:コヴェナント」は名作SFホラー「エイリアン」の前日譚として公開された「プロメテウス」のシリーズ2作目となる映画で日本では2017年9月に公開が予定されています。制作には20世紀フォックスのFoxNextも協力するとのこと。
「Alien: Covenant vignette」に関してはAMDがこの3月に「エイリアン:コヴェナント」のVR化作品に協力すると発表していました。AMDは「The Martian: VR Experience」の制作にも協力しています。
ちなみに、RSA VRは今後の制作予定コンテンツのひとつに写真家マイケル・ミューラー氏によるVRドキュメンタリーシリーズをあげています。
ミューラー氏は「デッドプール」や「キャプテン・アメリカ:シヴィル・ウォー」などのポスタービジュアルや、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど大勢のミュージシャンのレコードジャケットを手がける人物。
その一方でサメをメインに捉え続ける水中カメラマンとしての活動もよく知られており、もしミューラー氏のVRシリーズに水中VR作品が含まれるなら、話題となったPSVR作品「Ocean Descent(The Deep)」を上回るリアリティで、サメとのふれあい体験ができるようになるかもしれません。
なお、2015年当時にリドリー・スコット監督が語っていた「ブレードランナー」のVRについては今回の発表では触れられずじまい。映画「ブレードランナー2049」は10月27日公開予定なので、まずはそちらに集中しておくのが良さそうです。
[Images : RSA Films]