今ではこんなにヤサグレたことばかり言ってる俺だけど、20歳ぐらいの頃は結構やさしくて純粋な好青年だったんだ。
大学のサークル*1活動の一環で、ホームレス支援のお手伝いだってやってたんだぜ。
おにぎりやトン汁の炊き出しとか、冬に毛布や靴下を配ったりとかね。
支援団体の人らと一緒に夜の公園や駅周辺を巡回してね、ホームレスの方々をみつけたら声掛けするんだよ。
次回の炊き出しの場所や日時を書いたチラシを渡したり、場合によったら話を聴いてあげたり。
基本的にはチラシを渡すだけ。
相手が望めば会話に進むけど、そうでなければ相手の領域には勝手に立ち入らないのがマナー。
充実してた。
生きてるって感じがした。
自分が社会の重要な何かにコミットしてるんだって錯覚が、誇らしげな気分を味あわせてくれたんだ。
でも3ヶ月だね、3ヶ月。
最初は10人いたメンバーも3ヶ月経つ頃には2,3人に減ってる。
やってられないって。
声掛けしただけでいきなり怒鳴られたり、チラシ渡そうと手を伸ばしたら叩かれたり、炊き出しで「おにぎりは一人2個ですよ」って言ってんのにコソッと3個、4個取って行くとか・・・。
やんわりと注意したら、怒っておにぎりを地面に叩きつけたり、殴りかかってきたり。
なんなんだよ、一体。
あんた等はケダモノかよ?
特に女の子は危険だ。
****されそうになったり、~~~~されたり、もうムチャクチャ。
人の良いボランティアメンバーが(ホームレスに)泣きつかれて金を貸したらバックレられたなんて日常の茶飯よ。
その他にも、ここじゃ書けないことが山ほどある。
みんな去って行くのが正常、当たり前だ。
だれも彼ら彼女らを責められないと思う。*2
じゃ残った2,3人ってのは神様みたいな人格者ばかりなんだろうか?
いいや、違う。だって俺が残ってたんだよ!?(笑)
神様とか人格者とは正反対の人間だ。*3
性格が歪んでて友達のいないぼっち*4、機能不全家族や欠損家庭で育ったメンヘラ、イジメが原因で対人恐怖を抱えてる引きこもり、みんな何らかの破綻者ばかり・・・etc
どいつもこいつも自分の居場所がない連中。
帰る場所がないから支援団体から離れられないだけだ。
団体に居れば、どんなgmkzでも必要とされるからね。
ホームレス相手に嫌な思いをすることよりも、団体で自分が必要とされたり、人間として認めてもらえることの方が大きいんだよな。
普通の家庭で心理的に健康な人生を送って来た人には理解できない感覚だろうけど。
表面上はホームレスを助けてる様でも、心理的には助けられてる。
「自分が守ってあげなきゃホームレスの人達が困るから」
そう思うことで自分の存在証明が得られる。
本来なら家族や友人との間で育まれる何かを支援活動で代償するしかない人生。
やりきれない、切ない。
中にはそんな共依存関係から抜け出せる奴も居たが、ほとんどはそういう関係にドップリ浸かったままダラダラと生きながらえて行く。
そして延々とニートをやった挙句、歳をくったらホームレスになって、今度はおにぎりをもらう側になるのかも知れない。
俺は今のところ自分のおにぎりぐらいは自分で賄えてるが、果たしてこの先、幸せなゴールにたどり着けるのだろうか・・・。