暮らしに役立つ情報
国の政策・施策・取組の中から、私たちの暮らしに身近な情報や役に立つ情報をまとめました。
記事の二次利用についてはこちら
平成29年3月17日
食生活はバランスが大事
「健康食品」の選び方と使い方
サプリメント等の「健康食品」を食べるだけで健康になれますか? 答えはノーです。健康の保持・増進には、運動、休養そして食生活のバランスが重要であり、その中で健全な食生活を助ける脇役が「健康食品」です。「健康食品」の種類と選び方、使い方などをご紹介します。
1.「健康食品」とは?
「健康によい」機能を表示できる食品には、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品の3つの制度があります。
胃腸によい、血管によい、肌によい、目によい、などのように、健康によい影響があるといわれる食品は色々あります。それらが「健康によい」という機能を表示して販売される場合は、根拠を分かりやすく示す必要があります。特に加工食品ならばなおさら。国は、健康によい機能を表示できる食品を次のように定めています。
「健康によい」働きが表示できる食品を「保健機能食品」といい、「特定保健用食品(トクホ)」、「機能性表示食品」、「栄養機能食品」の3種類があります。
特定保健用食品(トクホ)は、体内で働く仕組みが明らかな成分を適量含んでいる食品です。事業者(※)が国(消費者庁)に申請して認可を受けたものです。
※ここでいう事業者とは、その食品の製造業者、販売業者、輸入業者などのいずれか。
機能性表示食品は、おおむねトクホと同様ですが、事業者は消費者庁の認可を受ける必要はなく、消費者庁に必要な書類を届け出れば機能性表示食品と表示できます。
事業者から届けられた安全性及び機能性の根拠に関する情報、健康被害に関する問い合わせ先や商品の表示見本などを消費者庁のウェブサイトで公開しています。
栄養機能食品は、消費者庁への届出等は不要ですが、栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が定められた上、下限値の範囲内にある必要があります。事業者は自分の判断と責任でその食品に栄養機能食品と表示できます。
「健康食品」を選ぶ際は、こうした国や事業者による機能性の裏付けが目安になります。
◆健康食品ってなに?
私たちが口から摂取するものは、食品と医薬品(医薬部外品を含む)に分けられ、健康の保持や増進効果をうたった健康食品は食品に分類されます。
健康食品という用語に法令上の定義はありませんが、一般的に健康食品とは、健康によいことをうたった食品全般のことをいい、それら健康食品は、国の制度に基づき機能性や栄養成分の機能などを表示できる保健機能食品(トクホ、栄養機能食品及び機能性表示食品の総称)と、それ以外の健康食品に分けることができます。
原則として医薬品との誤認を避けるため、食品に「治る」「効く」など医薬品的な効果を表示することはできませんが、保健機能食品は、「お腹の調子を整える」などの体調を調節する機能性を表示することができ、それらの表示上のルールは、健康増進法と食品表示法で定められています。
一方、サプリメント、栄養補助食品、健康補助食品、自然食品などと呼ばれている、国の制度に基づかないその他の健康食品は、保健機能食品のような機能性を表示することはできません。
2.「健康食品」を選ぶには?
宣伝文句だけでなく、パッケージの表示をしっかり確認しましょう。
「健康食品」を選ぶ際は、テレビCMやポスター、チラシなどの宣伝文句だけでなく、パッケージなどの表示をよく確認しましょう。
特定保健用食品(トクホ)と機能性表示食品については、消費者庁は事業者に対し、容器包装以外の広告などにも次の事項を記載するよう勧めています。購入する際の参考にしてください。
消費者庁がトクホや機能性表示食品の広告上で最低限記載を勧める事項
これに基づくと、例えば特定保健用食品(トクホ)のお茶では、次のような表示が考えられます。
○特定保健用食品(トクホ)の表示例
こうした表示が「面倒」「分かりにくい」と感じる方がいるかもしれません。
しかし、ひと言で「健康によい」といっても、何がよいかはその人の年齢や体格、生活スタイルや持病の有無などによって異なります。同じものを食べても、その人の体質や体調によって違いが出ることもあります。
特定保健用食品や機能性表示食品、栄養機能食品のいずれにしても、その機能を活かすためには、表示された情報を参考に、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
コラム
健康食品の安全性・有効性に関する情報をチェック
健康食品の安全性や有効性に関する信頼できる情報源として、国立健康・栄養研究所のホームページ「健康食品の安全性・有効性情報」(https://hfnet.nih.go.jp/)があります。このサイトの「素材別データベース」には、健康食品の素材別に科学的根拠のある安全性・有効性の情報が集められています。
「『健康食品』の素材情報データベース」
3.「健康食品」を活用するには?
基本は食生活のバランスをとること。足りない部分を健康食品で補いましょう。
「健康食品」を摂ってさえいれば、健康になれるでしょうか? 答えはノー。健康を保ち、増進させるには、健全な食生活、適度の休養、適度な運動の3つのバランスをとることが大切です。
健康の保持・増進
健全な食生活の基本は、主食・主菜・副菜など様々な食品から必要な栄養素を摂取するバランスの良い食事を実現すること。ただ、普段の生活で食事のバランスをとることが難しい場合に、「健康食品」を併用することもひとつの手です。
なお、「健康食品」は医薬品ではないので、病気を予防したり治したりする効果は期待できません。
健康食品に対して過度な期待はせず、食品の一つであることをよく理解して利用しましょう。
「健康食品」を利用する際には、次のことに注意しましょう。
- 効能があいまいなもの、事実確認ができない体験談を安易に信用しない
- いくつもの製品を同時に利用しない
- 持病がある人は薬との飲み合わせにも注意
- 利用状況についての記録を取る
- 異常を感じたらすぐに医療機関に相談を
健康食品を摂る際は、いつ、何を、どれだけ摂ったかと、その後の効果や体調の変化などを記録しておきましょう。健康食品を摂っていて体調が悪くなったときは、摂取をやめましょう。
コラム
健全な食生活とは?
厚生労働省・農林水産省では、バランスのよい食生活を実践するために、何をどれだけ食べればよいかの目安になる「食事バランスガイド」を公表しています。参考にしてください。
<取材協力:消費者庁 文責:政府広報オンライン>