裁判所が出廷の証人に遮蔽板
アメリカ軍普天間基地の移設に反対する活動中に、威力業務妨害の罪などに問われている沖縄平和運動センターの議長の裁判が開かれ、那覇地方裁判所は証人として出廷した沖縄防衛局の職員が傍聴席から見えないように、遮蔽板を設置する措置を取りました。
議長の弁護側は「措置はまさに異常で、傍聴人を犯罪者扱いしている」と批判しています。
沖縄平和運動センターの議長、山城博治被告(64)は、去年1月、名護市辺野古で、普天間基地の移設に反対する活動中にブロックを積み上げるなどしたとして、威力業務妨害の罪などに問われています。
17日の裁判では、工事を監督する立場だった防衛局の職員の証人尋問が行われました。
これについて那覇地方裁判所は、「証人が被告やその関係者からの報復を恐れている」などした那覇地方検察庁の事前の申し立てを一部認め、職員と傍聴席との間に遮蔽版を設ける措置を取りました。
弁護側は、「裁判の公平公正を侵害している」などと異議を唱え、裁判官の交代を申し立てましたが却下され、福岡高等裁判所那覇支部に即時抗告しました。
裁判の最後には、遮蔽板をめぐって傍聴人や山城議長が裁判官に激しく抗議し、法廷の中が一時騒然としました。
議長の弁護を担当する三宅俊司弁護士は、「性犯罪の被害者が証言する場合など弱い立場の人を守る目的で遮蔽版が設けられることはあるが、公務員が基地に反対する人たちから威圧を受けるとする理由で設けられるのはまさに異常で、傍聴人を犯罪者扱いしている」と批判しています。