高齢者への薬の過剰な処方減らすガイドライン作成へ

高齢者への薬の過剰な処方減らすガイドライン作成へ
高齢者が薬を必要以上に服用して重い副作用を起こすケースが後を絶たないとして、厚生労働省は、医療機関や薬局向けに薬の過剰な処方を防ぐためのガイドラインを作ることを決めました。
厚生労働省によりますと、高齢になると薬の成分を体の外に排出する機能が落ちる一方で、複数の病気の治療薬を処方されることも多く、認知や運動の機能が低下するなど重い副作用を起こして最悪の場合、死亡するケースも報告されています。

副作用のリスクは服用する薬が6種類以上になると、3種類以下の時の倍近くになるという研究もあり、厚生労働省は、医療機関や薬局向けに高齢者に対する薬の過剰な処方を防ぐためのガイドラインを作ることを決めました。

17日は、医師や薬剤師などが参加する専門家会議が開かれ、出席した委員からは、複数の診療科から効果が同じ薬を別々に処方されたり、効果が見られない薬を処方され続けたりするケースがあるという指摘が出されました。

これを受けて専門家会議では全国的な状況を調査したうえで、薬の処方に関する情報を一元的に把握して必要のない薬を見極める際の具体的な手順などを検討していくことになりました。

厚生労働省は薬の使いすぎによる健康被害がないように対策を急ぎたいとして、来年度中にガイドラインをまとめる方針です。