Water from Desert Skies
砂漠の大気から1日数リットルの水を作り出す新装置
気候変動による水不足はすでに世界人口の約半分40億人に関わる大問題だ。水不足は健康被害だけでなく、暴動などの原因にもなるから、大気中から水を採取できるテクノロジーが実用化されれば、世界平和にもつながる。 by James Temple2017.04.17
マサチューセッツ工科大学(MIT)とカリフォルニア大学バークレー校の研究グループは、太陽光だけで稼働する、砂漠の空から水を取り出す装置を開発した。研究グループは将来的に、テクノロジーを改良し、地上でもっとも干ばつと貧困が深刻な地域で、清潔な飲用水を提供したいと考えている。
装置は、たくさんの小孔の中に大量の水を集められる新素材でできている。4月13日にサイエンス誌に発表された論文によれば、湿度わずか20%(乾燥地域の典型的な環境)でも、新素材1kgあたり毎日数リットルもの水を集められるという。
このテクノロジーは、拡大中の深刻な問題に対処するのに使える可能性がある。昨年、サイエンス・. アドバンシズ誌に掲載された論文によれば、現在、地球全体では40億人、インドと中国の人口の約半分は「1年のうち1カ月以上、深刻な水不足」に直面しているという。つまり、世界人口の3分の2で水が不足しているのだ。水不足(その結果生じる衝突)は、気候変動が加速するほど、世界の大部分の地域でさらに頻発する可能性がある。
テクノロジ …