東京に核ミサイルが着弾すれば42万人が死亡、放射能による被害80万人
朝鮮半島をめぐる軍事的緊張がぐっと高まっている。
トランプ政権は、原子力空母「カールビンソン」を中心とする空母打撃群を朝鮮半島近海に向かわせ、北朝鮮への軍事的圧力を強めている。米韓連合司令官を兼任するビンセント・ブルックス在韓米軍司令官は、4月下旬に予定されていた米議会軍事委員会の聴聞会への欠席を決定。朝鮮有事に備えて、在韓米軍2万8000人と韓国軍63万人の指揮命令系統を万全に構えている。 一方の北朝鮮は、アメリカによる先制攻撃の兆候があればアメリカに核攻撃すると警告した。
挙げた拳をなかなか振り下ろせずに、チキンゲームを続ける米朝。「朝鮮半島第3次核危機」の様相を呈してきている。
北朝鮮は2016年だけで24発の弾道ミサイルを発射、2度の核実験を実施した。今、アメリカが最も懸念しているのは、アメリカ本土までに届く、小型化された核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を北朝鮮が開発することだ。金正恩朝鮮労働党委員長が開発を推し進めるICBMは最大射程距離1万2000キロで、ニューヨークやワシントンのようなアメリカ東部地域まで打撃を加えることのできるKN-08とその改良型となるKN-14。アメリカは、自らの国益と安全保障への重大事となる、このICBM完成を事実上のレッドライン(越えてはいけない一線)に定めている。
北朝鮮はいまだICBM試射を実施していない。トランプ政権は武力行使をちらつかせながら、何とかICBM発射実験や6度目の核実験を北朝鮮に強行させないように軍事的・外交的圧力をかけている。とはいえ、北朝鮮が核実験を実施したり、ICBM開発に成功したりしても、アメリカが北朝鮮に先制攻撃することは事実上、難しい。アメリカの強硬姿勢は、北のさらなる挑発行動を封じ込めるための一種のブラフ(脅し)や見せ球に過ぎないと筆者はみている。
その根拠として、ソウル在住の常時10万人を超えるアメリカ市民に対し、沖縄等への退避勧告がまだ出ていない。アメリカの北朝鮮攻撃が本気ならば、今すぐにでも退避勧告を出すはずだ。
アメリカは、1990年代のクリントン政権期の「第1次核危機」と、2000年代のブッシュ政権期の「第2次核危機」の時にも、北朝鮮への軍事攻撃を検討した。しかし、北朝鮮の報復攻撃による、アメリカとその同盟国の被害リスクが大きすぎることから断念した。北朝鮮への先制攻撃や斬首作戦(指導者の暗殺)ができるなら、とうの昔にやっていたはずだが、できなかったのだ。
1993~1994年の第1次核危機の際には、アメリカが北朝鮮の核施設を対象にサージカルアタック(局部攻撃)をしたら、100万人以上の韓国人と10万人以上のアメリカ人が死亡するとの試算が米政権内で出された。当時の韓国の金泳三大統領が、クリントン米大統領の核施設攻撃に断固反対し、中止させた。 2003年の第2次核危機の際にも、当時の盧武鉉大統領はブッシュ政権に対し、「軍事オプションは絶対に呑めない」と強く反対した。北 の反撃による韓国などへの被害リスクが大きすぎて先制攻撃できないとアメリカは判断した。イラクやリビアは攻撃できても、北朝鮮は攻撃できなかったのだ。
盧武鉉政権時に大統領府外交安保首席秘書官を務めた韓国国防研究院のソ・ジュソク責任研究委員は3月5日、都内で行われた朝鮮半島の安全保障政策に関するシンポジウムで、アメリカによる先制攻撃のリスクについて、次のように述べ、強い懸念を表明した。
「1994年のクリントン政権時よりも北朝鮮の攻撃能力が上がっているので、被害はもっと大きくなる。韓国の指導者で先制攻撃に同意する人は1人もいない」
ソウルは南北の軍事境界線から40キロしか離れてない一方、平壌は150キロも離れている。このため、北朝鮮はソウルを「人質」にとっている形になる。
16年版防衛白書によると、北朝鮮の地上軍は約102万人を擁し、兵力の約3分の2を非武装地帯(DMZ)付近に展開しているとみられる。戦車3500両以上を含む機甲戦力と火砲を有し、口径240ミリと300ミリの多連装ロケット砲(MRL)や170ミリ自走砲といった600門を超える長射程火砲をDMZ沿いに常時集中配備する。これらを使えば、韓国総人口の約半分の2500万人を占めるソウル首都圏に着弾できる。 特に「KN-09」と呼ばれる新型の300ミリ大口径MRLは、最大射程距離250キロに及び、韓国や在韓米軍にとって大きな脅威となっている。
ソウルに加え、韓国軍の陸海空三軍統合本部がある忠清南道の鶏竜台を直接攻撃することが可能だ。韓国中部・京畿道、平沢市にある在韓米軍の2つの主要基地 ―― 米空軍の烏山基地と米陸軍基地のキャンプ・ハンフリーズ ―― に対しても、一斉放射で直接の砲撃ができ、大ダメージを与えることができる。
KN-09といった多連装自走ロケット砲は弾道ミサイルと違い、ターゲットとして定める発射体が小さく、一斉放射で飛んで来るため、韓国にとっても迎撃が難しい。ミサイルに比べ、低高度で飛来するため、探知自体が難しい。
北朝鮮への先制攻撃は、第2次朝鮮戦争を招きかねない。北朝鮮は攻撃を受ければ、必ず報復攻撃をするからだ。核ミサイル開発は北の体制維持に不可欠であることに加え、金正恩委員長は外敵のアメリカへの抑止力を高めることによって求心力を保ち続けている。特に、15日の金日成国家主席生誕105周年や25日の北朝鮮軍創建85周年といった国威発揚を図る行事が続くなか、アメリカの攻撃にひるむことは許されない。
1950~1953年の朝鮮戦争の死者数は、各国の兵士、民間人合わせて数百万人に及んだ。第2次大戦での日本人の死者は兵士、民間人合わせて約300万人だが、朝鮮戦争もこれに匹敵する犠牲者を出した。国連軍に参加した米軍兵士は3万3642人が死亡。南北朝鮮の離散家族は1000万人に上った。当時と比べ、北朝鮮の反撃力は朝鮮戦争の当時と比べ、格段に上がっている。
日本国内では、アメリカによるシリア攻撃と北朝鮮への攻撃を一緒くたに議論して、北朝鮮攻撃の可能性が高まっているとの論調が見受けられる。しかし、シリアと北朝鮮への攻撃は似ても似つかない。攻撃を行うアメリカとその同盟国の被害リスクが全然違う。
日本も決して他人事ではない。今の北朝鮮はすでに射程1000キロの核ミサイルを保有しているとの見方が軍事専門家の間ではある。沖縄県の嘉手納基地や長崎県の佐世保基地、山口県の岩国基地が射程距離に入るほか、発射台を北朝鮮内で日本に近い東側に動かせば、東京や神奈川県の横須賀基地、青森県の三沢基地が北の攻撃にさらされる。
日本のミサイル防衛は、迎撃ミサイルを発射できるイージス艦4隻と、全国の航空自衛隊基地などに34基配備されている地対空誘導弾のパトリオット(PAC3)の二段構え。米海軍横須賀基地に前方配備され、ミサイル防衛能力のあるイージス艦も11隻あるが、イージス艦1隻が同時に迎撃できるミサイルは2発程度。3月6日に北朝鮮がミサイル4発を同時発射したように、移動可能な発射台で多数のミサイルを同時に発射すれば全てを迎撃するのは困難とみられている。
経済産業研究所の研究員などを務めたマイケル・ユー氏は、03年の著書『ウォー・シミュレイション 北朝鮮が暴発する日』の中で、東京・永田町付近に北朝鮮の核ミサイルが着弾した場合の死者は42万人、さらに後爆風や放射能による2次被害者は合計81万人と試算した。
アメリカの先制攻撃は限りなく可能性が低い。しかし、ささいな挑発行動が相手国の誤解を生み、偶発的なきっかけから戦争に発展した例は古今東西、枚挙に暇がない。北朝鮮に対する先制攻撃に伴う被害リスクとともに、エスカレーションゲームの危険性について甘く見ない方がいい。
高橋浩祐:イギリスの軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」東京特派員。ハフィントンポスト日本版編集長や日経CNBCコメンテーターを歴任。
参考元:ヤフーニュース
参照URL:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170415-00010000-binsider-int
2017/04/15 07:31
2017/04/15 07:55
絶対に行く国じゃないね。
2017/04/15 07:45
2017/04/15 07:49
2017/04/15 07:51
2017/04/15 07:13
2017/04/15 07:14
2017/04/15 08:03
2017/04/15 07:20
2017/04/15 07:42
後3年も放っておいたら、日本で1000万人と言う事になるなじゃないの?
2017/04/15 08:42
2017/04/15 07:32
核の高性能化、小型化もな。
さて、どうする?
2017/04/15 08:13
もし、ICBMが完成してしまったら安易に先制攻撃すらできなくなってしまう。
北はすでに対話でどうこうなる国ではない。
2017/04/15 07:13
2017/04/15 08:31
そりゃ被害はでかくなるわな。
2017/04/15 08:21
2017/04/15 07:27
在韓邦人の命を犠牲にするな。
2017/04/15 07:36
2017/04/15 08:08
2017/04/15 08:15
2017/04/15 09:00
2017/04/15 07:55
勇敢で優秀な米軍のおかげで、犠牲はたった100万人ですんだ。と
2017/04/15 07:34
いつやるの?今でしょ!
2017/04/15 07:38
北だろうが南だろうが
おかしなヤツらは死滅してほしい
2017/04/15 09:09
数字だけが独り歩きする、慰安婦のときと同じ。
1万人が10万人になり、それでは関心を呼ばないので
エーイ100万人にしよう。
朝鮮人の記事かよ。
2017/04/15 07:59
2017/04/15 07:55
2017/04/15 07:47
核を使用しなければもっと多くの日本人が死亡しまた米軍の血も流れるので「やむを得なかった」とか言ってましたね。
今米軍が攻撃し反撃でソウルが灰燼と化しても、刈上げ国の核と長距離弾道ミサイルを排除しなければ米国本土のみならず日本も共産朝も南朝鮮も全て刈上げ国の先制ミサイルで灰燼と化す可能性がある。
その場合の犠牲者数を考えると今ソウルが灰燼と化してもしょうがないという理論になりますよね。
如何でしょうか特亜の皆さま、特に南朝鮮の方々。
もっとも、今回そのような事態にはならないと思いますし、ならないでくれることを祈ってはいますが。
2017/04/15 08:12
話し合いが通じない奴等とは断固戦うべき
仕方ない
2017/04/15 09:58
2017/04/15 08:42
2017/04/15 09:40
2017/04/15 10:20
2017/04/15 08:34
2017/04/15 08:50
2017/04/15 08:56
2017/04/15 07:38
2017/04/15 07:14
2017/04/15 08:41
2017/04/15 07:14
国内で被害が出た場合、想定外…では、すまされない
2017/04/15 10:44
2017/04/15 08:34
2017/04/15 07:33
「ニュース」カテゴリーの関連記事