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ぐだぐだわーくす

意識低い系目標を掲げて達成をもくろむBLOG

マストドンを知るための私的な情報蒐集

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こんにちは!DAC(id:dacs)です。

ここ最近唐突にマストドンというTwitterライクな仕組みの話題をよく見かけます。

物は試しと日本人が多いという「mstdn.jp - mstdn.jp」というインスタンスにアカウントを作ってみました。でも、どうもこの仕組みの良さというものがピンときません。Twitterっぽい仕組みを分散処理化したサーバで行うというのは、BittorrentやWinnyなどのP2P、遡ればIRCみたいな思想に基づくものなのでしょう。

でも、急にアテンションが集まってしまったためか、熱量が溢れまくっている割に結局のところこれは何がしたいのか、何のメリットがあるのかが良く分かりませんでした。自分の少ない偏った知識だけではどうも測ることが出来層が無いので、マストドンの台頭に同期して現れた目立つ書き物を手あたり次第に読んで思ったなりの寸評を書いてみることにしました。

指摘蒐集のため、書きながら公開します。

従って構成や所感は、状況に応じてガリガリゴリゴリ変えます。一旦編集終了を記載するまでは固定化出来ません。恐縮ですがその旨ご了承ください。

マストドンとは

www.itmedia.co.jp

日本でマストドンが注目を浴びる最初の切っ掛けとなった記事だろうと思います。

製作者であるRochko氏が「Mastodonは分散化したプラットフォームであり、コミュニケーションが単一の企業に独占されるリスクを避けられる」と主張しているとのこと。分散したインスタンスは現在500以上あり、それぞれにローカルな情報のセグメントを持つこと(「ローカルタイムライン」(そのインスタンスに参加するユーザーの投稿))や他の連携するインスタンスとの統合した連邦タイムラインといったユーザ観点での利用概念の説明があります。

あの象っぽいのは何?

これは今回のサービスそのものの説明ではなく、マストドンという動物の説明。Mustdonのアイコンとなっている象ライクなキャラクタは象ではなくこれのことでしょう。

マストドン - Wikipediaより引用:


マストドン英語:Mastodon、Mammut)は、ゾウ目マムート科マムート属に属する、大型の哺乳類の総称。ゾウマンモスに似ている。約4000万年前から11000年前まで生存していた。(中略)

体高は2~3メートルで、短い褐色の毛を持っていたとも言われる。1万1000年前までアメリカに生息していたアメリカマストドン(M. americanum)をはじめ、数種類の化石が発見されている。

インスタンスの個人サーバでの運用は無理

www.itmedia.co.jp

3月11日に自宅の個人サーバで開始した「mstdn.jp - mstdn.jp」インスタンスは、殺到したユーザの負荷に耐えかねてさくらのクラウドに移動することになったという記事です。

単一企業にコミュニケーションを独占されないということと併せ、負荷を分散するという観点がマストドンにはあるのだと思います。しかし、現状存在する600超のインスタンスは個々にローカルタイムラインを抱えて孤立化しているのが実態なのでしょう。特に日本語圏においてはこのインスタンスが単体で紹介され、それ以外の連邦を組むインスタンスの有無が分からない状況と思います。

つまり、事実上連邦タイムラインによる負荷分散が効かず、非力な一カ所に全く不釣り合いの膨大なアクセスが集まっている状況です。アクセス負荷自体はクラウド管理に移行すればマシになるでしょうけれど、問題はそれにとどまらないでしょう。

当面の本質的な問題

他の連邦するインスタンスが複数設置され、それに合わせてユーザがそれぞれのインスタンスに住み分けるという仕切り直しが必要です。日本語圏というザックリと大括りなインスタンスは本来目指すところではないでしょう。それは連邦の役目と思います。

勿論、「mstdn.jp - mstdn.jp」がインスタンスではなく、連邦的に機能するように内部を複数のインスタンスに分けてソフトランディングさせるという手段もあるでしょう。あえて、ソフトと書きましたが、それはいっちょ噛みで殺到しているユーザにとってのソフトであって、運営側にとっては大手術です。個人サーバでインスタンスを設置した方だけで行えることではないでしょう。

結果的に運営を組織化するか、或いは担う能力がある組織に運営移管するという流れになるのが自然に見えます。そうなると製作者が主張していた企業による独占リスクからは真逆になるのですけれど…。組織体が私企業である必要は無いので、利益を追わない管理組織を新設するなり、大学のような組織体に委ねるという手もあるでしょう。

個人が担い続けることの問題

cpplover.blogspot.com

こちらのエントリでは、個人が運営を行うことは企業が行うよりクリーンで安全であるという主張に対して「個人が邪悪になるのは制約が皆無に等しいので問題である」という反証を行っています。いちいちおっしゃる通りと首肯しながら読みました。

また、過去のP2Pの死屍累々たる歴史を振り返りながら、ソフトウェアでP2Pメッシュネットワークによる全員が平等なネットワークの構築の失敗、マストドンと通底する問題点を指摘しています。解決策の前提として物理層からのP2Pメッシュネットワークの構築を示す一方で、その実現性の厳しさについても示しています。

内容に比して非常に簡潔ですが、問題点を明確に抑えている素晴らしいエントリだと思いました。

企業としてピクシブがインスタンスを新設

一方状況は動いていて、ピクシブがインスタンスを新設したという情報もありました。
www.buzzfeed.com

「この火が消えないうちに」pixivが「マストドン」にいち早く企業として参入したわけより引用:


このサービスの可能性や魅力が正しく伝わらないまま終わってしまうのでは……。そんな焦りから、しっかりしたインフラを用意し、企業として提供できないかを会社に提案したという。

現場の声を聞いた伊藤浩樹社長も「僕らがやらない手はない、クリエイターの創作活動とコミュニケーションを支援できる場になるかもしれない」と快諾。

負荷に耐えられないだろう個人ではなく、インフラを組織体が支えなければいけないという使命感が語られています。

その一方で、既存のインフラでは共有が許されないポルノ的な表現の支援という側面もあるようで、私企業、或いは特定のユーザの利便という観点もあるようです。結果として他インスタンスから連邦を拒絶されるという事態も発生しているようです。

この観点自体は「検閲を受けない」「個別の嗜好への住み分け」という本来の設計思想に沿っているようにも思えますが、その方向性から孤立したインスタンスが多く発生したり、特定の嗜好に偏った連邦が発生する方向になっていくのかもしれません。

www.itmedia.co.jp


その解決策をPawooの運営をしているpixiv、日本以外のインスタンス、Mastodonの作者らが協議しながら模索しているところだ。

 24歳の若きMastodon作者、オイゲン・ロックさんは、次のようにトゥートしている:

 ロリコンテンツに関する報告が増えているので、reject_mediaのトグルでsilence型を使い、pawoo.netにドメインブロックを適用した。

状況は急速に変わっているようです。

キヌガサがインスタンスとして復活

Mastodon開発者とpixivのPawoo、ロリ絵対策について議論する - ITmedia NEWSより引用:


それだけではない。日本のインスタンスがいろいろなところでボコボコと立ち上がっている。今日は家入一真さんがなんと、往年のSNS「キヌガサ」をMastodonインスタンスで復活させた。

これも企業体によるインスタンスですね。