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環境教育続け100回 安曇野のからすの学校記念講座

カラスの生態について学んだ100回目の「からすの学校」=安曇野市の温泉施設で

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 自然観察会を通じて生物多様性や自然保護の重要性を楽しく学ぼう−。そんな呼び掛けで開催している県烏川渓谷緑地環境管理事務所(安曇野市堀金)の公開講座「からすの学校」が十五日、百回目の記念講座を開いた。取り上げたのは、渓谷と講座名にちなんでカラス。参加者は、身近に生息するカラスの意外な生態と魅力を学んだ。

 からすの学校が始まったのは二〇〇五年六月。信州野鳥の会や県環境保全研究所、信州大などから専門講師を招き、野鳥や草花、小動物などの自然観察を通じた環境教育を続けてきた。

 百回記念の講座テーマは「カラスほどカワイイ鳥はいない」。講師は東京大の松原始特任助教。カラスの行動と進化を研究テーマにする専門家だ。定員の倍に当たる約六十人が参加、会場を環境管理事務所から近くの温泉施設に移して講座を開いた。

 松原さんはスライドを使ってカラスの種類や生活、営巣などについてユーモアを交えて講演。日本で記録されたカラスは七種で、繁殖しているのはハシブトガラスとハシボソガラスの二種だとした。

 カラスは基本的に一夫一妻。互いに羽づくろいをしたり求愛給餌をするといい、松原さんは「幸せそうでいいですね」。

 カラスが人を襲うことには「必ず前兆がある。鳴き声が『カー、カー』から『カッカ』に変わり『ガララ』や『ガーッ』は相当に怒っている」と“初級カラス語会話”を解説。防護策として「振り向いたり、傘を担ぐなどして後頭部を守ると良い」と助言した。

 また、都市部でゴミをあさる印象が強いハシブトガラスについては「ゴミの遮断はカラスの環境収容力に大きな影響を与える」とし、ゴミ集積所のカラス避けネットの有効性を指摘した。

 (野口宏)

 

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