「昭和考古学」を訪ねて、淡路島最大の街洲本までやって来ました。
ここに、レトロなお好み焼き屋があるという情報をGET、せっかくの休みなので偵察に。
見つけました。
見るからに昭和のお好み焼き屋という感じです。
中に入ってみるのが楽しみです!
中に入ってみると、ホントに昭和の面影を残しているお店という感じです。
「味福」は家族経営の小さいお店ではありますが、昔はこんなお好み焼き屋が近所にあったな~という懐かしさ。まるで「ただいま」と言ってしまうような錯覚を感じます。
中はオール個室になっていて、他人の目を気にすることなくお好み焼きを楽しめます。
カウンターもあるにはありますが、あまり使っていないようですね。
これぞTHE 昭和!!
昔なつかしの、ダイヤル式公衆電話です。
小さい頃は、タバコ屋さんなどのお店の前によく置いてありましたね。
そして色がいいですね~~。
店の人に聞いてみたら、これまだ現役で使えるそうです。
平成生まれの若い人たちは、公衆電話は知っててもこんなダイヤル式の公衆電話のこと知ってるのかな?
部屋の中はこんな感じです。
広さはちょうど2畳なので、正直決して大きくはありません。
率直に言います。狭い(笑
でも、ここは1~2人用で奥にはもっと広い部屋があるようです。
この狭さだと、2人でお好み焼きデートにいいかもしれません。
横に座ってお好み焼きを焼いていると、二人の距離が物理的だけじゃなく、心の距離も近づいていく・・・かもしれませんよ(笑
お好み焼きの中身などは、続きをどうぞ。
「味福」のメニューです。
ここの大きな特徴は、お店の「昭和感」だけではありません。
とにかく安いんです!
今豚玉でも600円、700円出さないといけない世の中、450円は安い。
大阪でもここまで安いのは、かなり少なくなってきてますからね。
アルコール類はちょっと高めやけど、飲まなきゃいいからOK(笑
これがどれだけ安いかは、大阪じゃおなじみ「鶴橋風月」の値段と比べてみたら一目瞭然。
以下、「風月」は税抜き価格、「味福」は税込み価格です。
■豚玉
風月:820円
味福:450円
■いか玉
風月:820円
味福:400円
立地条件、人件費などの違いもあるので一概に比べるのは愚かかもしれませんが、それでも値段はほぼダブルスコア。
何故安いのか、ちょっと理由を考えてみました。
①キャベツが安い
お好み焼きが美味いかどうかは、キャベツで決まると言っても過言ではないです。
淡路島は通称「玉ねぎ島」。淡路島ときたら玉ねぎ、玉ねぎとくれば淡路島というくらい玉ねぎのイメージが強いですが、実はキャベツもけっこう生産しています。
秋になるとキャベツを栽培し、冬に収穫というサイクルのようで、収穫の頃になると道端に不良品キャベツが転がってるくらいです(笑
市場に出せない、でも野菜としては十分食える「アウトレットキャベツ」が、島の日曜市場などで格安で売っています。すぐ売り切れますが、丸ごと一玉100~150円とかウソのような値段で売ってることもあります。
正月に大阪の実家に帰った時、それをおみやげに買って帰ったことがあるのですが、値段を聞いて親が最初は信じなかったほどです。それでいて食べてみるとめちゃくちゃ甘みがあって美味い。農家の直売市おそるべし。
②シーフードが安い
もう一度上のメニューを見てみて下さい。何かに気づくはずです。そう、肉類の玉よりえび玉、イカ玉の方が安いということに。
淡路島は周囲を海に囲まれています。って当たり前ですね、島ですから。
でも、海がめちゃくちゃ近い分漁業も盛んな上に、あの鳴門の渦潮に象徴される潮の流れが早いエリアでもあります。
その分、脂の乗った魚が取れるようですね。
淡路島はアジやタイがよく釣れるようですけど、試しにググってみたらイカやエビも
けっこう取れるみたいですね。
新鮮な具材を安く仕入れられるから、シーフード系お好み焼きも安いのだろうと。
あくまで推測ですけど、まんざらハズレじゃないと思います。
それはさておき、まずは無難にすじ玉を注文してきました。
頼んで3分くらいで到着。えらい早いな!と思ったのですが、
セルフサービス。つまり「食いたきゃ自分で焼け」ということです(笑
でも、焼いてもらっている他の部屋のお客さんもいるようなので、言えば焼いてくれる模様。
お好み焼きは、自分で焼いた方が美味い。これ鉄板です。
何故か自分で焼いた方が絶対美味い。お好み焼きと共に育ち続けてン十年の大阪人が言うのだから間違いない。
何故って?それは聞かないで下さい(笑
お好み焼き道 その1
お好み焼きはできるだけ自分で焼け!
具材をかき混ぜます。
ここで美味しくできるコツがあります。
「かき混ぜる時、空気を含ませながら混ぜる」
器に沿って外側からかき混ぜると空気が入り、ふっくらとしたお好み焼きが出来ます。
そして、あまりかき混ぜすぎないことも大切。
この写真は・・・ちょっと混ぜすぎました。あかんやん。
我が実家は、この時ごま油を一滴だけ垂らします。すると味が格段に変わります。
お好み焼き道 その2
具材は空気を入れるようにかき混ぜろ!
上にすじ肉を載せます。
ここで注意すべきは、一度鉄板の上に敷いたら触らないこと!
「ちゃんと焼けてるかな~?」
とコテで覗きたくなる気分はよ~くわかりますが、そこは我慢して下さい。
適当な時間まで、熱でじっくり蒸します。
そうすると、キャベツの甘さが出てきて美味しくなります。
なので、鉄板のガスは少し弱めにしてじっくり焼くのがベストです。
言い忘れそうになりましたが、上に味の素をほんの一振りかけると、けっこう旨くなります。
お好み焼き道 その3
焼き始めたら時間が来るまで触るべからず!
鉄板の上に具材を敷いて、程よく焼けたらひっくり返します。
この時、無意識にテコでお好み焼きを押し付けることがあります。
押し付けること・・・これついやってしまうんですよね。
でも、これはNG。空気が逃げてふっくらせず、ペチャンコになってしまいます。
更に中に熱が通りきらず中がドロドロに。
ペチャンコ+ドロドロ好き派の方は、気が晴れるまで叩き潰して下さい(笑
これはパンケーキ(ホットケーキ)にも応用できます。
お好み焼き道 その4
ひっくり返しても一切触るべからず!
ソースとかつおぶし、青のりをお好みの量かけたら出来上がり~。
ソースの量がどうだとか、青のりはあまりかけない方がいいとか、うんちく垂らす言う人もいますが、「お好み焼き」なので自分の好きな量で全然結構です。
食べてみると、やっぱり美味い!!
美味しい焼き方の通りやると、キャベツの味が活きてきます。でも、これはキャベツそのものが美味いんやろなと。
450円のすじ玉ですが、女性ならこれ一枚でお腹いっぱいになると思います。
しかし、育ち盛り・・・でもない男性には、やっぱしもう一枚欲しい。
というわけで、もう一枚頼むことにしました。
とその前に、ちょっと「サイダー」でブレイクタイム。
メニューには「サイダー」って書いてたので、何が来るのかなと試しに注文してみたら、来たのはキリンレモンでした。
でも、昔ながらのこの瓶に栓抜き・・・これだけでも超昭和チック。
今は手だけでヒョイと開けられる時代、栓抜きで開ける自体なんだか懐かしい。栓抜きを見た自体、ものすごく久しぶりな気がします。
これを見た瞬間、
「どないして(栓抜き)使うんやったっけ?」
と迷ってしまったのは秘密です。
ここはビールでしょって?
初対面の人に
「めちゃお酒飲めそう」
と言われる顔の私ですが、実はほぼ下戸です。お酒飲みません。
ヘタな女子高生以上の甘党です。
お酒に誘う前に、ちゃんと「飲めるの?」と聞いて下さい(笑
えび玉がやって参りました。えびがプリプリして新鮮そうです。
お好み焼きは、文字通り「お好み」なのでこれといったルールはありません。
大阪じゃ家によって具材も焼き方も違うし、それぞれこだわりがあります。家族全員焼き方が違うなんてことは珍しくありません。
形も、別に「丸くせい」なんて誰も言ってません。
なので、今回は四角い形に焼いてみました。
これも私流のお好み焼きなのであります。
お好み焼き道 その5
形にこだわるな!
えび玉を焼いた後の写真は撮り忘れたのですが、焼きあがった後もちゃんと四角になっていました。
味は、やっぱりえびが予想以上にプリプリしていて美味いです!これで400円は安すぎです。お店的に赤字じゃないか、ちょっと心配になってきました。
いくら大人の男でも、2枚食べたらもう満腹です。これ以上食えません。
そしてお勘定。お代は980円也。
まさか、あれだけお好み焼き食べて、1000円出してお釣りが来るとは思いませんでした。
昭和の薫りと美味しいお好み焼きを、ダブルで味わうことができました。
最初は「昭和考古学」のつもりで来たのですが、ほとんどお好み焼きレポートになってしまいました(笑
それだけここが美味いということです。
昭和レトロを求める方も、美味いお好み焼きを食べたい方も、淡路島に来たら一度はおいで。
最後に、お好み焼き道の締めを書いて終わりとします。
お好み焼き道 その6
自分が美味けりゃそれでええねん!
それがお好み焼きや!
お好み焼き 味福
〒656-0025
兵庫県洲本市本町7丁目1−1
電話: 0799-22-9229定休日:日曜日
営業時間:12:00~材料がなくなるか疲れるまで(だそうです)
(※昼のみの営業)
~おまけ~
自転車で帰る途中、遠くに見える黄色い絨毯に目を奪われました。
近づいてみると一面の菜の花畑でした。
固まって咲いているので栽培しているのだと思うのですが、生え方が不規則なので自然に生えてるものにも見えます。どっちかはわかりません。
近づくと菜の花の香りがプンプンします。このにおい、花屋以外で感じたのは生まれて初めてかもしれません。
何にしても、春が本格的にやって来ました。
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