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勇者を好きになっちゃダメですか? 作者:プリン

魔王領

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魔王領に移住

「君の国に行ってみようか」とヴァルターが移動魔法を唱えた。
次の瞬間、私はヴァルターと一緒にランバルトの王都、教会前に立っていた。
出発した時に比べて荒れていた。乞食がいて…炊き出しが行われている。
教会の裏路地をまっすぐ行けば私の家のはずだった。
家が無い、正確には言えば家が燃えた跡だけがあった。
お気に入りだったガラス瓶、変形したものが残っている。
呆然として、ガラス瓶を手に取ると…「姉ちゃん?」と小さな声が聞こえた。
振り返ると幼い弟が立っていた。
弟に連れられて行った先は、父の友人の家。小さな隠し部屋に私の家族は居た。
ベッドに寝ている父と、看病をしているらしい母が驚いた顔で振り返る。
「姉ちゃんは仲間を裏切ったりしないよね。姉ちゃんの仲間だった人たちが、魔王城で姉ちゃんが仲間を裏切って逃げたと言って、報復だと言って父さんを殴って家に火をつけたんだ」と弟が私にしがみついて言った。
「ローザは禁術で自分の命を犠牲にして仲間を生き返らせた、でも仲間からすれば生き返った時にローザが居ない、爆死だから死体も無い…逃げたと思ったんだよ」とヴォルターが補足する。
ヴァルターの説明を聞いた父と母がほっとした顔をした。

ひどい、魔王城のどこに逃げるというんだろう。
それにルスランは世界樹の葉をもっていた。
回復魔法を使える人が居なくても、世界樹の葉を使えば私を生き返らせる事が出来る。
ルスランが生き返らせてくれると思っていたのに…

「ローザ、僕に何かお願いする事はあるかい?」ヴァルターが言う。
「私の家族を助けて…せめて幼い弟だけでも」
「了解した」とヴァルターが移動魔法を唱える。

次の瞬間、ヴァルターと私と父母と弟は魔王領の教会前に立っていた。
「ヴァルターさん、お手伝いした方が良いですか~」と教会前の赤い屋根の家から、
青いエプロン姿のユーリが駆けよってくるのが見えた。
某RPGに類似した世界観で書いています。

メガザル=自分が爆死する代わりに、仲間を全員生き返らせることが出来る呪文。
世界樹の葉=人を1人生き返らせることが出来る葉っぱ。
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