Nコン課題曲
facebookに一昨日投稿したものです。反響が大きく、多くのご意見を頂戴しました。
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今夜は少しばかり、辛辣なことを書きたいと思う。
やっと時間が取れて、あらためて来年度の
NHK全国学校音楽コンクール(通称Nコン)の課題曲を聴いた。
秋元康氏の作詞だということは、昨年10月の発表で知っていたが、どんな曲になるのだろうと、不安がよぎったが、その不安が的中してしまったようだ。
昨年10月の投稿はこちら
3月11日はその課題曲発表の番組があった。
録画して期待と不安、半々の気持ちで恐る恐る観てみた。
中学校の課題曲はAKB48の選抜メンバー35人が担当。
どういう選抜の仕方かはわからない。人気で選んだのだろうか?
番組の後半はそのAKBのメイキングストーリー。
指導は声楽家で指揮者の辻秀幸さんだったが、さぞかし苦労されたことだろう。
辻流の楽しい指導があったが、結局クオリティは上がらなかった。しかし、プロ根性というか、最後までやりきったことには辻さんからお褒めの言葉もあった。辻氏によれば「さすが場数を踏んできているAKBですね」と書いてあるが、AKBの歌唱力や表現力を称賛した言葉ではなく、あくまで彼女たちの頑張りに送った言葉だろう。
しかしネットニュースでは
「AKB48 Nコン合唱選抜 合唱スキルを専門家が称賛」となっている。彼女たちの合唱レヴェルを讃えているわけではないのに。
それをネットでは「称賛」に置き換えられてしまっている。
さて肝心の曲だが、タイトルが「願いごとの持ち腐れ」??
作曲はAKBに曲を提供している内山栞さんという若い女性作曲家。知らなかった。東京音大を出ているらしい。
数ある候補曲の中から選んだ、と言っているが、何人が作曲してどれほどのサンプル曲ができて、何曲から選んだのだろうか。。。。
まずタイトルの印象が暗い、せめて「本当の願い」とか「願いさがして」とか何かにしてほしかった。今回のテーマは「夢」。
でもできた曲には、夢や希望が感じられない。
争っている二人に「仲良くして」とたった一度きりの魔法を使う?それが願い?夢なのだろうか?あ、だから魔法なんか欲しくない。。。。
ひとつだけ、詩の中で共感できた部分。
「世界中が誰かのため 願えたらひとつになれる」
詩が詩だけにネガティブ感が最後まで続く。短調で歌う「しあわせ」って、どんなしあわせ?
そのまま短調が続き、最後くらい長調になるかなと思っていたら、最後まで短調。ため息をつきたくなる旋律だった。
内山さんが悪いというわけではないが、せめて作曲は本格的な合唱曲を多く作曲しているベテランに任せてほしかった。
横山潤子さんがおしゃれなピアノ伴奏と合唱編曲をしてくれてはいるが、さぞかしやりにくかったと思う。
小学校の部の課題曲の方が、数倍、難易度が高い。本格的な合唱曲だ。
次に、問題のAKB48の歌だが、やはりいつもの発声だった。
何人かはきれいな声を出しているようだが、まったくブレンドされない。全員で集まって練習したのが当日だけなのだから無理もない。音程も不安定。発音も硬く鼻濁音も配慮がない。
本当にこれが模範演奏?
模範演奏のはずがない。結局は流行歌。
渡辺麻友さんが、メイキング動画で「お手本になれるのか?恥かきそうですよね」と言っていたが、本当にその通りになった。
仕事とはいえ、AKBの選抜メンバーがちょっと可哀想に思えた。
せめてしっかりとした合唱団に歌ってもらった後に、
AKBバージョンでオプションで披露するくらいにしておけば良かった。振りでもつけて、斉唱で。。。
NHKのコンクール担当者やプロデューサーの考えは、本当にどうなってるのだろう。
視聴率稼ぎがここ数年、目に見えているが、本当にもう目を覚ましてほしい。J popのアーティストに依頼して、関心を高め、コンクール参加者を増やし、楽譜が売れて、視聴率が上がればいいという問題ではないのである。
昨年10月に投稿したが、もう一度中学校の部の課題曲を
昔のような本格的な合唱曲に戻してほしい。
教育的な見地からも、訴えたい。
Nコンにでる全国の先生方の、困惑、落胆、喪失感が手に取るようにわかる。でも先生方はその不満を誰にぶつけて良いのかわからない。それぞれの立場があって、ぶつけられないのが現状だ。
この曲を聴いて、全国の中学生合唱部が、半年間頑張って歌っていこうと、モチベーションが上がったのか、甚だ疑問である。
Nコン課題曲の動画はこちら
この原稿を書くのに、2時間も使ってしまった。。。。 追伸
AKBファンのかたは、きっと嬉しいだろうと思います。それはそれで否定しません。
ただ、コンクールという視点に立った時に、AKBの歌は模範にならないし、本来の合唱ではないということだけは、認識していただきたいと思っています。 |
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