米軍、「あらゆる爆弾の母親」をアフガンのISに投下と
米軍は13日、アフガニスタンで過激派のいわゆる「イスラム国」(IS)が使用するトンネル網に対して、9800キロ級の大規模爆風爆弾(MOAB)「GBU-43/B」を投下したと発表した。
国防総省は、東部ナンガルハル州アチン地区で現地時間の13日夕方、ISに対してMOABを使用したと発表した。
大規模爆風爆弾(Massive Ordnance Air Blast Bomb)は略称「MOAB」をもじって、「Mother of All Bombs」(あらゆる爆弾の母親)とも呼ばれ、全長9メートル以上。原爆以外で米軍が実戦使用した最大級の大型爆弾となる。
2003年に米フロリダ州の空軍基地で発射実験が行われたが、実戦で使われるのは初めて。
アフガニスタン駐留米軍のジョン・ニコルソン司令官は、現地のISは「敗退を重ね、防衛を固めるために即席爆発装置(IED)やバンカー、トンネルを使用している」と説明。
「我々の攻勢の勢いを維持するため、(トンネルなど)こうした障害物を削減するには、(MOABは)適切な武器だ」と司令官は述べた。
ドナルド・トランプ米大統領は、「またしても成功だ」と会見で述べた。
ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は、「ISISの戦闘員が移動に使うトンネルや洞窟の一帯を標的にした。トンネル網を使うことで、米軍の軍事顧問やアフガン軍を簡単に標的にできていた」と説明。市民の死亡や「攻撃に付随する損害」を避けるよう必要な対応はとったと述べた。
BBC特派員たちによると、空爆された地域のほとんどは山間部で人口は少ない。地元情報によると、爆発は非常に強力で、周辺の2つの地域でも爆音が聞こえたという。
米政府は空爆の詳細な結果を公表していないが、地元当局によると、多くのIS戦闘員が死亡。幹部のきょうだいも死亡したと言われている。
アチン地区のエスマイル・シンワリ知事はAFP通信に対して、これほど大きい爆発は見たことがなく、巨大な炎が「一帯を飲み込んだ」と話した。
アフガニスタンのハミド・カルザイ前大統領は、「核兵器を除いて最大の爆弾を米国がアフガニスタンに投下したことを、最大級に非難する」とツイートした。
BBCのジョナサン・マーカス防衛外交担当編集委員は、「トランプ政権のアフガン政策はまだ検討段階にあるが、MOABを使用したのは、ISの分派がどこに出現しようと標的として最優先して掃討するという政権の方針を、強力に示すものだ」と指摘する。
一方で、アフガニスタン空爆を発表した数時間前、国防総省はシリアで11日に行った空爆によって、米国が支援する反政府勢力、シリア民主軍(SDF)の18人を誤って死亡させたと認めた。ISの位置と誤認してSDFを空爆したという。
ISは2015年1月、アフガニスタンと周辺地域の旧名をとって「ホラサン支部」の設立を宣言。ISが正式に中東地域の外に支部を作ったのは、これが初めてだった。
しかしISが期待したほどアフガニスタンで支持を得られず、幅広い政治基盤の確立にも苦戦していると専門家たちは言う。
さらに、米軍の空からの攻撃とアフガニスタン地上軍の攻勢に押されて、支配地域と戦闘員を失い続けている。
アフガニスタン国内にいるIS戦闘員の人数については、数百人から数千人と推定にばらつきがある。米軍は、その数は2016年初頭以降、半数に減っているとみている。
(英語記事 US military drops 'mother of all bombs on IS' in Afghanistan)