千葉県我孫子市の排水路脇で、殺害されたベトナム国籍の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)の遺体が見つかった事件で、県警捜査本部は14日、リンさんの自宅近くに住む同県松戸市六実4、自称不動産賃貸業、渋谷恭正容疑者(46)を死体遺棄容疑で逮捕した。捜査関係者によると、同容疑者のDNA型が事件現場に残された遺留物と一致したという。
捜査本部によると、渋谷容疑者は調べに対し黙秘している。捜査本部は同容疑者が登校途中のリンさんを連れ去り、殺害した可能性があるとみて、詳しい動機などを調べる。
リンさんの自宅近くに住む住民によると、渋谷容疑者は被害者が通う小学校の保護者会の会長を務めていた。同容疑者宅はリンさん宅から直線距離で約300メートルにある。
逮捕容疑は3月24日午前8時ごろから26日午前6時45分ごろまでの間、我孫子市北新田の排水路の橋の下にリンさんの遺体を遺棄した疑い。
リンさんは3月24日午前8時ごろ、登校のため松戸市の自宅を出発。その後、行方不明になり、26日午前6時45分ごろ、自宅から約10キロ離れた我孫子市北新田の排水路脇で遺体で発見された。
リンさんは自宅を出る際、灰色のパーカにピンクのズボン姿だったが、発見時は衣服を身につけていなかった。司法解剖の結果、死因は窒息死とみられ、首に絞められたような痕があったほか、手首にも押さえつけられたような痕があった。
捜査本部は遺棄現場から約20キロ離れた茨城県坂東市の利根川河川敷で、リンさんのランドセルや防犯ブザー、手提げバッグなどを発見。約500メートル上流からはリンさんのものとみられる衣服数点も見つかった。
捜査関係者によると、リンさんが行方不明になった24日朝に通学路付近を走っていた車のドライブレコーダーに、リンさんに似た子供に歩いて近づく人物が映っていた。
捜査本部は映像を詳しく解析するとともに、リンさんの所持品などに付着した遺留物のDNA型鑑定などを進めていた。
リンさんはベトナム国籍の両親と弟の4人で暮らしていた。2015年12月に川崎市から松戸市に転居してきた。