「民法改正が行われる!」
1896(明治29)年の民法制定以来初!120年ぶりの大改正です!
その民法改正案が、衆院法務委員会で賛成多数にて可決しました。
「民法改正案の概要・ポイント」
民法改正案の概要・ポイントは以下となります。
①消滅時効の統一(5年に)
原則として「知った時から5年」に統一されます。
現在は、業種ごとにバラバラに消滅時効が定めらています。
たとえば、
病院の治療費は3年。
弁護士費用は2年
飲食店のツケは1年
といったように。
この未払い金の返還請求の期間(消滅時効)が、原則として「5年」で統一されます。
上記のような、いわゆる「短期消滅時効」が廃止されることになります。
②法定利率を年3%に
現在、契約時に何も利率について取り決めをしない場合は、「法定利率年5%」(固定制)が適用されるます。
改正法では、法定利率が「年3%」に引き下げて変動制になります。
③保証:公証人による意思確認が必要になるケースあり
事業用融資についてですが、中小企業が融資を受ける際に、経営と無関係な第三者の個人を保証人とする場合は、公証人による意思確認(公正証書の作成)を必要となります。
④約款:消費者に一方的に不利な条項は無効に
インターネット通販・保険契約・電気・ガスといったサービスで広く利用されているのが「約款」です。
「約款」で契約条件・取引内容を定めています。
しかし、実は、現行の民法には「約款」に関する規定がありません。
そこで、民法改正案では、企業と消費者が上記のような定型的取引をする際に使う「約款」について、契約としての拘束力が認めることにしました。
また、「約款」の内容を変更する場合、変更内容に合理性があれば、消費者から個別同意を取る必要はありません。
逆に、「約款」の内容が、消費者に一方的に不利だと認められた場合、契約・条項が無効となります。
このように、多発する購入後のトラブル対策として、今回の民法改正案で、不明確だった「約款」の取扱いについて、明確化することになりました。
⑤意思能力:無効を明記
判断能力を有しない人がした法律行為は無効であることを明記しました。
お年寄りを狙った次々販売などが増加しています。
現在の民法では「取消できる」となっています。
より強力な「無効」とすることで、犯罪対策・保護を打ち出しているようです。
⑥敷金:借主は、経年劣化の修繕費を負担する義務なし
部屋の借りる際に、貸主(大家)に支払う「敷金」の定義・返還の時期・範囲を定めます。
貸主(大家)は、賃貸借契約が終了したときに、「敷金」を返金するとされます。
借主は、経年劣化の修繕費を負担する義務はなしことも明記されます。
民法改正案には、このような身近な暮らしのトラブル対策も意図しているようです。
「民法改正案の改正スケジュールは?」
3年間の周知期間を経て、施行は、2020年を目指すようです。
個人的な主観ですが。施行が3年後ですと、その間の技術革新・社会情勢の変化で、この民法改正案の内容についての実効性・有効性には疑問も?!
民法改正は良いのですが、法律の場合、改正~施行までに時間がかかりますので、どうしても、現実社会についていけないのが、悲しい性ですね・・・
「まとめ」
・大改正なので、関係する者は要注意。
・施行は2020年の予定