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特定外来生物、繁殖防げ 県、生息範囲など調査へ

ペットが野生化し、鳥などを捕食するアライグマ

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 ペットや観賞用として海外から持ち込まれた動植物が国内の生態系を脅かす特定外来生物の広がりに歯止めをかけようと、県は二〇一七年度、特に被害が深刻な四種類に着目し、生息範囲や効率的な駆除方法を探る。

 対象の四種類は、哺乳類のアライグマと甲殻類のウチダザリガニ、いずれもキク科植物のオオハンゴンソウとオオキンケイギク。

 県や環境省によると、ペットから野生化したアライグマは雑食性で、鳥などの動物を捕食し、農作物にも深刻な被害を与えている。ウチダザリガニは体長一五センチを超える大型ザリガニ。繁殖能力が高く、在来のニホンザリガニや魚、水草への影響が懸念されている。

 オオハンゴンソウは観賞用として明治中期に国内導入され、希少な山野草が豊富に残る上高地や霧ケ峰といった自然公園に侵入している。オオキンケイギクは一九七六年、県内で初めて天竜川流域で見つかった。河川敷などで黄色の花を咲かせるが、背丈が高くて他の植物の生育を妨げながら、急速に分布を広げている。

 県は市町村などに呼び掛け、ウチダザリガニ以外の三種類の目撃情報を集め、どの地域まで生息が広がっているかを把握する。

自然公園への侵入が確認されているオオハンゴンソウ

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 オオハンゴンソウについては、効率的な除草剤の使用法など駆除方法を模索する。南信地域にすみ着いたウチダザリガニはモデルケースとして早期に取り除き、生息範囲の広がりを初期段階で防ぐことの重要性を示す。調査の成果は「外来生物対策ガイド(仮称)」にまとめる。

 県の担当者は「外来生物を放置すれば、爆発的に広がる懸念がある。これまでは指針がなく手探りだったが、具体的な対策をまとめて生息拡大を止めたい」と話している。

 (竹田弘毅)

 

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