こんにちは!岡山グルメブロガーのきーたんです。岡山に移住して早5年になります。
今回は僕が、岡山の食文化に触れて一番の好物となった「鰆」をいろいろな形で食べさせてくれる老舗の料理屋さんを紹介しようと思います。
お店の場所は岡山駅から歩いて5分ほど。高島屋の北側の通り沿いにあります。
この独特の店構えもあって地元民はほとんどドアの中に入りません。
駅前の好立地ということもあって、ネットの口コミを頼りにお客さんは県外の方が9割を占めるという変わったお店です。お店の名前は「竹浜」。
この場所で昭和35年からお店を始めて50年以上。
当時は高島屋なんていうハイカラなものはなかったようで、繊維問屋がひしめく場所だったようです。その繊維問屋が次々と移転していき、今では岡山駅前の繁華街に変貌したとのこと。
とにかくこのお店は鰆推しなんです!
ドアを開けると、そこにはカウンターとテーブル席が並んでいました。
ちなみに奥にはお座敷席もあるそうです。
決して内装がキレイなわけではないんですが、大将いわく
「うちは店はキレイにはできんが、鰆はいいもの入れてる」
といかにも職人気質な言葉にはしっかりとした自信が伝わってきますね。
ちなみに大将は毎朝車で往復40分かけて岡山の中央卸売市場まで仕入れに行っているそうです。そういう誠実なところがお店が長く続けられる要因になっているんでしょう。
メニューはシンプル・・・というか若干説明が不足している気もしますが、とりあえずお任せと伝えたら、大将がオススメの料理をいい塩梅に出してくれます。
今回はせっかくなので、岡山ならではの料理をしっかりと紹介していこうと思います!
最初に「サワラのお造り」頼んでみました。
何やら大将のご機嫌が良かったのでオマケがついてきました(笑)。
まずはおまけの「鯛」。
天然の鯛は歯ごたえがさすが!ほのかな甘みもあとからしっかりきますね!
続いてこちらが「サワラ」。
サワラの特徴といえば柔らかくて甘い肉質が特徴で、口にねっとりと旨味がまとわりつく感じがなんとも言えません〜!
そして、これは初めて食べました!
「サワラのトロ」!!
少しコリッとした食感がありつつも、かなり脂がのっていて味も濃厚!
これは刺身以外にもいろいろ面白い食べ方がありそうです!
これが僕の大好物「サワラのたたき」。
ほんのり色づいた柔らかな身が特徴的。ちなみに鰆は回遊魚なので赤身魚に分類されます。
キメの細かい肉質は、冬場のほうがしっかりと脂がのっていてより旨味が濃くなります。それをタタキにすることによって味が引き締まる感じ。
サワラのたたきの食べ方はお作法があって、こうやってタレにつけて食べる時はしっかりと薬味をのせて包んでいただきます。
タレ自体はニンニク、しょうが、ねぎがしっかり効いてます。
この箸で持った時のほどよいクタッと感からも身の柔らかさが伝わってきます!
ぼくは岡山に移住してから初めて鰆のたたきを食べた時は本当に感動したんです!
「たたき」と言えばカツオのイメージが強いんですが、カツオはどちらかというと単体で非常に個性の強い味なので薬味とも主張しあう感じがあります。
サワラの肉質・味のほうがどちらかというと包容力がある感じで、薬味とのバランスをうまく脂の旨味が調和してくれた後に、しっかりとサワラの旨味を感じさせてくれるんですよね〜。
こちらは「ママカリ」です。
最初はお土産屋さんで買って食べてた時はそこまで美味しいと感じたことがなかったんですが、ママカリの酢漬けはお店が自分のところで漬けたやる食べないと本当の美味しさは分かりませんね!
※ちなみにママカリの由来は、あまりにも美味しくて隣の家にまんま(ご飯)を借りにいってしまうことから来てるんですよ〜。
こちらのお店のママカリは大きさにびっくり!もちろん仕入れの都合にもよると思いますけど・・・
この写真だと大きさ伝わりづらいなぁ、と思ったので・・・
どうでしょう?うちの奥さんの手がものすごい小さいわけではありませんよ!
ちょっとしたイワシくらいのサイズがありますね!!
しっかり漬かっているので、多少は口に残りますが中骨まで食べれちゃいます!
続いては「骨むし」です。
「こつむし」って聞きなれない料理ですが、鯛のアラを出汁とお酒で炊いたシンプルな料理。こちらの鯛もご主人が市場で仕入れてきた瀬戸内海の天然モノを使用しているようです!
薬味の入ったポン酢でいただきます!
魚でも肉でも骨ぎわが一番旨味が濃いですし、ところどころにあるゼラチン質の部分が本当に美味しいです!
と、ムシャムシャ骨にしゃぶりついていたらご主人から「出汁もうまいから冷めないうちにしっかり飲んでね〜」と言われました(笑)。
澄んだ綺麗な色のスープです。
鯛の香りがしっかり出ていて、これをご飯にかけるだけでも相当美味しそうですね!
この出汁に豆腐もたまりませんね!
さてさて、最後の〆でありメインディッシュでもある「サワラ丼」。
大葉と海苔で埋め尽くされていてぱっと見のインパクトはそこまでではないんですが・・・
これこれ!
なんとサワラがヅケになっております!しかも身が柔らかいこともあって、ものすごく味がしっかり染み込んでいます!
ぶっちゃけこれだけで十分このお店に来る価値がありますし、実際ランチだけじゃなくて夜でもこれだけ食べに来るお客さんも大勢いるそうです。
このサワラ丼、こちらも食べ方にお作法があるんです。
ご主人からは料理を出される際に「食べ方知ってるかな?これどんぶりに半分だけ残しといてね、お茶漬けにしてあげるから。」と説明があります。
なので、こんな感じでちょうど半分残してご主人に「お茶漬けお願いします〜!」と声をかけると・・・
こんな感じでダシを入れてくださいます。
まぜまぜ・・・
サワラの身も表面が加熱されて色が変わって、食感も生のねっとりした感じからホロッとした感じに変わります!一回で二度美味しいとはまさにこのこと!!
若干お腹いっぱいになった感もありますが、それでも最後の一粒までしっかりいただきましたよ!
岡山の食の目玉は「サワラ」だけじゃないとは言え、これだけサワラを生で気軽に食べられるのは岡山以外にないというのも事実なわけでして・・・。
もし「せっかく岡山に来たんだからサワラ食べていこう!」となっても、安いお店に行ってしまうとサワラを頼んだつもりが出世魚であるサワラの前の小さなもの(サゴシといいます)を「サワラ」として出すような不親切なお店もあるようなので、どうせサワラを食べるならちゃんとしたお店で食べるべき!
サゴシの方が身が若くて食感はあるものの味の濃さはやっぱりサワラに軍配があがります。
こちらの竹浜さん岡山駅前の飲み屋激戦区でもこうして50年近く生き残るにはやっぱり理由があるわけで、雰囲気よりも本質重視の方に是非ぜひオススメのお店でございます!
紹介したお店
竹浜
住所:岡山県岡山市北区本町1-14
TEL:086-223-4729
筆者プロフィール
どうも、きーたんです。
2012年に東京都から岡山県へ移住。
本業の傍ら「1日1軒新しいお店で食べる!」をモットーにしてブログを始めたら、気づけば月間10万PV超え。ただいま訪問件数は岡山県内で1,000軒以上。
ブログ:http://okayamagourmet.com/
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