【社説】迫り来る危機に無防備状態の韓国

 北朝鮮に対する軍事攻撃はいったん開始されると戦線が拡大する可能性が非常に高い。その可能性故に北朝鮮は国際社会も最後は何もできないと考え、これまで数々の挑発行為を繰り返してきたし、中国も北朝鮮と同じような考え方を持っている。また中国は北朝鮮について「西側諸国との直接の接触を避ける緩衝地帯」としての価値があると考えている。しかしトランプ大統領という未知の人物が登場したことで、北朝鮮と中国の考え方に不確実性が生じたのが今の状況だ。

 われわれは北朝鮮による戦線拡大の脅しでは最大の人質になっているような立場にあるため、北朝鮮に対する先制攻撃には積極的に賛成し難い状況にある。しかしだからといって北朝鮮に自由に行動させるわけにもいかないため、ある意味大きなジレンマに陥っていると言えるだろう。そのため北朝鮮と中国に対しても現状では決して安心できる状況にないとの考えを持たせなければ、北朝鮮の核問題は根本的には解決されることはない。安全でなおかつ被害が全く発生しない方法ばかり考えていては、いつか本当に危険な状況に追い込まれる恐れもあるだろう。

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