浅草寺 五重塔改修 東日本大震災で落下の「宝珠」設置

浅草寺 五重塔改修 東日本大震災で落下の「宝珠」設置
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東京・浅草にある浅草寺で、大がかりな改修工事に合わせて、東日本大震災で落下した「宝珠」と呼ばれる玉を、高さ52メートルの五重塔の最上部に設置し直す作業が行われました。
浅草寺の五重塔は、6年前の東日本大震災で、地上52メートルの最上部に設置された「宝珠」が落下するなどの被害があり、去年5月から瓦のふき替えなどと併せて、大がかりな改修工事が行われています。

13日は最後の工程となる、新たに作った「宝珠」を設置し直す作業の様子が公開されました。
重さ50キロのアルミ製の「宝珠」は、クレーンを使って塔の最上部までつり上げられ、作業員たちは声を掛け合いながら、屋根に据え付けた柱に慎重に設置していました。

浅草寺の守山雄順執事長は「元の姿にようやく戻り、皆さんに気持ちよくお参りしていただけると喜んでいます。浅草の中心として地域を見守っていただきたい」と話していました。

浅草寺の五重塔は改修工事のため足場で覆われていますが、来月の大型連休のころには足場の解体も進み、徐々に新たな姿を見ることができるようになるということです。

倒壊や焼失 苦難の歴史

浅草寺によりますと、平安時代、本堂とともに建立されたとされる、浅草寺の五重塔は、震災による倒壊や火災による焼失など幾多の苦難に遭いながらも再建されてきました。

五重塔は昭和20年には東京大空襲の戦火で本堂などとともに再び焼失しました。
その後、戦後の復興とともに建物の再建が図られ、昭和48年に今の姿に再建されました。

東日本大震災では、屋根の上の「相輪」と呼ばれる飾りの部分の柱が曲がったり、最上部にある「宝珠」が落下する被害を受けました。