みなさんは、いざ親族の方が急に亡くなった際、葬儀や通夜について困ることが多々存在すると思います。
葬儀の流れや準備については、葬儀屋である程度の手配ができると思いますが、通夜の食事は、メニューや飲み物について、量や値段に悩むことがあると思います。
通夜での食事は、故人を偲ぶために実施していますが、来られた方に失礼なことがあったら、集まってもらった友人の方々や、故人に対して申し訳ないという気持ちになってしまうと思います。
通夜の食事については、事前理解し、内容を把握しておくことで、とてもうまく進めることができます。
様々な事例や経験をもとに、通夜の食事についての情報と解決策をまとめましたので、ぜひ葬儀前にご活用ください。
これできっとあなたは、通夜の食事を滞りなく終えることができ、故人に対しての弔いが上手くいくことでしょう。
-- この記事の目次 --
1.葬儀時の通夜食事でまず押さえるポイント
2.失礼のない通夜振る舞いの食事とは?
3.失礼のない火葬時の食事とは?
4.失礼のない初七日法要後の食事とは?
5.通夜食事時に失敗しない立ち振る舞い
6.イレギュラー出席者のケースとその対処法
7.葬儀において、宗教や文化の違いで気をつけること
8.まとめ
1.葬儀時の通夜食事でまず押さえるべきポイント
1-1 通夜での食事はなんのためにするの?
出典元:http://www.hanahanakaikan.com/prepare/flow/vigil.html
皆さんはお葬式に行った時、ほとんどの場合は、喪主の方からお食事が振舞われると思います。
これは一般的に「通夜振る舞い」と言われます。
なぜこのような食事の席があるのか皆さんはご存知ですか? 通夜は文字通り、「夜を通して、故人を偲び、いっしょに別れをともにする会」なのですが、夜を通す際、どうしても長い時間過ごすことになり、そのお伴として、食事が出てくることになりました。
そのため、故人のためというよりは、いっしょに別れを惜しむ方々のためとも言えます。
地域によっては、お香典とは別に料理をもってくる習わしがあったり、めざまし代わりに食事を持参する地域もあるようです。
通夜に出席した際に出てくる料理は、お寿司やお刺身、お肉等が現在の主流ですが、この習慣も、30~40年前から始まったと言われています。
それ以前では、河童巻きや稲荷ずし、天婦羅等、精進料理に近い料理が並んでいました。
葬式前の精進中であれば、当然かもしれません。
現在では、多様化が進み、様々な形式の料理が並ぶようになっており、大きく変化してきています。
今まで基本的に仏教(日本式)での通夜振る舞いについてお話しましたが、その他宗派(海外式)はどのように行われるのでしょうか? 代表的な「キリスト教」では、故人を偲んで簡単な食事会や茶和会などが開かれます。
ただし、お酒は出ません。
日本式とは違い、故人を偲ぶ文化やお酒が出ない点等、やはり内容が全然違います。
日本の文化と同じと考えて出席するといろいろな違いが出るため、注意が必要です。
1-2 通夜での食事で主催者側が気をつけることは?
出典元:http://www.sogi-custom.com/area/kanagawa.html
通夜振る舞いについて、背景等を理解することができたと思いますが、ここからは実際に式を催す側の視点に立ってお話したいと思います。
もし急に近親者で不慮事態が発生した場合、通夜振る舞いについて、どのような準備をしておくべきでしょうか?
① どのような食事を用意するべきか?
現在では、精進料理のようなものを出さなければならないという文化は特になく、魚、肉含めて様々な種類の料理を出せることが一般的です。予算としては、2,000円から4,000円が相場になりますので、出席される方の身分や年齢等も考慮した上で決定するのが良いです。
出されるメニューについては、一般的に大きく2つに分かれます。
・オードブル
出典元:http://www.hatukaritei.co.jp/yasuragi.html
一般的には、お寿司のオードブルやサンドイッチのオードブルとなりますが、その他にも、天婦羅やから揚げ等が入ったオードブルを出すこともできます。
また、最近では、中華風オードブルや、洋風オードブルも存在します。
斎場によって頼める店舗が決まってくると思いますので、選択肢の中から選ぶのが最適です。
注意点としては、故人の友人で既に食べられないものやアレルギー食品がわかっていれば、事前にメニューから除外する等の気遣いは必要かもしれません。
・お茶と茶菓子
出典元:http://takahashikiyomi.com/manner/cat18/
通夜振る舞いの席であまり出されることがないメニューですが、通夜振る舞いを親族のみで実施する地域においては、近所の方が参列した際に振舞われるケースがあります。
メニューとしては、お饅頭が一般的ですが、中には茶菓子のオードブルが出てくることもあります。
あまり住んだことのない地域で通夜振る舞いを実施する際は、地域の状況や、斎場の方と相談した上で決定するのが一番良いです。
② 出席者への気遣いに関する注意点
通夜振る舞いは、基本的に列席者へお声掛けをすることで、余程の事がない限り出席するケースが多いです。出席された際は、1人1人の席を回り、挨拶と感謝の言葉を掛けていくことが、主催者の良い立ち振る舞いです。
お酒をよく飲まれる方は、お酒の力でついつい飲みすぎてしまい、同じ方とずっと喋ってしまうことがあります。
また酔っ払い過ぎてしまい、お開き時の挨拶でうまくしゃべれないことにもなってしまいます。
喪主として、飲みすぎないことが最も注意すべき注意点かもしれません。
また、あまり無理をさせず、常に帰りやすい雰囲気を演出することも主催者側のマナーの一つとも言えます。
1-3 シチュエーションによって変わる葬儀の食事
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仏式で行われる葬儀で食事をする機会は、主に3回あります。
ここでは、その種類と、通夜での食事との違いについて解説していきます。
1-3-1 通夜振る舞い
通夜振る舞いは、現在多くのお葬式で行われている行為で、一般的な方法です。行われるタイミングとしては、通夜での焼香後に行われます。
開始時は、喪主からの挨拶から始り、約1~2時間程度でお開きとなるケースがほとんどです。
出席人数については、地域によって異なりますが、出席人数の約6~7割の方は出席します。
喪主の方は、挨拶後乾杯をすることとなりますが、行う際は、「献杯(けんぱい)」というのがお作法です。
行う際も、杯を高く上げることなく、控え目に行い、杯の打ち合いは行わないよう注意してください。
1-3-2 火葬時の食事
告別式、葬儀終了後、火葬が行われ、その際に出されるのが、「火葬時の食事」です。地域によってはこの時間を利用し、「精進落とし」の料理を食べる風習もありますが、ここでは、火葬をしている間に出される料理についてお話します。
昔は、火葬を行う際、約4時間程度かかる場合もあったみたいですが、現在では火葬設備も進歩し、1~2時間程度で終了します。
本食事は、時間帯が重要になり、昼間を挟む際は、お寿司などのごはんを出す必要がありますし、それ以外の時間であれば、茶菓子や軽食を出す必要があります。
1-3-3 初七日法要後の食事
まず「初七日法要」という言葉があまり聞きなれないと思いますが、実際にどういった意味があるのでしょうか? 仏教の世界では、故人が極楽浄土へ行けるよう、七日ごとに法要を行う習慣があります。その最初の七日目が特別な意味を持つため、「初七日法要」があります。
最終的に四十九日を迎えるまで法要を行い、その後正式にあの世に旅立つということになります。
残された人たちは、四十九日を迎えるまで、肉や魚を断ち、野菜中心の生活を行うという習慣がありました。
せめてその期間だけでも生き物を殺さないで生活しようという考え方から来た風習だそうです。
そして、この風習から来た料理が「精進料理」です。
初七日法要から四十九日法要にかけて順々に元の食事生活に戻していくということになります。
現在では、その風習も薄れてきており、初七日法要はほとんどが葬式といっしょに済ませてしまうというのが一般的です。
また食事のメニューについても、風習事態が薄れてきているため、精進料理を出すのではなく、お寿司やオードブルを出すことが一般的になっています。
2.失礼のない通夜振る舞いの食事とは?
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2-1 どのようなメニューを提供すべきか?
通夜振る舞いでの食事について、どのような料理を提供すべきか、多くの方が困られると思います。基本的には、出席される方の顔ぶれを考えた上で、メニューを考えることが良いです。
以前は、葬儀の当日に肉や魚を食べる事はありませんでしたが、現在においては、特に細かいしきたりはありません。
肉や魚をお出ししてもかまいません。
よく出されるのが、お寿司や揚げ物(から揚げやエビフライ)が主な料理となります。
小さいお子さんが見られるのであれば、ポテトフライやハンバーグなどといったメニューを用意するのも良いかもしれません。
また出される形式もオードブルタイプが一般的で、大皿を少しずつ分けて食べる方法が一般的です。
お寿司やお刺身といったメニューと揚げ物などが入ったメニューの2つを用意しておくと、柔軟性もあり良いと思います。
飲み物については、お酒とジュース類を用意しておくことをお勧めします。
お酒の種類は主に日本酒とビールでよいと思います。
欧米では、葬式の際にお酒を飲むことはしません。
それはお酒を飲むときは楽しい時だとされているからです。
日本では、昔からお酒を飲む文化が定着しています。
諸説はいろいろとありますが、お酒(特に日本酒)は清めの効果を持っており、お酒を飲むことで、故人を清め、極楽浄土へ旅立ってほしいという思いも込められています。
そのため、故人を思う上でも、お酒を欠かさずお出ししてください。
2-2 人数をどのように設定して量を決めるか?
メニューが決まったら、次にどれくらいの量を頼むのか悩むところです。一般的なお通夜では、参列された人が全員来ることはあまりありません。
そのため、参列者の7割程度の量を用意しておくとよいと言われています。
例として、親族10名、一般参列者30名を想定します。
親族は通夜終了後ゆっくり会食するケースが多いため、人数からは除外します。
一般参列者のうち、7割の27名が通夜振る舞いに立ち寄るものとします。
一般参列者は一人分ずつしっかりと食べるわけではないため、27名の7割分の数量、約19人分(27名×70%≒18.9名)を用意すればちょうど良い数量となります。
もし、親族の方も同席した上で通夜振る舞いを実施する際は、親族分の人数もカウントした上で計算をすると良いと思います。
2-3 値段はどのくらいに設定すべきか?
メニュー、量が決まったら、最後に値段の設定です。通夜振る舞いにて出される食事の相場としては、約2,000円~3,000円が相場と言われています。
ただし、故人の親類の方が企業の社長であったりする場合、あまり値段の安い料理を出すわけにもいかないと思います。
そうしたときは、少し単価を上げることをおすすめします。
また逆に、お子さんが多いことが想定されたときは、サンドイッチ等を出すことで、単価を下げることも可能なので、検討してみてください。
3.失礼のない火葬時の食事とは?
出典元:http://satousousai.com/knowledge/sougi/tejyun/syuukotu.html
3-1 どのようなメニューを提供すべきか?
さきほどのパートでもお話しましたが、ここでは実施される時間が大変重要になってきます。昼食の時間をはさむのであれば、お弁当を用意するのが良いと思いますが、昼食後での火葬であれば、それほど量はいらないため、軽食(おにぎりやサンドイッチ)や茶菓子等を用意することをおすすめします。
お弁当の場合は、あまり肉や魚を使った料理を出さないことをおすすめします。
一部の地域では、「精進落とし」としての意味合いを持った食事となり、精進料理に近いかたちの料理が出されます。
そのため中身としては、煮物や野菜てんぷら等が出されるケースが多いです。
軽食については、先ほどお話したとおり、おにぎりやサンドイッチを用意しておくことで問題ないです。
茶菓子については、ほとんどの火葬場では市販されているお菓子がならべられることが多いため、そこまで高いお菓子を用意しなくてもよいでしょう。
3-2 人数をどのように設定して量を決めるか?
お弁当を用意する場合は、列席者分用意することが良いです。中には食べられない方もいらっしゃると思いますが、人数分用意していないことも失礼にあたるため、必ず人数分用意しておいてください。
軽食を用意する場合は、通夜振る舞いでお話したときと同様と考え、列席者の7割分用意することで問題ないです。
また茶菓子についても同様です。
3-3 値段はどのくらいに設定すべきか?
お弁当を出す場合、相場としては、1,000円~3,000円となっています。列席者の顔触れも加味した上で値段を決定すると良いでしょう。
軽食や茶菓子については、市販されているもので問題ありません。
4.失礼のない初七日法要後の食事とは?
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4-1 どのようなメニューを提供すべきか?
昔からの慣例を受け継ぎ、「精進料理」を出す場合には、「肉」、「魚」、「牛乳」、「卵」を使用したメニューは出さないようにしてください。さらに煮物や汁物を作る際に使用するダシについても、「カツオ節」や「鯖節」を使用しないメニューを出す必要があります。
ただ、あくまでも昔の慣例に沿ったメニューであり、先ほども触れましたが、現在ではその風習も薄れてきていますので、そこまでこだわらないということであれば、会席料理が一般的なメニューになります。
また場所によっては、宅配弁当を出すケースもあります。
通夜振る舞いのときのように、オードブル形式で、皆で取って食べる形式ではないので、その点は注意しましょう。
4-2 人数をどのように設定して量を決めるか?
人数設定については、基本的に出席者分用意することが良いでしょう。また初七日法要の際は、僧侶の方も同席されるため、必ず僧侶の方をカウントした上で量を設定しましょう。
4-3 値段はどのくらいに設定すべきか?
会席料理であれば、3,000円~5,000円となり、宅配弁当を利用した際もほぼ同様の価格帯となります。近年であれば、ホテルで初七日法要を実施する場合もあり、その際は、8,000円~10,000円になります。
5.通夜食事時に失敗しない立ち振る舞い
出典元:http://sougi.bestnet.ne.jp/obihiro-honsha/flow.html
5-1 挨拶
ほぼすべての通夜振る舞いの際には、会食が設けられることが多く、その開始時に行われる挨拶を「献杯」といいます。献杯には杯を故人に捧げて敬意を表す意味があり、 代表者の挨拶の後に杯を交わします。
場合によっては、出席者の方にお願いすることもありますが、ほとんどの場合は、喪主の方が実施します。
故人を偲ぶ上でも、心のこもった献杯の挨拶ができるようにしておきたいものですよね。
ここでは、献杯の挨拶を述べるうえで注意するべきポイントや、例文を紹介します。
挨拶時の3つの注意点
注意1.挨拶は長くなりすぎないようにする。本挨拶は食前の挨拶であり、手短に1分程度で終わらせるようにしましょう。
挨拶をする人によっては、故人の思い出が頭をめぐり、長い時間話をする人もいますが、思い出話は食事のときに行うようにしましょう。
注意2.乾杯との違いに注意
乾杯は喜ばしいときに行われるもので、特徴としては、杯を高く掲げ鳴らす、大きい声で発声する、飲み終えた後は拍手をするといった慣例のようなものがありますが、献杯の場合には行いません。
杯は高く上げることなく、唱和も静かに行い、もちろん拍手はしないよう注意してください。
注意3.故人を偲ぶための挨拶だということを意識する
献杯の挨拶の大前提としては、故人を偲ぶために実施します。
食事を開始する前の挨拶ではありません。
そのため、挨拶を行う際は、故人を偲ぶ言葉やお悔やみの言葉を必ず入れていくようにしましょう。
挨拶の事例
例1.親族が挨拶を行う場合「故人の弟でございます。
本日はお忙しい中、兄○○のためにお集まりいただきましてありがとうございます。
おかげさまで、通夜も無事に終えることができました。
お時間の許す限り、みなさまと兄の思い出を語り合いたいと思います。
それでは、献杯のご唱和お願いします。
献杯。」
例2.喪主本人が挨拶を行う場合
「本日はお忙しい中、わざわざお越しいただきまして、ありがとうございました。
父〇〇も皆さまのお顔を拝見でき、さぞかし喜んでいることと存じます。
この席では、父が生前好きだったお酒を用意させていただきました。
お酒を味わいながら、父との思い出話をお聞かせ頂き、短い時間ですがお付き合い頂ければと思います。
それでは、まずは献杯させていただきます。
献杯。」
5-2 お酒の注ぎ方や立ち振る舞い
通夜振る舞いが始まった後、喪主の方は大変忙しくなります。地域によって、多少異なりますが、喪主は参加していただいた参列者の方の席を挨拶して回る必要があるからです。
参列者の席を回る際は、手持ち無沙汰にならないよう、ビール瓶やとっくりなどを持ちながら回ると良いでしょう。
また、通夜に間に合わなかった方が焼香しに来て下さる場合もありますので、そちらの方に気を配る必要もあります。
喪主の方は忙しく動き回る必要があるため、世話役の方を付けるとか、ほかの遺族の方に他の用事をお願いするとよいでしょう。
5-3 お開きの時の注意
通夜振る舞いにおいては、一般的に1時間ぐらいを目途にしてお開きにした方がよいかと思います。お酒が入ってしまうと時間がたつのを忘れてしまう人も中にはいらっしゃいますので、喪主か世話役の方がお開きの挨拶をするようにしましょう。
仕事などによって翌日朝早く起きないといけない人もいらっしゃいますし、あまり遅いと迷惑をかけてしまう場合もあります。
もしお開き時、お料理が大量に余った場合は、お持ち帰りできるよう、プラスチックのパックを用意しておくと良いと思います。
喪主側にしても、列席者側としても大変喜ばれるでしょう。
挨拶については、時間を見計らって行うようにしましょう。
挨拶のポイントは、通夜振る舞いに参加していただいたお礼、通夜を無事に終えることが出来た報告、明日の告別式の日程のお知らせを入れながら、なるべく手短に終わらせるようにしましょう。
挨拶例を2つほど載せていますので、ご参考にしてください。
閉会挨拶の事例
1.弔問に対するお礼と葬儀告別式のご案内皆様、本日は誠にありがとうございました。
おかげをもちまして、滞りなく通夜を終了させていただくことができました。
お名残惜しくはございますが、お忙しい方もいらっしゃいますことでしょうから、あまり長くお引き留めしては申し訳ございません。
勝手ではございますが、本日はこの辺で終了させていただきたいと存じます。
なお、明日の告別式は〇〇時から行います。
何卒宜しくお願い申し上げます。
2.世話役代表からのご挨拶
本日は突然のことにもかかわらず、〇〇の通夜にご弔問くださいまして、誠にありがとうございました。
皆様の温かいお志に、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
夜も更けてまいりました。
明日に差し支えがございましては〇〇に叱られてしまいます。
本日はこれで終了とさせていただきたく存じます。
お帰りの際はどうぞお気をつけくださいませ。
本日はありがとうございました。
5-4 僧侶が同席するケース
通夜振る舞いの席において、地域によっては同席する場合があります。僧侶に対して失礼にならないよう、注意が必要です。
僧侶が同席する際の一例を紹介しますので、ご参考にしてください。
お通夜終了後、僧侶が通夜振る舞いに同席する際は、まず控え室に案内し、着替えを済ませてもらいます。
ほかの列席者を案内している間、喪主は、僧侶の控え室へ茶菓子を運ぶと同時にお礼の挨拶を述べます。
控え室にて、翌日の時間を確認した後、通夜振る舞いの席に案内します。
通夜振る舞いをしない場合や、僧侶の都合で出席できない場合は、お布施以外に御車料、御膳料として別にお金を包みます。
通夜振る舞いで僧侶の座席位置は家族と同席でかまいせんが、最上席に着席してもらうのがマナーです。
その後会食を家族や列席者と行った後、退席となります。
僧侶の方が、遠慮をされて早めに退席される場合は、引き留めることなく、退席いただくのが自然の流れとなります。
僧侶が同席される場合は、極力を僧侶の動きに合わせるのが良いと思います。
6.イレギュラー出席者のケースとその対処法
出典元:https://you-know-m.com/tuya7-2720
6-1 出席できないケース
お通夜に出席された方で、遠方から来られた方や、用事がある方は、通夜振る舞いに出席できない場合があります。その場合は、基本的に無理に引き止めることなく、お帰りいただくことが無難です。
お帰りいただく際、列席者によっては、退室されるまで見送ることができれば大変良いです。
6-2 通夜の席で盛り上がってしまうケース
通夜振る舞いの席では、お酒も入り盛り上がってしまうケースがしばしばあります。節度のある盛り上がり方であれば問題ないですが、ビール瓶を何十本も空けてしまうほど飲んでしまうとあまりマナーがある通夜振る舞いとは言い難いです。
もしそうなってしまった場合は、少し早めにお開きにするなどの対処を行った方が良いかもしれません。
故人がお酒が好きで、知人、友人の方も大酒飲みの方であれば故人に対してお悔やみになるかもしれませんが、、、
6-3 年配者が多いケース
葬儀が行われる際、ある統計では、死者の8割が高齢者となっています。そうなると、必然的に列席者も高齢者となる場合が多いです。
高齢者の列席者が多い場合は、メニューについても油分の多いものは出さず、お寿司やお刺身などにしておきましょう。
また通夜振る舞いの時間についても、あまり長くなることがないよう注意し、気持ち少し早めにお開きとなるようにしましょう。
7.葬儀において、宗教や文化の違いで気をつけること
出典元:http://gigazine.net/news/20110414_1821_lad_accused_of_murder_finally_rests_in_peace/
7-1 キリスト教での通夜食事はあるの?
日本以外で実施されるキリスト教のお葬式は、基本的に教会で実施され、中には、自宅や斎場を利用する場合もあります。また日本で実施するような通夜も存在しません。
しかし、日本で実施されるキリスト教の葬儀では、日本の風習に合わせるという意味で、元来行われていなかった通夜を行ったりしています。
キリスト教では、「カトリック」、「プロテスタント」と宗派あり、カトリックの葬式では、故人の罪を神に詫びて許しを請い、永遠の命を得られるように祈ります。
聖書朗読や神父の説教を行う「言葉の典礼」、パンやブドウ酒を祭壇に奉納する「感謝の典礼」からなるミサが中心となります。
一方、プロテスタントでは葬儀は神に感謝し、遺族を慰める為に行われ、故人ではなく神に捧げる祈りが中心となります。
聖書の朗読、讃美歌斉唱、牧師の説教などが行われます。
どちらも、告別式では献花を行います。
本題ですが、キリスト教の葬儀では日本の通夜振る舞いのようなお酒を飲む機会は存在しません。
しかし、仏式葬儀とはまったく違う意味での「茶話会(さわかい)」というものがあります。
日本のように天ぷらやお寿司といった豪華な食事ではなく、お菓子とコーヒー、紅茶が振る舞われ、神父や牧師、親族とともに、故人について語り合うという時間があります。
時間についても、約1時間程度で終了となるケースがほとんどです。
7-2 気をつけておきたい宗派
イスラム教 イスラム教のお葬式は近所にある「モスク」という場所で行われます。お葬式事態は通常数日間行われますが、合同礼拝を行うのは初日のみです。
またイスラム教では、火葬は厳禁とされています。
死者は必ず復活すると信じられているためです。
そのため、死者は洗体され、土葬というのが一般的です。
日本でイスラム教の葬儀をする場合はモスクが多くないので、場合によっては近くの斎場で実施することもあり、また、数日間も葬式を行わないこともあります。
イスラム教は、祖霊を祀るという感覚が基本的ないため、四十九日等の行事はなく、またルールも存在しません。
食事についてもルールなどは存在しないため、火葬ではなく、土葬という点のみ注意すれば良いかと思います。
ヒンドゥー教 ヒンドゥー教は、「輪廻」の概念があり、死者は必ず生まれ変わるという考え方になっています。
そのため、お墓を作るという行為が一切ありません。
死者は、焼かれて、聖なるガンジス川に水葬するというのが一般的なお葬式形態です。
食事についても、やはり日本とは違い、葬儀や火葬後すぐに食事をするということは行いませんが、通夜振る舞いに似た行為は実施します。
親戚や友人については、葬儀後、4日間、カースト成員は12日目と13日目にそれぞれ食事が振舞われます。
7-3 もしパートナー(配偶者)が外国人の場合に気をつけることは?
あなたのパートナーがもし不慮の死を遂げてしまった場合、どのようなお葬式をすべきでしょうか? ご家族の意向によるところが大きいと思いますが、もし日本で実施できるのであれば、比較的日本式の葬式を実施することが良いと思います。食事については、宗教的な違いもあるため、パートナーの宗教にしたがい、メニューを考えるのが最善の方法です。
8.まとめ
出典元:http://ihnow.work/archives/5248.html
通夜振る舞いは、通夜が終わった後、参列者に料理が振舞われることを言います。
飲食を通して故人を偲びながら思い出を語ることで故人への供養をするとともに、列席者へのお礼のしるしとして会食の席が設けられます。
皆さんは、この先の人生において、どれほどの通夜食事を経験されるかはわかりませんが、ほとんどの人は10回を超えない程度経験すると思います。
今回、本記事を読んだことで、通夜振る舞いのメニューの決め方や、必要な立ち振る舞いを知ることができました。
そして、通夜振る舞い以外の葬儀の食事との違いも認識されたと思います。
喪主として、どのような準備をするべきかを理解して頂けたのではないかと思います。
急な葬儀となってしまった場合でも、慌てず、葬儀屋と相談を行い、きちんとした準備を行うことで、通夜振る舞いを含めたお葬式は必ず成功します。
故人、列席者ともに失礼のない通夜振る舞いを実施していきましょう。