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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


松本元博士(理研)の見解 [2013年07月02日(Tue)]
◎脳科学者・松本元博士(理研)の見解、
 教育を生かすベースです。

・脳はアレゴリズム(情報処理)を自動獲得するシステムで
 ある。遺伝は、長い進化の時間、35億年の中で獲得され
 たアレゴリズム装置である。脳と遺伝の二重構造である。
・脳が獲得できるアレゴリズムの限界は遺伝的に規定されて
 いる。
・脳型コンピュータの研究開発は、アレゴリズム自動獲得が
 最終目的である。
・生物の存続は、環境との適合性が試され、合格したDNAの
 順序配列が生き残る。効率は悪いが、一度獲得したものは
 保存され階層構造化されるので、アレゴリズムが蓄積され
 る仕組みになっている。
・原始的な生物からヒトになるまでの全ての遺伝情報がDNA
 の中に保存されている。ヒトは動物遺伝子は持つが、動物
 はヒト遺伝子を持たない。
・人は動物の真似ができるが、動物は人の真似はできない。
・「人は触れるものに似る」が遺伝情報にないものは出ない。
・何事も「合脳的」でなければ、成功しない。混乱を生むだ
 けである。
・シナプスメモリの量が閾値を超えれば伝達効率は高まり、
 達しなければ低下する。これが学習の基盤である。効き目
 がないことはダメ、ただし効き目がなくとも教えておく。
 脳に入った情報は消えることがない。想起できないだけ。
 いずれ生きてくる。
・脳はそれまでの体験や学習の組み合わせによって、あらか
 じめ答えを用意していて、新たな入力情報に応じて答えが
 検索され出力が得られる。
・仮説・実験・検証、第一次感想・全時の想起などは実践の
 成果である。
・メモリは消去不能、答えは分かっている。出ないだけであ
 る。
・ある状況の中で起こったことは、似た状況の中で復元する。
・ワーキングメモリが日常使われ、潜在記憶は隠れている。
・遺伝は長年の経験の積み重ねが文化・伝統のように血肉化
 されたもの。(習慣は第二の天性である)無意識のなかで
 噴出してくる。努力なしにできることは遺伝である。脳は
 日々の適合・対処によって変容してくる。
・シナプス・ニューロンは日々が勝負、瞬時・瞬時の判断行
 動が決定する。習い性になれば遺伝子に繰り込まれる。
・脳は「価値と認知」の二重構造によって情報の選択を行っ
 ている。
・まず、仕事に一歩踏み出すこと、それによって、脳がその
 方向に向け焦点的に注意し、活性化する。いくらグズグズ
 していても脳は空回りするだけで意味はない。竹馬方式で
 ある。じっと留まることはできない。
・入力情報の意味を即座に判断し、そのための認知情報処理
 をおこなう。
・出力を生じさせない弱い刺激であっても繰り返し脳に入力
 されると学習効果が生じる。
・生後9日目の赤ちゃんでも快・不快の情報は備わっている。
・脳は「できる」と確信すれば「できる」方向に向かって脳
 の活性を集中して、できると確信することを実現するよう
 に働く。
・脳にとって「確信」こそ「実現」の最も重要な要素である。
・光計測用カメラは通産省が5年半の苦闘の末完成した。
 0.6ミリ秒ごとに脳の16384ヵ所から10マイクロメ
 ートルの空間分解能力で実時間計測できるようになった。
・ニューロンは(樹状突起)1万〜10万の入力で(軸索)
 ひとつの出力をする。1万以下だと出力しない。 
・ニューロン自体が分化したコンピュータである。人間の脳
 は1000億のコンピュータからなる巨大な情報システム
 である。
・細胞の重さは10億分の一gほどである。1ミリの50万
 分の一のDNAを切断するのも酵素である。
・遺伝病というのは酵素の欠損・異常である。
・ゲノムは可能性・ポテンシャルであって何と出会うかによ
 って何ができるかが決まる。
・場に応じて遺伝子の再編成が起こる。
・自己組織系→自己複製系→自己創出系へと進む。
・人間の心は、ニューロン・シナプスと神経伝達物質によっ
 て微妙に形作られる。
・持って生まれた遺伝子を伸ばしていくことが教育である。
・自然科学は開放系の科学であり、脳は当然開放系である。
・脳科学は人と自然、社会の不調和を解消する共通の土俵で
 ある。
・脳は、入力によって活性化され、出力によって学習効果を
 生む。
・報酬系は35%、罰系は5%
・Rループができると比重が上がる。遠心分離機を使い、1
 分間3万5千回転で2日間回すと一立方センチ当たり0・
 02gの差まで分離できる。
・スクリーニングによって6,000分の38まで選別する。
・脳を研究すればするほど、学校での教育より0歳から3歳
 までが大事とわかる。
・PQは判断・計画・割り振り、海馬は短期記憶、側頭葉の大
 脳皮質が長期記憶の蔵である。電気の波が皮質に移動し長
 期記憶となる。下側頭回は形の回路です。
・運動ネズミ:(4w運動後検査)
する(27.4%)VS しない(2.2%)
・ジョッキング(12w運動後検査)
する(100点)VS しない(70点)

◎脳科学と教育の架橋
・押し付けは×、授業の仮説・実験・検証・修正仮説のサイ
 クルを基本にする
・大事なことはシンプルである。生活時間のコントロール、
 スキンシップ、コミュニケーション、定時に食事し定時に
 寝かせる。毎日の読み聞かせなど
・繰り返しが基礎基本を身に着けるのに大切である。2学年
 前の問題から入るのがよい。5年は3年の問題ならスラス
 ラできるし、4年・5年とスムースに進めることができる。
・習熟なければ実力なし。砂上の楼閣になってしまう。
・こどもは先生を見ているのです。先生を知っているのです。
 公正であるか。誠実であるか。愛があるか。自分たちを大
 事にしているか。生徒を誤魔化すことはできません。
・もしも、困ったことが起こっても先生は公正に、愛を持っ
 て、誠実に対処してくれるものと思っています。それが安
 心と信頼の元です。裏切ってはいけません。
・「学校力」と「教師力」で子どもの「人間力」は育つので
 す。基礎学力も迷惑をかけない力も切磋琢磨する力も、ま
 た意欲も忍耐力も育まれるのです。学ぶ意欲・学習習慣・
 規範意識・体力・読解力など大丈夫でしょうか。
・「人間力」の基盤は家庭です。
  家庭では
  @「早寝・早起き・朝ごはん」 A運動習慣 
  B 食育     C性教育 
  学校では
  @ 社会の形成者としての自覚 A 人間性・感性 
  B 体力  C 国語力  D 理数教育 E 外国語など 
・教えて考えさせるのです。教えないで「考えろ!」はダメ
 です。ヒントで思考を回転させて下さい。
・「よく学び、よく遊び、心身ともに健やかな子ども」が変
 わらざる教育の目標です。小学校から「高校中退しない子
 ども」「社会の中で生きてゆく力を持った子ども」をイメ
 ージしながら鍛えることが大事です。中退する子は我慢・
 辛抱・努力が育っていません。
・「教育は人なり」です。
 よい教師は
  @ 教職に対する強い情熱 
  A 専門家としての確かな力量(授業力)
  B 総合的な人間力を持っています。
 授業力の構成要素は、
  @ 使命感(長期的エネルギー)・熱意(短期的エネルギ
   ー)・感性(センサー) 
  A 児童・生徒理解 B 統率力 C 指導技術 D 教材解
    釈・教材開発 E「指導・評価の計画」の作成と改善
                  (東京都教師道場)
 *「教育は愛 愛こそ教育」これが全てのすべてです。
・記憶力アップの奥義ー池谷裕二ー 
  @ 間隔をあける。一日3時間よりも1時間ずつ3日がよい。
  A 覚えたらすぐ寝る。レム睡眠(夢見る睡眠)が記憶を
   定着させます。いろいろやる
   と記憶の混同が起こります。
  B 忘れかけた頃「思い出し訓練」をやる。
  C 2つのものを関連づけて覚える。雑音や丸暗記はダメ、
   すぐ忘れる。
・頭の回転アップ術
  @ ワーキングメモリを活用する。
   料理しながら食卓の準備、散歩しながら思索、掃除し
   ながら歌をつくる・俳句を作る、ラジオを聴きながら
   メモをとる。
  A グリーン効果を生かす。2時間過ぎが分岐点 緑の効
   果が表れる。
・名門中学に進学する子どもたち
 @ まじめで素直、目的意識が強い。
 A 自立心が強く、なんにでも興味を持ち自分から学ぼうと
  している。
 B 親が自然体 
 C 居間や食堂で、親の傍らで勉強している。
 D 親とコミュニケーションが取れる。
 E 南向きで日当たりのよい部屋を活用する。
・子どもが学力を伸ばす6か条
 @ 家庭の中に会話が沢山ある。
 A 自然体験・社会体験をする。 
 B 家の手伝いをする。
 C 子どもを急がせない。
 D 好きで打ち込んでいるとき、邪魔しない。
 E 友達づきあいをさせる。
・元気な脳の作り方ー森昭雄ー
 みんなの脳は疲れている
  ・朝ごはんを食べない。
  ・寝るのが遅い。
  ・いつもイライラしている。
  ・余裕がない。
  ・すぐにゲームやパソコンとかゲームをする。
  ・ダラダラとインターネットをする。
・ファストフードやスナック菓子ばかり食べる。
 運動が特に大事です。座学より体験です。
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