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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


所沢高校定時制講演レジメ [2013年03月11日(Mon)]
所沢高校定時制講演レジメ

        脳科学と人権
    − 私の歩み・教育・脳科学ー
             脳科学教育研究所 桑原清四郎
      
1 はじめに(人権教育 それは・・・)
 ・徹底的に一人一人を大事にすること。愛せ!可愛がれ!
 ・差別しない。させない。許さない。ならぬことはならぬ!
 ・社会正義の実現、盗むな!ウソつくな!誤魔化すな!責任
  を取れ!

2 私の歩み
 ・子どもの不幸に泣き続けてきた。
  ―我は赤子 真理を求めて 泣く赤子 
         あんあんあんあん 泣く赤子―
 ・毎日八海山を見て育つ。山はウソをつかない。
 ・雪は真っ白、心も真っ白。汚いことや卑怯なことは大嫌い
  であった。
 ・山は自分の力で登る。だれの力も頼らない・頼れない。
 ・中学3年父が急死。人生が暗転、母親に苦労をかけられな
  い。さあどうする!
 ・2年遅れて定時制高校に入学、昼間は川口の工場で旋盤を
  回す。
 ・夜は定時制、全国から集まった仲間たち。貧しかったが楽
  しかった。
 ・休日は休日で楽しいことを見つけ出した。狭山までサイク
  リングしたことも。
 ・9時授業終了、帰りの道もお互いに助け合いながら帰った。
  社会の不合理と矛盾・貧困に悩む。「本物追求」を決意し
  た。
 ・定時制時代:分ったこと・伝えたいこと。・・・参考1
 ・教職40年、67歳になった今分ったこと・伝えたいこと。
                      ・・・参考2
3 脳・教育・人権
 ・生きる目的は幸せ!・・・参考3
 ・キーワードは「愛」 愛されて育つ!愛こそ教育
 ・私がやったこと。それは、子どもを一人一人徹底的に可愛
  がることであった。
 ・愛は闘いであった。子どもの不幸・不正・差別を許さない
  ことであった。
 ・所沢高校を訪問した。授業を見た。先生方の温かいまなざ
  しを見た。愛を感じた。心が躍った。
 ・子どもたちは言った。学校は楽しい。授業の楽しい。これ
  でいいのだ。安心して学ぶその姿、それを天国と呼ぶ。

4 褒めること・叱ること=7:1
 ・愛され、うれしいと脳は全開する。・・・参考4
 ・うとまれ、うつだと脳は閉じる。・・・参考5
 ・日テレ“褒めの効用”徹底解明!
 ○ 先生方上手にほめて下さい。・・・参考6
 ○ 先生方上手に叱って下さい。・・・参考7
 ・愛して育つ・愛されて育つ。
 ・大人も子供も仲間が宝です。楽しい活動が子どもを育てま
  す。
 ・川口・東本小は「友だち大好き・先生大好き・学校大好き
  」な学校・・・参考8

5 脳が教える真実―脳のしくみと働きー
 ・脳の仕組みと人間形成
 ・生まれてから小学校までが最重要
 ・ニューロン結合―学ぶことは繋がることー
 ・新しい知識・体験が新芽を伸ばす。
 ・学習はスッキリ繋がったときが最高、優れた教師はスッキ
  リ分らせる。
 ・学習の最大の敵は混乱・混線―優れた教師は、混乱・混線
  させない―
 ・欠損した神経回路
   ―残存能力を生かすこと、そこから始める―
 ・人は野生型が基本
 ・こころの3要素
 ・脳の原則8カ条と人権は一体・・・参考H

6 脳科学が教える生き方
(1)今、みんなに伝えたいこと!
 ・脳も体も心も同じ、使わないと衰えます。使えば伸びます。
 ・熟睡して下さい。心も体もリセットし、脳では記憶を定着
  します。
 ・何でもバリバリ食べて下さい。偏ってはダメです。
 ・大事な朝食、4時間後には、お腹はペコペコです。
  偏食×、OKは「マ・ゴ・タ・チ・ワ・ヤ・サ・シ・イ」
 ・仕事は真剣勝負、仕事が鍛えます。
 ・過度のゲームで脳が欠損します。
 ・前頭前野がやられるとキレます。
 ・学力はイメージが勝負! ・
 ・「考える」より「計算」の方がが強く活性化する。何より
  も、手・足をつかうことが大事です。運動です。労働です。
 ・「はい即実行」です。言い訳はダメ、実行が人間をつくる。
 ・定時制時代は生涯忘れない!青春時代、強力な印象を残す。
 ・男と女は違います。助け合い・補完あって下さい。
 ・生きものはみんな同じ、原理は一つ。愛他主義です。
(2)人権(正義と愛)を貫き、みんなが幸せに生きるために
 ・今、先生にも子どもにもやってもらいたいこと!
 ・責任をもって働くこと、勤労と責任が大事です。
 ・1年生は可愛がられて安心し、6年生は可愛がってしっか
  りするのです。
 ・先生も「嬉しい・悲しい・楽しい」と生徒と苦楽を共にし
  て欲しい。
 ・絶対「差別しない・させない・許さない。」心で連帯する。
 ・注ぎ尽くす愛情・・・校長室補習(毎日新聞)
 ・先生と子ども、こころは一つ!
 ・一人一人に行きとどいたきめ細かい指導
 ・願いは一つ!“欠席ゼロ”
 ・一度は、ヒーローになって下さい。
 ・脳科学を生かした心の教育を進める。
 ・脳を描いて学ぶ脳科学の学習―脳は幸せの宝庫・ヒント満
  載―
 ・脳科学研究はどんどん進む。生活経験で検証・納得する。
 ・日本人の脳に宿る力は、「感謝・思いやり・礼節」、これ
  を生かすことが大事です。ー加藤俊徳― 
○ 成功=成功経験+脳の知見
 ・脳に順行すれば、必ず成功する。
 ・脳に逆行すれば、必ず混乱・混線する。人生が実らない・
  成功しない。

おわりに
 ・先生方に大事にされてください。愛されてください。
 ・友だちを大事にして下さい。友情を深めてください。
 ・“欠席ゼロ”“全員卒業”を目指して下さい。結局は愛が全て
  です。
 ・男は、惚れ惚れするような男になれ!稼ぐ男になれ!怠け
  ものが一番いけない。
 ・女は、うっとりするような女の子になってください。だら
  しない女はダメです。

参考
1 定時制時代:分ったこと・伝えたいことー
  友だちがいる。先生がいる。助け合いがある。楽しくなる。
  ふてくされるな!諦めるな!やけっぱちになるな!もう一
  歩の努力だ。

2 教職40年、67歳になった今:分ったこと・伝えたいこと。
  人生はやった通りになる。いいことも悪いこともやったと
  おりになる。人のせいにできない。自分のチョイス(選択・
  決断)どおりになる。人生の全てが脳に書き込まれている
  ことがわかった。

3 生きる目的は幸せ! 
 ・人は愛されるために、愛するために生きている。
 ・脳は愛し愛され、幸せになるようにプログラムされている。
 ・幸せになるまで満足しない・できない。

4 愛され、嬉しいと脳は全開する。
 @ 穏やかな安定した子になる。
 A 先生の話をよく聞き、進んでやる子になる。
 B 忍耐強く、親切で優しい子になる。
 C 当然、勉強もどんどんやる。

5 うとまれ、うつだと脳は閉じる。
 @ 寂しく、やる気のない子になる。
 A 短気で、意地悪な子になる。
 B 不安定で、イライラ、自分勝手な子になる。
 C 妬んだり、やっかんだりする子になる。

6 <上手な褒め方>
 @ 成功が成功の元、成功させてほめる。
 A 間髪入れずに褒める。
 B 全身で褒める。
 C お母さんも嬉しいと言う。
 D 一歩の努力を褒める。
 E 褒めるのに理屈はいらない。ただ喜べばいい。

7<上手な叱り方>
 @ 間髪いれず叱る。方向転換、理屈はいらない。
 A 見せしめ・人前は注意、プライドを傷つけるな!
 B 理由は一言、「善・悪」は分かっている。長いとくどい。
 C 説明は単純明快に、長いと「言い訳回路」を発達させる。
 D 興奮させるな。混線させるな。混乱・混戦の防止。
 E「言い分」は、ヘドロのサイン、日常の不満の投影
 F 叱ったらフォロー、叱りは愛の表出。褒めるために叱る。
 G「注意する・叱る・罰を加える」は指導の一つ、
  いじめ・暴力・暴行は反教育である。

8 川口・東本小の合言葉は
   「友だち大好き・先生大好き・学校大好き」
 @ 全校“欠席ゼロ”になりました。
 A 6カ年皆勤2名、1年皆勤110名でした。
 B 遅刻なし、不登校なし、暴力なし、ガラス割れなし、
   給食残菜・保健室利用の激減
 C 先生方も学校大好きでした。転勤希望4年間ゼロ!
 D 学校安全優秀校(県2校)学校給食優良校
 E 文科省学力テストも平均以上
 ◎ 所沢高校定時制は同質の学校でした。

9 脳の原則8カ条と人権は一体
 @ 脳はオープンマインド、人権もオープンマインド 
 A 脳は全体最適、人権も全体最適を求めて機能する。  
 B 脳は相互補完、人権も相互補完で働く。   
 C 脳の目的は「幸せ」、人権の目的も「幸せ」である。   
 D 脳は出力依存、人権も実行第一である。
 E 脳はネットワーク、人権もネットワークで機能する。   
 F 愛が脳を活性化する。人権も愛で活性化する。  
 G 脳はウソをつけない。人権もウソをつけない。
 *合脳性が高いほど優れた人間になる。
 *脳の原理に合った行動が優れた人間を生む。
  脳の原則を生きた人ほど、人権感覚が優れ、優れた人間に
  なる。

10 生きものはみんな同じ、原理は一つ
 ・大腸菌で正しいことはゾウでも正しいのです。
 ・子どもで正しいことは大人でも正しいのです。
 ・生きものは、少し競争・いっぱい助け合い、少し我慢・い
  っぱい楽しみ、仲良く生きていくのです。
        
11 脳の働き
 @ 脳が閉じれば閉じるほど、人格がゆがんでくる。表情も
   自然でなくなる。秘密が多ければ多いほど公明正大でな
   くなる。
 A 脳は全体で機能する。社会事象も全体で機能する。家長
   は家庭全体を考え、校長は学校全体を考える。市長は市
   民全体を考え、知事は県民全体を考える。当然国会議員
   は国全体を考える。組織の長が全体を忘れたら必ず組織
   はおかしくなる。
 B 目的と相互補完を忘れた時、個人も組織も機能しなくな
   る。強い者中心・弱いものいじめ、攻撃・排除が組織を
   破壊する。
 C 脳は満足を求めて機能する。個人にとっても社会にとっ
   ても「幸せ」が目的である。当然ながら政治の目的は「
   国民の幸福度」を一歩でも上げることである。
 D 脳は入力よりも出力に依存して発達する。入力しても出
   力しなければ回路として完了しない。読書したらメモ・
   感想を書く。一日が終わったら日記を書く。情報が書類
   のように積み重なって想起できなくなる。脳が錆つく。
 E 家庭も学校も会社もネットワークで機能する。ネットワ
   ークが良い会社は業績が上がる。社員は生き生きしてい
   る。活気がある。フットワークもよい。仕事も早い。混
   乱や混線がない。逆の場合は大変、逆の現象が次々に出
   てくる。
 F 教育は愛!愛こそ教育、教育・人材育成の大原則である。
   テクニックがどんなに優れていても愛がなければ無に等
   しい。「よくできる」先生が、いつの間にか、子どもが
   嫌いになり距離をおき、子どもから離れていく。愛のあ
   る先生はどの先生も子どもを大事にし、粘り強く技術を
   磨き良い先生になっていく。
 G 脳はやったとおりになる。脳の回路を誤魔化すことがで
   きない。痕跡が残る。ヒトは生きた通り死んでいく。ウ
   ソをつけない時代がやって来た。

12 参考図書 ◎研究向き ○実践向き 
 ◎『脳と人間』 時実利彦著(雷鳥社)
 ◎『脳の話』 時実利彦著(岩波新書)
 ◎『人間であること』 時実利彦著(岩波新書)
 ◎『情操・意志・創造性の教育』 時実利彦著(第一法規)
 ◎『目で見る脳』 時実利彦著(東大出版会)
 ◎『脳の生理学』 時実利彦編集(朝倉書店)
 ◎『愛は脳を活性化する』 松本元著
             (岩波科学ライブラリー)
 ◎『HQ論 人間性の脳科学』 澤口俊之著(海鳴社)
 ◎『セロトニン欠乏症』 有田秀穂著(NHK出版)
 ◎『私の脳科学講義』 利根川進著(岩波新書)
 ◎『脳を育てる』 高木貞敬著 (岩波新書)
 ◎『進化しすぎた脳』池谷裕二著(講談社)
 ◎『男脳と女脳 こんなに違う』新井康充著(河出書房新社)
 ○『脳科学からみた“祈り”』 中野信子著(潮出版社)
 ○『ガリラヤのイェシュー』 山浦玄嗣著
                 (イー・ピックス出版)
 ○『愛に生きる』 鈴木槙一著(講談社現代新書)
 ○『ゲーム脳の恐怖』 森昭雄著(NHK出版)
 ○『脳の仕組み科学的勉強法』 池谷裕二著(ライオン社)
 ○『元気な脳のつくり方』 森昭雄著(少年写真新聞社)
 ○『自分の脳を自分で育てる』川島隆太著(くもん出版)
 ○『頭のいい子ってなぜなの』ヘンシュ貴雄(海竜社)
 ○『子どもを伸ばす一言、ダメにする一言』浜尾実
                    (PHP研究所)
 ○『幼稚園では遅すぎる』井深大(サンマーク出版)
 ○『人間になれない子どもたち』 清川輝基著(えい出版社)
 ○『脳内汚染』 岡田尊司著(文藝春秋1600円)

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