川口市保育士研修会講演
[2013年09月13日(Fri)]
9月11日 川口市保育士研修会で講演した。演題は「脳科
学に学ぶ子育て」であった。

生きる目的は何?、・脳が知らせる人間の生きる目的は
“幸せ” ・人は愛されるために、愛するために生きてい
る。 ・脳は愛し愛され、幸せになるようにプログラム
されている。 ・幸せになるまで満足しない・できない。

“幼児教育の父”倉橋惣三は、幼稚園児・保育園児の区別
を全くしなかった。幼保の分離を死ぬまで反対し続けた。
しかし現実は違った。幼稚園は文科省が、保育園は厚労
省が担当してきた。両者は幼稚園指導要領と保育園指導
指針を策定し長い間違った道を歩んでしまった。残念な
ことであった。幼稚園児と保育園児の脳に違いは全くな
い。倉橋博士は現天皇陛下の養育責任者であった。「か
けがいのないお方」の養育である。傳育官は安心して養
育に心血を注いだ。「平成の天皇」p96

教育研究は「脳科学教育研究」にならねばならない。テ
ストのスコアや行動からではなく、遺伝子・分子・シナ
プス・神経回路から始めなければならない。世界の教育
は方向転換している。日本だけ旧態依然の教育をしてい
る。
気づいた人から始める。一歩踏み出す。それ以外ない。
指導要領の改訂は10年ごとである。5年前も15年前も
できなかった。やらなかった。
科学者はグループやトップは世界の動向をつかんでいた。
全体のスケッチも創っていた。プランもできていた。し
かし、総則に“脳”の文言一つも入らなかった。入れられ
なかった。既得権の壁は岩のように固い。こうして日本
の教育は遅れを取り、発展を阻んでいく。五ケ条の御誓
分も「真理と正義を愛し・・・」の教育基本法も全く生
きていない。愛国の人が生まれて欲しい。

教育は“脳”から始まる。お腹の中にいのちが生まれてた
瞬間から、ほとんどのエネルギーは脳の形成に注がれて
いるのです。神経管から始まるのです。神経管が脳に分
化していくのです。胎児の成長はうんとうんと大事です。
生まれてからの子育ても大切です。小さいほど大事です。
小学校よりも幼児が大事です。願いと期待をこめ、祈る
ような気持ちで話します。

先生方も真剣です。本当に真剣です。真剣勝負の2時間
でした。おわって1枚祈念写真をとって頂きました。

講演会をしきってくださった役員さんです。準備段階か
ら本当に骨を折って下さいました。ありがとう。ありが
とう。

追記
*倉橋博士にとっては「東宮の教育」も「国民の教育」も同
じであった。どの子もみんな「かけがえのない子ども」「
一視同仁」であった。
*明治国家をつくり上げた人々には「武士道」の心が息づい
ていた。武士道は
@人々の心に刻まれた掟、壮大な倫理体系の要の石である。
A源泉は孔子の教えにあり、知識のための知識を軽視する。
B「義」は「勇」と並ぶ武士道の双生子であり、「正義の
道理」こそ無条件の絶対命令である。
C「義を見てせざるは勇なきなり」平静に裏打ちされた勇
気である。
D民を治める者の必要条件は「仁」にあり。
E「礼」とは他人に対する思いやりを表現することである。
Fなぜ「武士にニ言はない」のか?真のサムライは「誠」
に高い敬意をはらう。
G武士は秩序・統治、商人は商い・流通、しかし、「正直
が最善の策」、正直さを守り通すことは、嘘をつくこと
よりも多くのカネをもたらす。
H「名誉」は苦痛や試練に耐える子どもの心の琴線に触れ
る。「人に笑われまするぞ」「体面を汚すな」「恥ずか
しくはないのか」が子どもの振る舞いを正す最期の切札
である。「羞恥心」は道徳意識の出発点である。
I日本人には命令に対する絶対的な服従が存在した。武士
道では個人よりも国を重んじる。しかし、無節操なへつ
らいや奴隷のごとき追従は嫌われた。真のサムライは自
己の血をもって自分の言説の誠であることを示した。
*サムライには生きる勇気も死ぬ勇気ももっていた。今も日
本人にはサムライの心がある。サムライがいると国民は安
心し応援する。福島原発所長はサムライであった。
脳科学に学ぶ子育て
1 はじめに
・関根教育長表敬訪問「脳科学と教育実践」
・NHK保育士の離職理由
・活躍する保育士たち
2 私の実践
・教育は愛、愛こそ教育!
・生きる目的は幸せ
・学校は子どもの楽園―子どもは遊びの中で・子どもは多
様な体験の中で・子どもは知・徳・体の中でー
・めざすは「たくましい子ども」
・欠席1か月ゼロの学級出現
・覚ましい脳科学教育の成果
・マスコミ報道63回
・愛されると脳は全開する。愛されないと脳は閉じる。
・教育=愛の実践、ダイナミックな教育活動
・ほめる:叱る=7:1(愛と義)
・褒めの名人渡辺先生・褒めの効用徹底解明
・上手な褒め方・叱り方
・脳の原則8カ条
3 脳の世紀・・・脳科学を生かす時代がやってきました。
・小泉博士前ローマ法王に謁見、天皇・皇后両陛下理研
訪問
・山中教授・茂木健一郎・加藤俊徳・澤口俊之・池谷裕二
・理解・協力する人々(上田知事・関根県教育長・岡村川
口市長・清水さいたま市長・稲葉さいたま市教育長・吉
原前県医師会長などなど)
・「脳科学と教育」研究のあゆみと東本小の実践
・文科省中央は「脳科学」
・脳科学を踏まえた教育研究へ
・いのちの原理は愛他主義
・生体リズムと時計遺伝子
4 脳の仕組みと働き(配線構造+増幅作用)
・人間の脳とはたらき
・丈夫な脳は木の如し
・脳科学の知見を生かす構造図
・脳の三重構造と「知・情・意」
・右脳と左脳、脳の断面
・ニューロンとそのネットワーク
・ニューロン結合と伸びた樹状突起
・DNA発現とシナプス増強
・増幅する心と潜在する心の働き
・前頭連合野は脳間・脳内操作系
5 脳科学と幼児教育
・幼児教育の父・倉橋惣三
・脳の発達と知能の変動
(発達曲線8才で95%、感受期あり、多重知能)
・本能の心が満たされないと・・・
・豊富な環境・標準環境・乏しい環境
・脳波=遺伝子発現・ニューロンの働き
・見事に発達したプルキンエ細胞
・男脳と女脳の違い
・欠損した神経回路、
・乳幼児期の脳障害
・脳障害の現れ方
(微細脳障害―ADHD−行為障害―反社会的人格障害)
・キレる(攻撃的行為)
6 脳科学の知見を生かした子育て10カ条
1条 教育は愛、愛こそ教育
1-2. 教育は愛、褒めて育てる。
2条-1 早寝・早起き・朝ごはん
2-2 生体リズム・時計遺伝子
2-3 寝る子は育つ。
3条-1 ゲーム・ケイタイは少ないほど良い。
3-2 過度のゲームで脳が欠損
4条 マ・ゴ・タ・チ・ワ・ヤ・サシイ
5条-1 外遊びのすすめ
5-2 遊び不足が進んでいる
5-3 遊びが子どもを育てる
5-4 ダメはダメ!規範形成は「厳格」に
6条-1 手は脳の出先機関、足は脳と一体
6-2 立体が基本・・・砂・粘土で造る
7条-1.学力は・イメージ
7-2.脳の叡智が正誤を即判別する
8条 やったとおりになる。
(言葉づかい・運動・勉強、感じ方・考え方)
9条 もう一歩の努力、それが勝負
10条 豊かな経験が人格を作る
7 おわりに
教育は愛 愛こそ教育
参考資料
1 発達8つの関門
@ なめるほど可愛がること。
*愛着・情動形成に決定的な影響
A 早寝・早起き・朝ご飯を身に付けること。
*脳幹・生体リズムとエネルギー
B 3度3度の食事をきちんととらせること。
*心身の発達の基盤
C 外遊びは十分させること。
*脳幹・辺縁系・新皮質を総合的に育てる。
D テレビ・ゲームに子育てを任せないこと。
*前頭前夜(PQ)発達に弊害、1人遊び・一方通行は
ダメ
E 両親と祖父母の愛情と役割を十分にすること。
*両親の愛情、祖父母の見守り・交流は大脳を発達さ
せる。
F 5才くらいまでに十分な情動を体験してきたか。
*喜怒哀楽の情動体験は辺縁系を豊かに逞しく育てる。
G 8才くらいまで豊かな環境で育まれたか。
*総合的に人格の基盤を形成
「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」
(文部科学省)
2 脳の原則8カ条
@ 脳はオープンマインドである。
*脳が閉じれば閉じるほど、人格がゆがんでくる。
表情も自然でなくなる。
A 脳は全体最適を求めて機能する。
*脳は全体で機能する。全体が良くなるように働く。
B 脳は相互補完で働く。
*脳は補完、人間も相互補完、批判・批判、攻撃・
排除は組織を破壊する。
C 脳の目的は「幸せ」である。
*脳は幸せを求めて機能する。家庭も社会も幸せを
求める。
D 脳は出力に依存する。
*脳は出力で発達する。読書したらメモ、一日が終
わったら日記
E 脳はネットワークで機能する。
*家庭も学校も会社もネットワークで機能する。活
気がある。フットワークもよい。仕事も早い。混
乱や混線がない。関根教育長は「自助・共助・公
助」を提唱
F 愛が脳を活性化する。
*教育は愛!愛こそ教育、教育・人材育成の大原則、
愛のある先生は子どもを可愛がる。粘り強く技術
を磨く。良い先生になっていく。
G 脳はウソをつけない。
*脳はやったとおりになる。DNAは誤魔化せない。
回路も誤魔化せない。ヒトは生きたように死んで
いく。ウソをつけない時代がやって来た。
◎ 合脳性が高いほど優れた人間になる。
*脳に聴こう。脳に学ぼう。優れた人間になろう。
そして、愛の人になろう。
3 子育ての基本
@「早寝・早起き・朝ごはん」が鉄則、メリハリが大事。
A テレビ、ゲーム、携帯電話は少なければ少ないほど良
い。
B 昼間思いっきり活動し、夜は「バタン キュッ」と寝
る。
C 脳は使えば使うほど発達する。そして体は丈夫になる。
D 褒める:叱るの割合は、7:1
4<上手な褒め方>
・成功が成功の元、成功させてほめる。・・・成功なけれ
ば褒めてもむなしい。
・間髪入れずに褒める。・・・報償回路は瞬時に作動、後
追いは効果半減。
・全身で褒める。・・・よかった・100点・花丸・頭撫
ぜ・肩車で教室一回り。
・ お母さんも嬉しいと言う。・・・喜びの伝染・伝播。
・一歩の努力を褒める。・・褒め効果はショートステップ。
・褒めるのに理屈はいらない。ただ喜べばいい。
5<上手な叱り方>
・間髪いれず叱る。・・・回路の遮断、理屈はいらない。
・見せしめ・人前は注意・・・他人への効果なら別の場で
・理由は一言で・・・善、悪は分かっている。長いとくど
い。
・説明は具体的、要点は絞る。・・・言い訳回路を発達さ
せる。
・子どもの「言い分」に、日常の不満や願いが投影されて
いる。・・・ヘドロのように心の底にたまっている。そ
れが出る。
・興奮させない。・・・混乱・混戦の防止。
・叱りっぱなしで話を終えない。・・・叱りは愛の表出。
・「注意する・叱る・罰を加える」は教育の範疇、いじめ
・暴力・暴行は反教育である。
6 学力の高い子
@ 早寝・早起き・朝ごはん・・・OK
A 親の熱意、家庭の努力が凄い。
B メリハリのある家庭学習
C 団欒・対話がある。
D テレビやゲームは少ない。
7 人間としての土台が育っていますか。(子育て七つの宝物)
@ 精神が安定していること。
A エネルギーに溢れていること。
B 好奇心が旺盛であること。
C 柔軟で広い価値観を持っていること。
D 良いプライドを持っていること。
E 社会性が育っていること。
F 感性が豊かであること。
8 《脳の発達に大事なこと》 岡本道雄(京都大学)
脳の発達は刺激によって促される。脳は刺激で発達する。
@ 最初は模倣が大事
A 愛情に裏打ちされた教え込みが大事
B しつけの時の叱責と賞賛
C 忍耐の要請の必要
D 情操教育やコミュニケーションの大切さ
E 感受精期(最も発達しやすい時期)を生かす
9《これじゃ子どもは育たない》 村上光男(なかよし保育園)
暖房効かせて寒さがない 冷房効かせて暑さがない
おやつが過ぎて空腹がない 歩かせないで疲れがない
おもちゃやり過ぎで興味がない テレビ見過ぎで考えない
ホイホイ与えて我慢がない 点数以外は関心がない
判っているけど行わない これではまともに育たない
10 参考図書
◎『脳と人間』 時実利彦著(雷鳥社)
◎『脳の話』 時実利彦著(岩波新書)
◎『人間であること』 時実利彦著(岩波新書)
◎『目で見る脳』 時実利彦著(東大出版会)
◎『脳の生理学』 時実利彦編集(朝倉書店)
◎『愛は脳を活性化する』 松本元著
(岩波科学ライブラリー)
◎『HQ論 人間性の脳科学』 澤口俊之著(海鳴社)
◎『セロトニン欠乏症』 有田秀穂著(NHK出版)
○『ゲーム脳の恐怖』 森昭雄著(NHK出版)
○『脳の仕組み科学的勉強法』 池谷裕二著(ライオン社)
○『元気な脳のつくり方』 森昭雄著(少年写真新聞社)
◎『私の脳科学講義』 利根川進著(岩波新書)
◎『脳を育てる』 高木貞敬著(岩波新書円)
◎『進化しすぎた脳』 池谷裕二著(講談社ブルーブック)
○『自分の脳を自分で育てる』 川島隆太著(くもん出版)
○『頭のいい子ってなぜなの』ヘンシュ貴雄(海竜社)
◎『人間になれない子どもたち』清川輝基著(えい出版社)
◎『男脳と女脳 こんなに違う』新井 康充著(河出書房新社)
学に学ぶ子育て」であった。
生きる目的は何?、・脳が知らせる人間の生きる目的は
“幸せ” ・人は愛されるために、愛するために生きてい
る。 ・脳は愛し愛され、幸せになるようにプログラム
されている。 ・幸せになるまで満足しない・できない。
“幼児教育の父”倉橋惣三は、幼稚園児・保育園児の区別
を全くしなかった。幼保の分離を死ぬまで反対し続けた。
しかし現実は違った。幼稚園は文科省が、保育園は厚労
省が担当してきた。両者は幼稚園指導要領と保育園指導
指針を策定し長い間違った道を歩んでしまった。残念な
ことであった。幼稚園児と保育園児の脳に違いは全くな
い。倉橋博士は現天皇陛下の養育責任者であった。「か
けがいのないお方」の養育である。傳育官は安心して養
育に心血を注いだ。「平成の天皇」p96
教育研究は「脳科学教育研究」にならねばならない。テ
ストのスコアや行動からではなく、遺伝子・分子・シナ
プス・神経回路から始めなければならない。世界の教育
は方向転換している。日本だけ旧態依然の教育をしてい
る。
気づいた人から始める。一歩踏み出す。それ以外ない。
指導要領の改訂は10年ごとである。5年前も15年前も
できなかった。やらなかった。
科学者はグループやトップは世界の動向をつかんでいた。
全体のスケッチも創っていた。プランもできていた。し
かし、総則に“脳”の文言一つも入らなかった。入れられ
なかった。既得権の壁は岩のように固い。こうして日本
の教育は遅れを取り、発展を阻んでいく。五ケ条の御誓
分も「真理と正義を愛し・・・」の教育基本法も全く生
きていない。愛国の人が生まれて欲しい。
教育は“脳”から始まる。お腹の中にいのちが生まれてた
瞬間から、ほとんどのエネルギーは脳の形成に注がれて
いるのです。神経管から始まるのです。神経管が脳に分
化していくのです。胎児の成長はうんとうんと大事です。
生まれてからの子育ても大切です。小さいほど大事です。
小学校よりも幼児が大事です。願いと期待をこめ、祈る
ような気持ちで話します。
先生方も真剣です。本当に真剣です。真剣勝負の2時間
でした。おわって1枚祈念写真をとって頂きました。
講演会をしきってくださった役員さんです。準備段階か
ら本当に骨を折って下さいました。ありがとう。ありが
とう。
追記
*倉橋博士にとっては「東宮の教育」も「国民の教育」も同
じであった。どの子もみんな「かけがえのない子ども」「
一視同仁」であった。
*明治国家をつくり上げた人々には「武士道」の心が息づい
ていた。武士道は
@人々の心に刻まれた掟、壮大な倫理体系の要の石である。
A源泉は孔子の教えにあり、知識のための知識を軽視する。
B「義」は「勇」と並ぶ武士道の双生子であり、「正義の
道理」こそ無条件の絶対命令である。
C「義を見てせざるは勇なきなり」平静に裏打ちされた勇
気である。
D民を治める者の必要条件は「仁」にあり。
E「礼」とは他人に対する思いやりを表現することである。
Fなぜ「武士にニ言はない」のか?真のサムライは「誠」
に高い敬意をはらう。
G武士は秩序・統治、商人は商い・流通、しかし、「正直
が最善の策」、正直さを守り通すことは、嘘をつくこと
よりも多くのカネをもたらす。
H「名誉」は苦痛や試練に耐える子どもの心の琴線に触れ
る。「人に笑われまするぞ」「体面を汚すな」「恥ずか
しくはないのか」が子どもの振る舞いを正す最期の切札
である。「羞恥心」は道徳意識の出発点である。
I日本人には命令に対する絶対的な服従が存在した。武士
道では個人よりも国を重んじる。しかし、無節操なへつ
らいや奴隷のごとき追従は嫌われた。真のサムライは自
己の血をもって自分の言説の誠であることを示した。
*サムライには生きる勇気も死ぬ勇気ももっていた。今も日
本人にはサムライの心がある。サムライがいると国民は安
心し応援する。福島原発所長はサムライであった。
脳科学に学ぶ子育て
1 はじめに
・関根教育長表敬訪問「脳科学と教育実践」
・NHK保育士の離職理由
・活躍する保育士たち
2 私の実践
・教育は愛、愛こそ教育!
・生きる目的は幸せ
・学校は子どもの楽園―子どもは遊びの中で・子どもは多
様な体験の中で・子どもは知・徳・体の中でー
・めざすは「たくましい子ども」
・欠席1か月ゼロの学級出現
・覚ましい脳科学教育の成果
・マスコミ報道63回
・愛されると脳は全開する。愛されないと脳は閉じる。
・教育=愛の実践、ダイナミックな教育活動
・ほめる:叱る=7:1(愛と義)
・褒めの名人渡辺先生・褒めの効用徹底解明
・上手な褒め方・叱り方
・脳の原則8カ条
3 脳の世紀・・・脳科学を生かす時代がやってきました。
・小泉博士前ローマ法王に謁見、天皇・皇后両陛下理研
訪問
・山中教授・茂木健一郎・加藤俊徳・澤口俊之・池谷裕二
・理解・協力する人々(上田知事・関根県教育長・岡村川
口市長・清水さいたま市長・稲葉さいたま市教育長・吉
原前県医師会長などなど)
・「脳科学と教育」研究のあゆみと東本小の実践
・文科省中央は「脳科学」
・脳科学を踏まえた教育研究へ
・いのちの原理は愛他主義
・生体リズムと時計遺伝子
4 脳の仕組みと働き(配線構造+増幅作用)
・人間の脳とはたらき
・丈夫な脳は木の如し
・脳科学の知見を生かす構造図
・脳の三重構造と「知・情・意」
・右脳と左脳、脳の断面
・ニューロンとそのネットワーク
・ニューロン結合と伸びた樹状突起
・DNA発現とシナプス増強
・増幅する心と潜在する心の働き
・前頭連合野は脳間・脳内操作系
5 脳科学と幼児教育
・幼児教育の父・倉橋惣三
・脳の発達と知能の変動
(発達曲線8才で95%、感受期あり、多重知能)
・本能の心が満たされないと・・・
・豊富な環境・標準環境・乏しい環境
・脳波=遺伝子発現・ニューロンの働き
・見事に発達したプルキンエ細胞
・男脳と女脳の違い
・欠損した神経回路、
・乳幼児期の脳障害
・脳障害の現れ方
(微細脳障害―ADHD−行為障害―反社会的人格障害)
・キレる(攻撃的行為)
6 脳科学の知見を生かした子育て10カ条
1条 教育は愛、愛こそ教育
1-2. 教育は愛、褒めて育てる。
2条-1 早寝・早起き・朝ごはん
2-2 生体リズム・時計遺伝子
2-3 寝る子は育つ。
3条-1 ゲーム・ケイタイは少ないほど良い。
3-2 過度のゲームで脳が欠損
4条 マ・ゴ・タ・チ・ワ・ヤ・サシイ
5条-1 外遊びのすすめ
5-2 遊び不足が進んでいる
5-3 遊びが子どもを育てる
5-4 ダメはダメ!規範形成は「厳格」に
6条-1 手は脳の出先機関、足は脳と一体
6-2 立体が基本・・・砂・粘土で造る
7条-1.学力は・イメージ
7-2.脳の叡智が正誤を即判別する
8条 やったとおりになる。
(言葉づかい・運動・勉強、感じ方・考え方)
9条 もう一歩の努力、それが勝負
10条 豊かな経験が人格を作る
7 おわりに
教育は愛 愛こそ教育
参考資料
1 発達8つの関門
@ なめるほど可愛がること。
*愛着・情動形成に決定的な影響
A 早寝・早起き・朝ご飯を身に付けること。
*脳幹・生体リズムとエネルギー
B 3度3度の食事をきちんととらせること。
*心身の発達の基盤
C 外遊びは十分させること。
*脳幹・辺縁系・新皮質を総合的に育てる。
D テレビ・ゲームに子育てを任せないこと。
*前頭前夜(PQ)発達に弊害、1人遊び・一方通行は
ダメ
E 両親と祖父母の愛情と役割を十分にすること。
*両親の愛情、祖父母の見守り・交流は大脳を発達さ
せる。
F 5才くらいまでに十分な情動を体験してきたか。
*喜怒哀楽の情動体験は辺縁系を豊かに逞しく育てる。
G 8才くらいまで豊かな環境で育まれたか。
*総合的に人格の基盤を形成
「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」
(文部科学省)
2 脳の原則8カ条
@ 脳はオープンマインドである。
*脳が閉じれば閉じるほど、人格がゆがんでくる。
表情も自然でなくなる。
A 脳は全体最適を求めて機能する。
*脳は全体で機能する。全体が良くなるように働く。
B 脳は相互補完で働く。
*脳は補完、人間も相互補完、批判・批判、攻撃・
排除は組織を破壊する。
C 脳の目的は「幸せ」である。
*脳は幸せを求めて機能する。家庭も社会も幸せを
求める。
D 脳は出力に依存する。
*脳は出力で発達する。読書したらメモ、一日が終
わったら日記
E 脳はネットワークで機能する。
*家庭も学校も会社もネットワークで機能する。活
気がある。フットワークもよい。仕事も早い。混
乱や混線がない。関根教育長は「自助・共助・公
助」を提唱
F 愛が脳を活性化する。
*教育は愛!愛こそ教育、教育・人材育成の大原則、
愛のある先生は子どもを可愛がる。粘り強く技術
を磨く。良い先生になっていく。
G 脳はウソをつけない。
*脳はやったとおりになる。DNAは誤魔化せない。
回路も誤魔化せない。ヒトは生きたように死んで
いく。ウソをつけない時代がやって来た。
◎ 合脳性が高いほど優れた人間になる。
*脳に聴こう。脳に学ぼう。優れた人間になろう。
そして、愛の人になろう。
3 子育ての基本
@「早寝・早起き・朝ごはん」が鉄則、メリハリが大事。
A テレビ、ゲーム、携帯電話は少なければ少ないほど良
い。
B 昼間思いっきり活動し、夜は「バタン キュッ」と寝
る。
C 脳は使えば使うほど発達する。そして体は丈夫になる。
D 褒める:叱るの割合は、7:1
4<上手な褒め方>
・成功が成功の元、成功させてほめる。・・・成功なけれ
ば褒めてもむなしい。
・間髪入れずに褒める。・・・報償回路は瞬時に作動、後
追いは効果半減。
・全身で褒める。・・・よかった・100点・花丸・頭撫
ぜ・肩車で教室一回り。
・ お母さんも嬉しいと言う。・・・喜びの伝染・伝播。
・一歩の努力を褒める。・・褒め効果はショートステップ。
・褒めるのに理屈はいらない。ただ喜べばいい。
5<上手な叱り方>
・間髪いれず叱る。・・・回路の遮断、理屈はいらない。
・見せしめ・人前は注意・・・他人への効果なら別の場で
・理由は一言で・・・善、悪は分かっている。長いとくど
い。
・説明は具体的、要点は絞る。・・・言い訳回路を発達さ
せる。
・子どもの「言い分」に、日常の不満や願いが投影されて
いる。・・・ヘドロのように心の底にたまっている。そ
れが出る。
・興奮させない。・・・混乱・混戦の防止。
・叱りっぱなしで話を終えない。・・・叱りは愛の表出。
・「注意する・叱る・罰を加える」は教育の範疇、いじめ
・暴力・暴行は反教育である。
6 学力の高い子
@ 早寝・早起き・朝ごはん・・・OK
A 親の熱意、家庭の努力が凄い。
B メリハリのある家庭学習
C 団欒・対話がある。
D テレビやゲームは少ない。
7 人間としての土台が育っていますか。(子育て七つの宝物)
@ 精神が安定していること。
A エネルギーに溢れていること。
B 好奇心が旺盛であること。
C 柔軟で広い価値観を持っていること。
D 良いプライドを持っていること。
E 社会性が育っていること。
F 感性が豊かであること。
8 《脳の発達に大事なこと》 岡本道雄(京都大学)
脳の発達は刺激によって促される。脳は刺激で発達する。
@ 最初は模倣が大事
A 愛情に裏打ちされた教え込みが大事
B しつけの時の叱責と賞賛
C 忍耐の要請の必要
D 情操教育やコミュニケーションの大切さ
E 感受精期(最も発達しやすい時期)を生かす
9《これじゃ子どもは育たない》 村上光男(なかよし保育園)
暖房効かせて寒さがない 冷房効かせて暑さがない
おやつが過ぎて空腹がない 歩かせないで疲れがない
おもちゃやり過ぎで興味がない テレビ見過ぎで考えない
ホイホイ与えて我慢がない 点数以外は関心がない
判っているけど行わない これではまともに育たない
10 参考図書
◎『脳と人間』 時実利彦著(雷鳥社)
◎『脳の話』 時実利彦著(岩波新書)
◎『人間であること』 時実利彦著(岩波新書)
◎『目で見る脳』 時実利彦著(東大出版会)
◎『脳の生理学』 時実利彦編集(朝倉書店)
◎『愛は脳を活性化する』 松本元著
(岩波科学ライブラリー)
◎『HQ論 人間性の脳科学』 澤口俊之著(海鳴社)
◎『セロトニン欠乏症』 有田秀穂著(NHK出版)
○『ゲーム脳の恐怖』 森昭雄著(NHK出版)
○『脳の仕組み科学的勉強法』 池谷裕二著(ライオン社)
○『元気な脳のつくり方』 森昭雄著(少年写真新聞社)
◎『私の脳科学講義』 利根川進著(岩波新書)
◎『脳を育てる』 高木貞敬著(岩波新書円)
◎『進化しすぎた脳』 池谷裕二著(講談社ブルーブック)
○『自分の脳を自分で育てる』 川島隆太著(くもん出版)
○『頭のいい子ってなぜなの』ヘンシュ貴雄(海竜社)
◎『人間になれない子どもたち』清川輝基著(えい出版社)
◎『男脳と女脳 こんなに違う』新井 康充著(河出書房新社)
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