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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


講演 参考資料 [2014年11月30日(Sun)]
11月16日、浦安で
「お父さん出番ですよー子育てに脳科学をー」の講演をした。
配布したレジメの参考資料です。合わせてお読み下さい。

1 脳の原則8カ条 
 @ 脳はオープンマインドである。    
  *脳が閉じれば閉じるほど、人格がゆがんでくる。表情も
   自然でなくなる。秘密が多ければ多いほど公明正大でな
   くなる。
 A 脳は全体最適を求めて機能する。   
  *脳は全体で機能する。社会事象も全体で機能する。家長
   は家庭全体を考え、校長は学校全体を考える。市長は市
   民全体を考え、知事は県民全体を考える。当然国会議員
   は国全体を考える。組織の長が全体を忘れたら必ず組織
   はおかしくなる。
 B 脳は相互補完で働く。   
  *目的と相互補完を忘れた時、個人も組織も機能しなくな
   る。強い者中心・弱いものいじめ、攻撃・排除が組織を
   破壊する。
 C 脳の目的は「幸せ」である。   
  *脳は満足を求めて機能する。個人にとっても社会にとっ
   ても「幸せ」が目的である。当然ながら政治の目的は「
   国民の幸福度」を一歩でも上げることである。
 D 脳は出力に依存する。   
  *脳は入力よりも出力に依存して発達する。入力しても出
   力しなければ回路として完了しない。読書したらメモ・
   感想を書く。一日が終わったら日記を書く。情報が書類
   のように積み重なって想起できなくなる。脳が錆つく。
 E 脳はネットワークで機能する。   
  *家庭も学校も会社もネットワークで機能する。ネットワ
   ークが良い会社は業績が上がる。社員は生き生きしてい
   る。活気がある。フットワークもよい。仕事も早い。混
   乱や混線がない。逆の場合は大変、逆の現象が次々に出
   てくる。
 F 愛が脳を活性化する。   
  *教育は愛!愛こそ教育、教育・人材育成の大原則である。
   テクニックがどんなに優れていても愛がなければ無に等
   しい。「よくできる」先生が、いつの間にか、子どもが
   嫌いになり距離をおき、子どもから離れていく。愛のあ
   る先生はどの先生も子どもを大事にし、粘り強く技術を
   磨き良い先生になっていく。
 G 脳はウソをつけない。
  *脳はやったとおりになる。脳の回路を誤魔化すことがで
   きない。痕跡が残る。ヒトは生きた通り死んでいく。ウ
   ソをつけない時代がやって来た。
 ◎ 合脳性が高いほど優れた人間になる。
  *脳の原理に合った行動が優れた人間を生む。合脳性が高
   いほど優れた人間になる。

2 いのちの原理
 @ いのちの原理は、愛他主義です。
 A 自己実現ではありません。他者実現です。
 B 妻の幸せ、子どもの幸せ、チームの成長のためです。
 C 自己実現のために他者をダシに利用してはいけません。
 D 遺伝子もDNAも「愛他」の中で完成します。
 目的を間違うと大変・・・矛盾が起こります。
 @ 混乱・混線が起ります。 
 A ねじくれたり、縮込んだりします。 
 B 死ぬ細胞もでてきます。

3 愛されると脳は全開する。
 @ 嬉しい・楽しい
 A 安心する。安定する。
 B やる気になる。忍耐強くなる。
 C 優しくなる。親切になる。
 D 妬まない・やっかまない
 E 意地悪しない。威張らない 。

4 愛されないと脳は閉じる。
 @ 不安定になる。
 A 荒れる。暴れる。投げやりになる。
 B 短気になる。自分勝手になる。  
 C 意地悪になる。
 D 妬む・やっかむ。
 E 威張る 。

5 上手なほめ方
 @ 成功が成功の元
 A 成功させてほめる。
 B 間髪入れずに褒める。
 C 全身で褒める。
 D お母さんも嬉しいと言う。
 E 一歩の努力を褒める。

6 上手な叱り方
 @ 目的は正常にもどすこと。
 A 間髪いれず叱る。
 B 理由は一言で
 C ガミガミ・くどくどはダメ
 D 「善・悪」「白・黒」を明確に
 E 興奮しない・させない。
 F 脳が混乱・混線する。
 G 最後に褒めるためです。

7 脳の構造
 @ 脳幹
 A 大脳扁縁系
 B 大脳新皮質
 C 前頭前野

8 入れ子の原理
 @ 反射・代謝・免疫
 A 快と苦の行動
 B 動機や動因(仕事や勉強)
 C 挑戦 いきがい・使命・奉仕・献身

9 マズローの欲求5段階説ー最上位は“愛他の欲求”ー
 @ 生理的欲求
 A 安全の欲求
 B 所属と愛の欲求
 C 承認・尊敬の欲求
 D 自己実現の欲求
 E 愛他の欲求

10 脳の配線は・・・
 @ 進化する
 A 変更する
 B 訓練で育つ
 C 意欲の方向に向かう。

11 良くできる子の特長
 @ 早く寝る。寝る子は育つ。
 A 朝ご飯は大事、運動能力も学力も高い。
 B 夜も早い。
 C 家庭の努力が凄い。
 D 長くない家庭学習時間 
 E 家族に対話がある。 
 F 長くないテレビ視聴時間

12 子育ての基本
 @「早寝・早起き・朝ごはん」が鉄則、メリハリが大事。
 A テレビ、ゲーム、携帯電話は少なければ少ないほど良い。
 B 昼間思いっきり活動し、夜は「バタン キュッ」と寝る。
 C 脳は使えば使うほど発達する。そして体は丈夫になる。
 D 褒める:叱るの割合は、7:1 。

13 発達8つの関門
 @ なめるほど可愛がること。
  *愛着・情動形成に決定的な影響
 A 早寝・早起き・朝ご飯を身に付けること。
  *脳幹・生体リズムとエネルギー
 B 3度3度の食事をきちんととらせること。
  *心身の発達の基盤
 C 外遊びは十分させること。
  *脳幹・辺縁系・新皮質を総合的に育てる。
 D テレビ・ゲームに子育てを任せないこと。
  *前頭前夜(PQ)発達に弊害、1人遊び・一方通行はダメ              
 E 両親と祖父母の愛情と役割を十分にすること。
  *両親の愛情、祖父母の見守り・交流は大脳を発達させる。
 F 5才くらいまでに十分な情動を体験してきたか。
  *喜怒哀楽の情動体験は辺縁系を豊かに逞しく育てる。
 G 8才くらいまで豊かな環境で育まれたか。
  *総合的に人格の基盤を形成
「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」(文科省)

14 人間としての土台が育っていますか。
    子育て七つの宝物
 @ 精神が安定していること。
 A エネルギーに溢れていること。
 B 好奇心が旺盛であること。
 C 柔軟で広い価値観を持っていること。
 D 良いプライドを持っていること。
 E 社会性が育っていること。
 F 感性が豊かであること。

15 《脳の発達に大事なこと》 岡本道雄(京都大学)
 脳の発達は刺激によって促される。脳は刺激で発達する。
 @ 最初は模倣が大事
 A 愛情に裏打ちされた教え込みが大事
 B しつけの時の叱責と賞賛
 C 忍耐の要請の必要
 D 情操教育やコミュニケーションの大切さ
 E 感受精期(最も発達しやすい時期)を生かす 

16《これじゃ子どもは育たない》村上光男(なかよし保育園)
  暖房効かせて寒さがない    冷房効かせて暑さがない
  おやつが過ぎて空腹がない   歩かせないで疲れがない
  おもちゃやり過ぎで興味がない テレビ見過ぎで考えない
  ホイホイ与えて我慢がない   点数以外は関心がない
  判っているけど行わない    これではまともに育たない

17 参考図書
 ◎『脳と人間』 時実利彦著 (雷鳥社円)
 ◎『脳の話』 時実利彦著 (岩波新書円)
 ◎『人間であること』 時実利彦著(岩波新書円)
◎『情操・意志・創造性の教育』時実利彦著 (第一法規)
◎『目で見る脳』 時実利彦著(東大出版会)
◎『脳の生理学』 時実利彦編集 (朝倉書店)
◎『愛は脳を活性化する』 松本元著(岩波科学ライブラリー)
◎『HQ論 人間性の脳科学』 澤口俊之著(海鳴社)
 ◎『セロトニン欠乏症』 有田秀穂著(NHK出版)
 ○『ゲーム脳の恐怖』 森昭雄著(NHK出版)
 ○『脳の仕組み科学的勉強法』 池谷裕二著(ライオン社)
 ○『元気な脳のつくり方』 森昭雄著(少年写真新聞社)
 ◎『私の脳科学講義』 利根川進著(岩波新書)
 ◎『脳を育てる』 高木貞敬著 (岩波新書)
 ◎『進化しすぎた脳』池谷裕二著 (講談社ブルーブック)
 ○『自分の脳を自分で育てる』川島隆太著(くもん出版)
 ○『頭のいい子ってなぜなの』ヘンシュ貴雄(海竜社)
 ◎『人間になれない子どもたち』清川輝基著(えい出版社)
 ◎『男脳と女脳 こんなに違う』新井 康充著(河出書房新社)
 ○『脳内汚染』岡田尊司著 (文藝春秋円)
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