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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


第3回「心の教育」自主研究発表会について(2) [2014年07月12日(Sat)]
次の文は、第3回「心の教育」自主研究発表会における森昭
雄先生の講演にたいする教頭森一夫「お礼の言葉」です。私
たちの願いや思いを良く表していますので下記に報告します。
 森教授による講演「脳科学と教育〜ITと子どもの脳〜」
 から
       「お礼のことば」
        川口市立東本郷小学校 教頭 森 一夫           
 本日、森先生には、「脳科学と教育」という演題で、貴重
な資料に基づきながら、ITと子どもの脳の関係から、人間
らしく心豊かな子の育成に向けたお話しをしていただきまし
た。
 特に先生には、「これからの21世紀を担う子どもたちの
幸せづくり・幸せの基礎づくり」という大きな使命のもとに
たくさんのご示唆をいただいたように思います。先生には、
たくさんのことを教えていただきましたが、私は、次の点を
特に強く感じ、まとめさせていただきました。
 
 1つめは子ども達がたくましく、よく生きていくためには
脳幹リズム・生体リズムを整え、生命の中枢である脳幹をし
っかりさせること。それには、日常から子ども達が早寝早起
きをすること、睡眠時間をしっかりとること、朝食をしっか
りとること、学習・運動をしっかり行うことなど生活習慣の
確立とともに成長への土台づくりがいかに大切であるかを知
ることができました。
 10歳で95%の脳の神経回路が組み上がるという脳科学
の知見に基づき、二度と戻らない大切な時期、取り返しがつ
かない時期に子どもにとってのよい環境づくりやそれを踏ま
えた教育の推進が重要であることを改めて感じました。

 2つめは前頭前野は人間としての生き方、人格形成にとっ
て大事であること。前頭前野の機能を活性化することにより、
子ども達の判断力向上や欲望の抑制、自分勝手な行動、無気
力、キレルことなどが減り、人間らしく心豊かになることが
分かりました。
 そのためには読書や人とのかかわり、そして対話すること
の大切さを再認識いたしました。また、逆にゲームやテレビ・
ケイタイなどのメディア接触の時間が長いと左脳に影響が出、
働きが低下することも分かりました。ワーキングメモリーが
働かないと短期記憶ができなくなり、結果として、学習能力
が下がるということです。
 家庭でのテレビ・ゲーム等の時間を見直し、親子や友だち、
自然とのふれあいを多くするなど、子ども達の五感に触れる
体験をこの土台づくりの時期にやっておくことがとても大切
であることを感じました。

3つめは子どもたちの気持ちの安定のためには、セロトニ
ン神経からセロトニンが分泌されるよう運動をする、太陽を
浴びる、よく噛むなどが必要ということです。
 また、良い回路をつくるための繰り返し学習をすることに
よりシナプスの増強を図ることは、子ども達のより良き成長
につながることを学びました。また、そのためのよい教育環
境づくり、密度の高い各教科等の授業・質の高い教育等、先
生から叱咤激励されたように思います。
 いずれにしても「心」は脳神経の配線回路、ネットワーク
ととらえ、人間らしさを司り脳の他領域をコントロールする
前頭前野とこれを支え、たくましく生きるための大脳辺縁系
や生命中枢の脳幹まで含めて子ども達の「心の教育」と捉え、
今後も知・情・意の発達成長とともに知・徳・体のバランス
のとれた子どもたちのよりよい成長を期した環境づくりと教
育を推進しなければならないと確信いたしました。

 本日、先生からご講演いただいたことを明日の教育に生か
し、人間らしく心豊かな子どもの育成に努めて参りたいと存
じます。森先生、本日は貴重なご講演いただき本当にありが
とうございました。
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