大卒で就職する時の年齢は多くが22歳~23歳です。
25歳といえば、社会人としての自覚が芽生え、入社した企業での仕事にもようやく慣れる時期。これから企業の戦力として活躍していくと言われる年齢です。
そんな時期に転職活動をするという事は、新卒入社した会社で何かトラブルがあったのか、あるいは就活で十分な企業研究をしていなかったか、というようなマイナスイメージを持たれることもあるでしょう。
つい数年前に厳しい就職活動を乗り越えてきたのに、次はより厳しさが増すかもしれない転職活動へ挑むというのは、きっと強い決意があってのことだと思います。
そこで今回は25歳での転職にスポットを当て、25歳でも転職活動を成功させる方法について解説いたします。
- 25歳の転職はいわゆる「第二新卒」扱い
- 25歳で転職活動を始める理由
- 25歳ではキャリアと呼べるものはない
- 「転職しないリスク」を抱えるのはバカバカしい
- 第二新卒積極採用企業を狙おう
- 転職エージェントを活用し25歳での転職を成功させよう!
25歳の転職はいわゆる「第二新卒」扱い
25歳での転職は、業界では第二新卒と呼ばれるカテゴリーに属する転職活動になります。新卒や既卒枠ではなく、中途採用扱いです。
企業によっては第二新卒と明記している採用を行っている会社もありますが、多くの場合、中途採用枠となるでしょう。
では、第二新卒に対する企業のイメージ、あわせて企業側が第二新卒を採用するメリットを見てみましょう。
①新人教育が必要ない
新卒者とは違い、曲がりなりにも社会人経験がある25歳は、一般的な社会人基礎研修などが必要ありません。
②高学歴な人材を採用できる
新卒では見向きもされないような企業でも、第二新卒であれば高学歴の人材を採用できる可能性があります。
③色に染まっていない
中途採用とは言え、前職では3年程度しか勤務していないため、特定企業の色に染まっていない。そのため入社しても周囲と摩擦を起こす可能性が低いと判断されます。
④ミスマッチが起こりにくい
25歳になると企業を見る目も肥えているため、入社してから「失敗した」と思って退職することが少ないです。
このように、若いという点と新卒には無い「手軽さ」を兼ね備えた部分を企業側は評価しており、25歳という年齢であっても、転職者を歓迎するのです。
25歳で転職活動を始める理由
そもそも、なぜ入社して3年程度のタイミングで転職を考えてしまうのでしょうか。その理由としては、企業側に原因がある場合と本人に原因がある場合とがあります。
企業側に原因がある場合
・サービス残業を命令する、また休日出勤が相次ぐといったブラック企業だった
・セクハラやパワハラによって居場所がなくなった
・過剰なノルマを課され、時には自爆営業が必要なほど働かされていた etc.
本人に原因がある場合
・企業研究が甘く、望んでいた仕事と違っていた
・大きな失敗やトラブルを起こしてしまった
・環境の違いにストレスを感じた(就職上京者など)
・キャリアプランが見えなくなってしまった etc.
このように、さまざまな理由を背景に25歳で転職を試みます。
厚生労働省が調査した大学新卒者の就職後の離職率統計によると、以下のように30%近い大卒者が3年以内に退職しているというデータもあります。
卒業年度 | 1年目離職率 | 2年目離職率 | 3年目離職率 | 離職率合計 |
平成25年3月 | 12.8 | 10.0 | 9.1 | 31.9 |
平成24年3月 | 13.1 | 10.3 | 8.9 | 32.3 |
平成23年3月 | 13.4 | 10.1 | 8.8 | 32.4 |
平成22年3月 | 12.5 | 10.0 | 8.5 | 31.0 |
平成21年3月 | 11.5 | 8.9 | 8.4 | 28.8 |
※厚生労働省のホームページより抜粋
大卒就業者数は毎年40万人前後です。つまり、ここ数年は大体12万人前後が新卒入社から3年以内に退職し、転職活動を行っているのです。これは転職市場全体で見てもかなりの市場規模になります。
25歳ではキャリアと呼べるものはない
一般的な中途採用では、企業は即戦力となるかどうかを判断するために、応募者のこれまでのスキルや経験を確認します。
しかし、25歳で転職を希望する第二新卒の場合は事情が若干異なります。
25歳の転職者に対して企業側が求めているのは、社会人としての基礎が既に身に付いていて、かつ特定企業の色に染まっていないという人材です。
社会人の土台はありつつも、自社の色に染めやすいのがポイントです。
つまり、スキルや経験は二の次なのです。
そもそも、3年程度の経験やスキルはあまり参考にならないという判断され、それよりも社会人としてのマナーや礼儀などがしっかりと身についていることを重視しているということです。
ところが、25歳で転職を希望する人の中には、これを理解している人は多くありません。
3年足らずの社会人経験であるにも関わらず、前職でのスキルや実績を必要以上にアピールし、自分を大きく見せてしまいます。
例えば、営業成績が上位であったとか、システムの開発プロジェクトのリーダーとしてメンバーをまとめていた等、前職での実績がさも自分の実力であるかのようなアピールをするのです。これは企業の採用担当者が「鼻で笑う」アピールです。
というのも、多くの企業は入社3年くらいまでは育成期間と位置付けています。
上司や先輩にフォローされながらようやく一人前になるかならないかといった時期。仮に実績があったとしても、自分の力ではなく会社がお膳立てしてくれただけだと判断されるのが普通なのです。
「転職しないリスク」を抱えるのはバカバカしい
しかし、キャリアが無いからと言って転職をあきらめろというわけではありません。
それは、これだけ多くの企業が25歳の第二新卒の採用を行っていることからもお分かりいただけるでしょう。
中でも、企業側に理由があって転職活動している25歳は、企業側としてはぜひとも欲しい人材です。
例えば苦労して新卒で入社した企業がとんでもないブラック企業であり、日々体力をすり減らし神経が荒んでいくのを実感している場合。こういった企業に3年以上勤め続けると、いずれメンタルを病んでしまいます。
そして、一度メンタルを病んでしまうと転職活動が非常に困難になります。そうなる前にブラック企業とは決別し、25歳までに次の勤務先を見つけるという行為は、誰からも非難されることではありません。
また、「次こそはしっかりとした会社で自分の実力を発揮しよう」という意気込みや熱意をアピールできれば、企業側としても好印象を持ち、受け入れてくれることでしょう。
望んでいた仕事と実際は違っていたというような事前の企業研究が甘かった場合でも、やる気のないままダラダラと仕事を続けるよりも思い切って転職し、やりたい仕事に就くという選択もありです。
こういった、転職しないことによるリスクを抱えたまま、今の仕事を続けることは、本人のためにもなりませんし、人生をつまらなくしてしまう要因にもなります。
若いからこそ、違う業種にもチャレンジできる
例えば、未経験だけどエンジニアの仕事に就きたいと考えたとします。
SEの求人数は多いですが、その中でも「未経験歓迎」に絞るとかなり絞られます。
転職サポートを行っているリクルートエージェントでエンジニアの求人数を調べてみると、公開求人が8,311件ありました(2017年4月現在)。
ですが、「未経験」というキーワードを加えてみると、355件とやはり一気に減ります。
※上記の件数は採用予定数です
未経験者歓迎という企業は、人材を育てるための環境が充実している可能性が高いです。
指導してくれる先輩がいて、研究制度もしっかりしていると思います。
ただし、それには「若い人材を一から育てて戦力にしていきたい」という考えが含まれていることを忘れないでください。
特にエンジニアの仕事は、大手企業、中小企業どちらにも言えることですが、残業や休日出勤、夜間に働くというのが避けられません。クライアントの要求でハードスケジュールの中で働かないといけない状況にも直面するでしょう。
こうした厳しい部分にもついていける体力があること、そして柔軟な考え方も求められます。
年齢だけで全てが決まるわけではありませんが、転職するなら若さがあらゆる可能性を高めてくれるのは間違いありません。
ちなみに、異業種への転職がしやすい業種としては商社・流通、メディア、メディカル、IT・通信などがあります。
第二新卒積極採用企業を狙おう
そこで、25歳での転職活動を行う際には、ぜひ第二新卒積極採用企業を狙うことをおススメします。各種求人サイトなどでは第二新卒の採用を行っていることを明記していたりします。
また、実際に25歳で転職した先輩のインタビューなども載っていたりするため、社会人経験の浅い25歳でも問題なく受け入れていることがわかるケースもあります。
いずれにせよ、25歳での転職は第二新卒応募と位置づけ、多くの求人案件の中から絞り込んでいくようにしましょう。
転職エージェントを活用し25歳での転職を成功させよう!
実は25歳での転職を無事に成功させるには、転職エージェントの活用がベストです。
転職エージェントでは、経験豊富なキャリアコンサルタントが、ネガティブなイメージを持たれやすい25歳での転職に対して、そうならないように第二新卒積極採用企業を紹介してくれます。
就職活動でも面接対策の経験はあると思いますが、今度は転職であるということ、一般的には経験があるとは判断されない25歳であることを考えると、転職の専門家に教えてもらうのは大きな力となります。
面接では採用担当者にどういった部分を見られる?どんなことを伝えるべきか?と質問されたらスラスラと答えられますか?
転職エージェントは求人数の多さや魅力的な求人内容だけではなく、あなたの土台をしっかり築くための助けとなるので、ビッグチャンスの波に乗ることができます。
自分の市場価値や強みを正しく理解したうえで、職種や企業選び、年収などの重要なポイントを担当コンサルタントと一緒に考えていきましょう。
また、この先のキャリア構築のアドバイスも行ってくれる点も利用するメリットの一つです。初めての就職に躓き、自信を失いかけている求職者に、自信が持てるようなキャリアプランの提案も行ってくれます。