衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは12日、顧客同士の古着売買を仲介するサービス「ゾゾフリマ」を6月30日に終了させることを明らかにした。ゾゾフリマは2015年12月にサービスを開始したが、わずか1年半での撤退となった。衣料品通販市場で圧倒的な強さを誇る同社だが、フリマアプリ市場では存在感を示せなった。
スタートトゥデイは通販サイトで培った知名度を生かして15年にフリマ事業に参入。だが、15年度に35億円を目指した年間取扱額は、わずか1億1000万円だった。状況を打破しようと、16年3月には売買が成立した場合に出品者が支払う10%の手数料をゼロにするキャンペーンを実施したが、16年度第3四半期時点でも取扱額は6億6000万円にとどまっている。
同社はサービス終了の理由について「取扱額など当社の想定にいたらなかったため」と説明。今後は主力の衣料品通販サイト事業や、今年度に発表予定のプライベートブランド(PB=自主企画)商品の開発などに経営資源を集中する。
フリマアプリは、メルカリのほかにも「ヤフオク!」「フリル」「ラクマ」など競合がひしめく市場だ。ただ、無料対話アプリのLINE(東京・渋谷)が16年5月にフリマサービス「LINEモール」の終了を発表するなど、優勝劣敗が顕著になってきている。
メルカリの年間取扱額は約1200億円と推定され、一人勝ち状態が続く。「メルカリ一強」の構図は簡単に崩れそうもない。
(鈴木慶太)