IMF専務理事 保護主義は低所得者に打撃

IMF専務理事 保護主義は低所得者に打撃
IMF=国際通貨基金のラガルド専務理事は講演で、貿易を制限すると商品の価格が上がって、低所得の世帯が最も打撃を受けるとして、アメリカのトランプ政権などで続く保護主義的な主張をけん制しました。
IMFのラガルド専務理事は、来週開かれるG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議を前に12日、ベルギーの首都ブリュッセルで講演しました。

この中で、ラガルド専務理事は「貿易を制限することはみずからを傷つける行為だ。商品の価格をつり上げることで低所得の世帯が最も打撃を受けることになる」と述べ、アメリカのトランプ政権などで続く保護主義的な主張をけん制しました。

一方で、貿易には雇用の減少などマイナスの副作用があるとしたうえで「魔法の処方箋はないが、職業訓練や転職の支援などに重点を置くことで、影響を受ける人を救うことができる」と述べ、保護主義の広がりを防ぐため、各国が自国の労働者を支援する必要があるという考えを強調しました。

またラガルド専務理事は、このほかの世界経済のリスクとして、フランスの大統領選挙などを念頭に、「ヨーロッパも含めた政治情勢の不透明感」などを指摘して、選挙の行方を注視する姿勢を示しました。