【モスクワ=田中孝幸】ロシアのモルグロフ外務次官は11日、安倍晋三首相が27~28日にモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談すると述べた。米ロが対立を深めるシリア情勢は対日関係に大きな影響を与えていないとの認識も示した。
モスクワを訪問中の新党大地の鈴木宗男代表との会談で明らかにした。鈴木氏によると、モルグロフ氏は化学兵器の使用疑惑があるシリアのアサド政権に対する米軍の攻撃について「独断で国家主権を侵すことには慎重であるべきだ」と批判。国際機関などによる調査の必要性を指摘した。
北朝鮮の核問題を巡って緊迫する朝鮮半島情勢については「ロシアも大きな懸念を持っている」と表明。武力行使ではなく対話による事態打開が必要との考えを強調し、北朝鮮への軍事行動の構えを見せる米国をけん制した。