クリス・ハート、日本国籍取得「日本へ力になれるように頑張っていきたい」
NHK紅白歌合戦にも出場するなど日本で活躍する米国出身の歌手クリス・ハート(32)が3月までに日本国籍を取得したことが6日、分かった。
「日本への感謝の気持ちを伝えるため、日本との絆をもっと深めたい」と、15年夏に取得申請してから1年半あまり。念願がかない、日本人歌手として新たな一歩を踏み出した。関係者によると、日本名は非公表の予定。取得には「継続して5年以上、日本に住んでいること」「20歳以上で本国の法律によっても成人の年齢に達していること」「素行が善良であること」など、国籍法で定められた6つの条件を最低限満たす必要があったが、ようやく認められた。
全国ツアーを開催中のハートはこの日、歌手の妻、福永瞳(30)の故郷の鹿児島市でコンサートを行った。公演後にブログを更新し「唯一の夢は日本に住むことでした。日本人の友達もたくさんできて、僕を応援してくれました。日本に住むことができるようになり、音楽仲間ができ、妻にも会えて家族が増え、人生は大きく変わりました。変わらずクリス・ハートとして、日本へ力になれるように頑張っていきたいと思います」とつづった。
サンフランシスコ生まれのハートは、ジャズ・ベーシストの父親、クラシック・ピアニストの母親の影響を受けて育った。中学校で日本語を受講したのを機に日本文化に興味を覚え、ケーブルテレビから流れる小田和正、徳永英明らの歌声に魅了された。2009年に来日し、自動販売機の営業の仕事をしながら生計を立てた。12年に出演した日本テレビ系「のどじまん ザ!ワールド」で「奇跡の歌声」と注目を集めデビュー。13、14年に紅白に出場した。
16年2月に長男(1)が誕生し、公私ともに絶好調のハート。日本人として「日本の心(ハート)」を歌い続けていく。
◆クリス・ハート 1984年8月25日、米サンフランシスコ生まれ。32歳。幼少期からクラシック音楽に親しみ、オーボエ、クラリネット、サックスを学ぶ。13歳の夏休み、茨城・土浦市に2週間ホームステイ。13年シングル「home」で歌手デビュー。同年松田聖子とのデュエット曲でNHK紅白歌合戦初出場(紅組)、14年は白組で出場。5月28日の東京国際フォーラムまで、自身2度目の全国都道府県ツアーを行う。