登録 : 2017.04.10 23:36
修正 : 2017.04.11 13:44
北朝鮮、11日に最高人民会議・15日には太陽節
核実験・ロケット発射の可能性が高い
半月ぶりにカール・ビンソン号が再出動
浦項では大規模な韓米軍需支援訓練
軍「北朝鮮軍の特異動向はない」
統一部「先制攻撃の懸念は不要」
偶発的衝突の可能性は排除できない
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朝鮮半島周辺における米軍事力の増強//ハンギョレ新聞社
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米空母カール・ビンソン号が朝鮮半島を離れてから異例にも半月で再出動したことで、朝鮮半島の緊張指数が高まっている。韓米が大規模な軍需支援合同訓練を開始したうえ、北朝鮮が緊張を高める行為に出る可能性が高い「記念日」が目白押しで、偶発的衝突の可能性も排除できないからだ。しかし、米国が先に軍事行動をとるための動きではないというのが、専門家たちのほぼ一致した見解だ。
カール・ビンソン号の「朝鮮半島出動」は今月に予定された北朝鮮の様々な内部行事と直接的な関連があると見られる。軍のある当局者は「北朝鮮軍に特異動向はない。直ちに軍事的措置を取るための布石ではなさそうだ」としながらも、「4月に北朝鮮の行事が多い状況で、6回目の核実験など戦略的挑発を強行する可能性が高いだけに、これを防ぐために、先制的に北朝鮮を圧迫するためと思われる」と分析した。
北朝鮮は11日、韓国の国会に当たる最高人民会議を開催する。同日は金正日(キム・ジョンイル)前総書記が「永遠の党総書記」で、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が「党第1秘書」に推戴されて5年になる日だ。15日は故金日成(キム・イルソン)主席が生まれて105周年になる「太陽節」で、25日は朝鮮人民軍創設85周年記念日だ。北朝鮮は記念日が集中している4月に内部的結束を誇示し、対外的メッセージを送るための目的でロケット発射を行ってきた。
問題はカール・ビンソン号のほかにも韓米両国軍が10日、慶尚北道浦項(ポハン)一帯で、有事の際に戦争物資の後方普及に向けた大規模な軍需支援訓練である「パシフィック・リーチ作戦」(OPR)に入るなど、米軍戦力が朝鮮半島に集中していることだ。今月21日まで行われる今回の訓練には、韓国軍1200人と海外増員戦力を含めた米軍約2500人が参加する。
このような状況で、中国の空母、遼寧号も最近、西海(黄海)地域で訓練を実施している事実も注目されている。
これまで北朝鮮は米国の戦略資産の展開や韓米合同演習に敏感に反応してきた。周辺国が、北朝鮮の予期できない対応が偶発的衝突へとつながりかねないと懸念するのも、そのためだ。ロシア上院のヴィクトル・オゼロフ国防・安保委員会委員長は9日、「北朝鮮が米空母の出動で自国の安保に対する脅威を感じるなら、これは北朝鮮指導部の予想しなかった行動を煽りかねない」と警告したと、ロシアの「リア・ノーボスチ通信」通信が報じた。
しかし、米国のシリア攻撃とあいまって、朝鮮半島でも危機感が高まっているが、米国の動きが直ちに先制的な対北朝鮮軍事行動に向けた段階にあるとは見られない。ワシントンのある消息筋は「シリアはすでに内戦が起きた場所で、ロシアやNATO(北大西洋条約機構)が引き続き空爆を行ってきた地域」だとし、「朝鮮半島とシリアの状況は明らかに異なる」と話した。
イ・ドクヘン統一部報道官も10日、定例記者会見で、「米国は、大韓民国の対北朝鮮政策を支持すると表明しており、韓国政府はあらゆる問題を平和的に解決するという立場」だとし、「(米国の先制攻撃説について)大きく懸念する必要はない」と述べた。ただ、コリア研究院のキム・チャンス院長は「米国が実際の先制攻撃をしなくても、軍事的危機が高まれば、政治・経済的に打撃を受けるのは韓国だけ」と指摘した。
慶南大学極東問題研究所のキム・ドンヨプ教授は、カール・ビンソン号の突然の移動経路変更について「米空母戦団が、戦略資産として単に北朝鮮を狙って予定と異なる動きをする可能性は低いとみられる」としたうえで、「最近、シリア状況などのため、米軍が世界的レベルで戦略資産の配置や運用に変化を与えているのではないか」と分析した。
ワシントン、北京/イ・ヨンイン、キム・ウェヒョン特派員、パク・ビョンス先任記者、チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2017-04-10 19:59
http://www.hani.co.kr/arti/international/america/790087.html 訳H.J(1958字)