サウジ国王の日本訪問は46年ぶりで、中国が11年ぶり。この様子を伝えた韓国紙、朝鮮日報(日本語電子版)は、国王が韓国を重要な国だと思っていないからではなく、韓国が大統領弾劾という事態に陥り国王を迎えられる状況にないだけで、無念さを抑えきれないと報じた。
崔圭夏(チェ・ギョハ)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)の大統領4人が過去にサウジを訪れたが、韓国にサウジ国王が来たことはない。
同紙によると、サルマン国王は今回ぜひ韓国を訪問したいと考えていたという。国王は兄たちより立場が弱く王位承継のない「株価の低い皇太子」だった1999年に訪韓しているが、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれた経済成長を経て大きく発展した韓国に感銘を受け、国王になったら再び訪れたいと話していたそうだ。
韓国大手紙の中央日報(同)も、サウジのアジア重視政策に韓国だけが外れていると問題視する。世界最大の石油会社、サウジ国営サウジアラムコの東京証券取引所への上場誘致に向けた協議を進めることでサウジと日本が一致したことについては、安倍晋三首相の外交の力だと評価した。
韓国は世界で4番目のサウジ石油輸入国だ。両国は2015年、中小型原子炉事業など一部で協力はあったが、他の産業分野では目立った追加の交流や協力はない。親交のあったサルマン国王を招くことができなかった韓国の失態は、今後、王政国家の序列などを正確に把握することを難しくするかもしれない。誰が権力の中枢に近いかを知るための「アラビア半島の金脈」地図を見失ったようなものだ。