THAAD(高高度防衛ミサイル)の配備を開始したことによって、韓国は中国の激しい経済報復に喘いでいる。韓国への団体旅行も禁じられたことで、ソウルの街並みから中国人の姿が消えた。
なお、デパ地下惣菜店店員の韓国人からは「中国人は混雑する店内でもわが物顔でキャリーバッグを引いて歩くし、味見ばかりで商品を買わない。注意すると逆切れするし、いなくなって清々した」といった声もあり、他にも「もっと上手な中国語を話せ!」となじられた店員もいるなど、トラブルはあったようだ。
そして、中国人に人気のリゾート、済州島でも中国人客によるトラブルが続発している。昨年9月には、飲食店に酒を持ち込んだことを咎められた中国人グループが50代の女性店主らに暴行を加え、重傷を負わせる事件が発生。その後、教会で祈祷中の韓国人女性が、中国人観光客に刺殺されるショッキングな事件も起きている。いずれも政治摩擦と直接結びつくものではないが、中韓両国民が、互いに憎悪と不信感を募らせていることは間違いない。
その済州島では、3月11日に入港した大型クルーズ船の中国人客3400名が下船を拒否。当局と観光産業関係者を青ざめさせた。
「中国からのクルーズ船は、すでに150便が入港キャンセルを決定している。観光客に依存する飲食産業を中心に、島の経済は壊滅的な打撃を受ける恐れがある」(済州島当局関係者)
中国共産党機関紙の『人民日報』は中国人客の下船拒否を「愛国的行動」と絶賛。国を挙げた“韓国イジメ”は今後さらに激しさを増すことが予想される。
そうした中、韓国にとって致命傷となりかねないのが今年10月に期限を迎える中韓通貨スワップ協定の中断だ。在韓ジャーナリスト・藤原修平氏が語る。