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- 那覇市の食料物価指数は東京23区より高く全国の県庁所在地で1位
- 特に生鮮野菜は高く、夏場は県外産頼みで輸送コストがかさむため
- 一方で賃金は全国最低とギャップが大きく低所得者層の生活を圧迫
那覇市の2015年の食料の消費者物価地域差指数・都市別指数が、都道府県庁所在市で初めて1位になったことが11日分かった。全国平均を100としたときの指数は103・9で、東京都区部より高かった。
■輸送コストかさみ
特に生鮮野菜の指数が高く、沖縄県統計課は要因を「県内では夏場、特に葉野菜の収穫量が少なくなり、県外産に頼らざるをえず、輸送コストがかさみ価格が高くなることや、観光客増加で消費量が多くなる影響もあるのではないか」とみている。
地域差指数は、地域間の物価水準の違いをみることを目的に2000年から総務省が集計。那覇市の後に金沢市、東京都区部、松江市と続く。政令指定都市を含めると相模原市が104・5で最も高く、那覇市は2位だった。
那覇市の食料の消費者物価指数は全国平均を上回る水準で推移し増加傾向。14年103・4、13年104・8でともに3位だった。
■給与は全国の8割
一方、県内事業所の平均給与は全国の8割の水準で、全国一最低賃金額が低く、最も高い東京都との差が拡大している。県内で物価と賃金が乖離(かいり)し、労働者の生活を圧迫している可能性がある。
貧困や労働問題に詳しい県就職・生活支援パーソナルサポートセンターの濱里正史さんは「物価と賃金のギャップが開き、特に低所得者層が暮らしにくくなっている。復帰後、本土との格差が拡大している可能性があり、実態調査の上で、県は是正に取り組むべきだ」と指摘した。(学芸部・高崎園子)