あなたは、6月20日から7月2日に東京・上野で芸術のアンサンブルが起きることを知っていますか?
こんなチャンスは二度と来ない
2017年4月18日から7月2日まで東京・上野にある東京都美術館で、2017年7月18日から10月15日まで大阪にある国立国際美術館で、ブリューゲル「バベルの塔」展が開催されます。
そして、2017年6月20日から9月24日まで東京・上野の国立西洋美術館でアルチンボルド展が開催されます。
つまり、6月20日から7月2日の間、東京・上野では、ブリューゲル「バベルの塔」展とアルチンボルド展が同時に楽しめることになります。どちらの作品も、誰もが知っている有名な作品だと思います。ピーテル・ブリューゲル1世、ジュゼッペ・アルチンボルド。この二人の作品は、今後も全国にある美術館で見ることはあるかもしれません。しかし、同じ時期に徒歩で行ける距離にある東京都美術館と国立西洋美術館をはしごして、芸術を堪能できるのは、今回が最初で最後でしょう。こんなチャンスは二度と来ないと思われます。芸術に関心がない人でも、絶対足を運ぶべきです!
また、この2つの展覧会はそれぞれ単独で考えても、とても貴重なものです。それぞれの代表作を紹介しながら、説明していきたいと思います。
ブリューゲル「バベルの塔」展
ピーテル・ブリューゲル1世『バベルの塔』
ブリューゲルの『バベルの塔』が日本にやってくるのは、なんと24年ぶりです。今年、見逃せば、次に日本で見られるのは何十年後になるか分かりません。この作品はオランダのボイマンス美術館から日本へ来ます。 オランダまで見に行く手間と時間を考えただけでも、日本にある内に見るべきでしょう。
『バベルの塔』は約60cm×75cmと大きな作品ではありません。しかし、細部の描写には目を見張るものがあります。天まで届く塔の完成を目指すという架空の風景を、当時の最先端である建築技術をもとにリアルに描き込まれています。現実的な非現実を描き出す。これは、今で言えばVR(バーチャルリアリティ)のようなものではないでしょうか?どんなに現実さを追求しても、そこにあるのは非現実です。
この限りなく現実みたいな非現実な作品の位置づけ。そして、旧約聖書に登場する『バベルの塔』が伝えるメッセージ性。それらを絵画で表現しようとしたブリューゲル。どれをとっても、『バベルの塔』が名作であることは間違いないでしょう。
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アルチンボルド展
ジュゼッペ・アルチンボルド『春』
ジュゼッペ・アルチンボルド『夏』
ジュゼッペ・アルチンボルド『秋』
ジュゼッペ・アルチンボルド『冬』
一見すると人の肖像画のようですが、よく見るとそこにあるのは色々な動植物。色や形を生かして顔を組み上げるその構成力に世界中の人が脱帽させられてきました。キワモノ扱いでは終わらせられない作品の完成度の高さがそこにはあります。
動植物一つ一つを見ても、驚くほどリアルです。そして、この動植物で作られた人間たちは、動きだしてもおかしくないようなリアルさがあります。もちろん、このような生命体は存在しません。しかし、アルチンボルドが息を吹き込んだ彼らには、生命が宿っているとしか思えません。そのような錯覚をさせるところが、アルチンボルドの凄さでしょう。
先に紹介した植物で構成された連作『四季』と連作『四大元素』が特に有名ですが、実はこの連作『四季』が日本でそろうのは今回が初めてです。4点は同一美術館で所蔵されているわけではないため、このような企画展でもない限り、全てを一度に見ることはできません。こんな機会は日本では二度とない可能性もあります。その点も含めて、絶対に見に行くことをおすすめします!
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芸術作品を生で見るということについて
有名な芸術作品は写真でいくらでも見ることができます。そのため、普段、芸術作品に触れることがない人には、観覧料は展示場所までの旅費など考えると無駄に思えるかもしれません。しかし、実際に、多くの人が足を運んで、お金を払って見に来ます。なぜだか分かりますか?
感覚的には音楽好きの方がライブへ行くのと近いかもしれません。ただ芸術を生で鑑賞することは、それよりも深い理由があります。平面に感じる絵画も光の当たり方で見え方が変わります。また油絵などでは、表面の凸凹を見ることができます。そこには写真では分からない絵筆によるタッチや、彫刻表面の質感など、アナログならではの人間臭さが残されています。
表現の自由が許されていない時代に作られた作品には、その時代の作者のメッセージや心情が込められています。宗教的なものや有力者によって作らされた作品など、作品によっては、作者の命や人生をかけた作品もあります。
作品の前に立ち、その作品の背景を知った上で、作品の細部をじっくり鑑賞することは、作者との魂の対話ではないでしょうか?長きにわたり多くの人を魅了する作品には、それなりの理由があるのです。その理由は作品解説だけで伝わるようなものではありません。生で見なければ伝わらないものがあります。百聞は一見に如かずということです。
私事ですが……
ちなみに、芸術大好き人間な俺は、もちろん見に行きます。北海道から東京までこの奇跡を体験するためだけに東京旅行に行きます。日程はこれから決めますが、今から楽しみです!